抽出蒸留(読み)ちゅうしゅつじょうりゅう(英語表記)extractive distillation

改訂新版 世界大百科事典 「抽出蒸留」の意味・わかりやすい解説

抽出蒸留 (ちゅうしゅつじょうりゅう)
extractive distillation


78.32117.25


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日本大百科全書(ニッポニカ) 「抽出蒸留」の意味・わかりやすい解説

抽出蒸留
ちゅうしゅつじょうりゅう
extractive distillation


使使

 


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百科事典マイペディア 「抽出蒸留」の意味・わかりやすい解説

抽出蒸留【ちゅうしゅつじょうりゅう】

共沸混合物あるいは沸点が接近しているため分離困難な液体混合物などの分離に用いられる蒸留法の一種。原液中のいずれの成分よりも高沸点の第3成分を添加して蒸留する。第3成分が原液中のある成分と選択的に親和力を示すことによりその成分の揮発度が下がり,他の成分との分離が容易になる。たとえばアセトンメチルアルコールは共沸混合物をつくるが,水を加えて蒸留するとメチルアルコールの揮発度が下がり純粋に近いアセトンが分離される。
→関連項目蒸留

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「抽出蒸留」の意味・わかりやすい解説

抽出蒸留
ちゅうしゅつじょうりゅう
extractive distillation

普通の蒸留では分離できない混合液体に,沸点の高い第3の成分 (溶剤) を添加して,蒸留分離する化学操作をいう。第3成分と混合液体中の各成分間との親和力の大小により揮発度に差を生じさせて,選択的に抽出分離する。たとえば,ベンゼンとシクロヘキサンの分離において,溶剤としてフェノールを添加して,シクロヘキサンとベンゼン-フェノール (これはさらにベンゼンとフェノールに分離される) が取出される操作や,塩酸水溶液から塩酸を回収する場合,硫酸を添加して塩酸を抽出蒸留するなどに用いられている。共沸蒸留と並ぶ特殊な蒸留方法であるが,添加する溶剤の揮発度が小さいなどの点で異なる。

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化学辞典 第2版 「抽出蒸留」の解説

抽出蒸留
チュウシュツジョウリュウ
extractive distillation

共沸混合物あるいは沸点の接近した成分の混合液の分離に用いられる蒸留法の一種.混合物に沸点の高い第三成分を添加して,分離すべき成分の比揮発度を変化させ,蒸留によって分離する.たとえば,ベンゼンとシクロヘキサンは共沸混合物となるが,それにフェノールを加えて蒸留すれば,フェノールの揮発度は両者よりはるかに低く,またフェノールに溶解したベンゼンの揮発度はシクロヘキサンのそれより十分に低くなるため,シクロヘキサンは塔頂から,ベンゼンはフェノールとの混合液として塔底から取り出される.

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世界大百科事典(旧版)内の抽出蒸留の言及

【蒸留】より

… ある種の混合物のある組成においては,液の組成とそれに平衡な蒸気の組成が等しくなることがあり,これを共沸混合物と呼んでいる。このような場合には普通の蒸留では純粋な成分に分離することができないので,抽出蒸留とか共沸蒸留によって分離を行っている。また,水に溶解しにくい物質の精製には,液の中に直接水蒸気を吹き込んで蒸留を行うことがある。…

※「抽出蒸留」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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