日本歴史地名大系 「奥寺堰」の解説
奥寺堰
おくでらぜき
- 岩手県：和賀郡
- 奥寺堰
花巻市・北上市・和賀町・江えづ釣り子こ村を含む一帯の平野を灌漑する用水堰。寛文五年︵一六六五︶盛岡藩士奥寺八左衛門定恒・弟清定は豊とよ沢さわ川と和賀川に挟まれた荒蕪地の開拓を願出て許され︵﹁被仰付御蔵新田之事﹂猫塚文書︶、翌年藩営として工事に着手した。延宝三年︵一六七五︶横よこ川かわ目め村︵現和賀町︶の綱つな取とりに穴堰︵トンネル︶を掘り和賀川の水を揚水することに成功した︵﹁元両堰ニ付御用書留帳﹂竹村文書︶。揚水した水を北東流させ藤ふじ根ね村・後ごと藤う村︵現和賀町︶から南みな笹みさ間さま村︵現花巻市︶、藤ふじ沢さわ村・村むら崎さき野の村・二ふた子ご村︵現北上市︶へ延びる上うわ堰︵延長一万一九三間︶を開削した。同七年には横川目村菱ひし内ない︵綱取の下流︶で和賀川より揚水し、竪たて川かわ目め村・長なが沼ぬま村・藤根村︵現和賀町︶、新につ平ぺい村︵現江釣子村︶へ延びる下した堰︵延長五千四五〇間︶を完成させた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報