採油(読み)サイユ(英語表記)oil production

翻訳|oil production

デジタル大辞泉 「採油」の意味・読み・例文・類語

さい‐ゆ【採油】

[名](スル)
地下の油層から石油を汲み取ること。
植物の種子などから油をしぼりとること。「菜種から採油する」
[類語](1採掘採鉱採炭露天掘り

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精選版 日本国語大辞典 「採油」の意味・読み・例文・類語

さい‐ゆ【採油】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 地中から石油を掘り採ること。
  3. 植物の実をしぼって油を採ること。

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改訂新版 世界大百科事典 「採油」の意味・わかりやすい解説

採油 (さいゆ)
oil production




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1930

 

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23

宿
 

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「採油」の意味・わかりやすい解説

採油
さいゆ

油層から原油を採取することをいう。

[田中正三]

排油機構


()退退


二次採収


53020403570

 1950退退()

 ()2030


三次採収

石油価格の上昇により、石油の採収費が高くなっても経済的に採算がとれるようになったことと、石油資源の増加を図る方法として、三次採収の油田への適用と実験室の研究は盛んに行われるようになった。三次採収法として熱採収法、化学攻法およびガスミシブル法がある。熱採収法には水蒸気圧入と、油層に空気を圧入し、油を燃焼させそのエネルギーを利用する火攻法がある。水蒸気圧入は、カリフォルニアの重質油層などに広く適用され、油層を加熱し油の粘度を下げ、水蒸気で油を石油井へ押し流していく。化学攻法は、界面活性剤の溶液やアルカリ溶液を油層へ圧入し増油を図る方法である。ガスミシブル法は、炭化水素系のガスや炭酸ガスを油層へ圧入し、油とガスの間に油やガスの両方ともによく溶解しあう中間相をつくり採収率をあげることを目的としている。

[田中正三]

石油井

一次採収から三次採収まで、油層中の油は天然ガスや水の作用により石油井へ流入し、石油井を通って地表へ産出する。油層まで掘削された孔にケーシングとよばれるパイプが挿入され、その周囲はセメントで固められる。石油井の油層部分は、ガンパーホレータとよばれる穿孔(せんこう)装置で火薬や弾丸で孔をあけ、石油井と油層とを連結する。石油井にはチュービングとよぶパイプを挿入し、油はチュービングを通って地表へ流出する。石油井の坑口装置を別名クリスマスツリーという。坑口にはビーンとよぶ流量調節用の器具を取り付ける。ビーンは金属棒に小口径の孔をあけたものか、流量調節用の特殊なバルブで、石油井の産油量を制限している。石油井から流出した油とガスはセパレーターで分離される。産出したガス量を油量で割った値をガス油比という。原油はタンクに蓄えられ、天然ガスはパイプラインで消費地へ送られる。

[田中正三]

採油制限

油層中の油はガスや水により押し流されて石油井へ流入するが、ガスや水は油より粘性が低く流れやすいため、坑口装置の流出口を広く開き石油井の圧力を低くすると、ガスや水は油を押さずバイパスして油層を流れてしまうので油層の採収率は悪くなる。このため坑口にビーンを取り付け、ガス油比を低くし、産油量を制限して採油が行われている。油田で原油の増産をしようとして、坑口のバルブを広く開くと、油の産出が早期に止まってしまう事態がおこる。

[田中正三]

採油法

油田開発の当初、油層圧力が高いと石油井は自噴する。油層圧力が低下するにつれ、油の流出は間欠的となり、ついには停止する。この段階でガスリフト採油や、ポンプ採油が行われる。ガスリフト採油は石油井へ圧縮ガスを圧入し、ガスの膨張する力で油を流出させる。ポンプ採油は、チュービングの下端に採油ポンプを取り付け、ポンプのプランジャーを地表より降ろしたサッカーロッドとよぶ細長い鉄棒で上下させて採油する。

[田中正三]

坑井刺激法


()()


坑井の産出能力

石油井はそれぞれ特定の産出能力をもっている。中東の大油田では1本の石油井から1日に1000キロリットル以上の原油を産出しているが、油田開発当初でも産油量が1日1キロリットル以下という石油井もある。かかる石油井の産出能力を表す指数が産出指数である。産出指数は、産油量を油層の圧力と石油井の圧力の差で割った値である。石油井の産出指数に差があるため、1日当り約100万バレルの産油量を得るのに、メキシコでは60本の石油井で足りるが、旧ソ連地域では6000本、アメリカでは5万6000本必要であるともいわれている。

[田中正三]

坑井テスト

石油井の産出能力のテストのためには、坑井にケーシングを挿入し仕上げしてから試油を行い、ある一定期間採油して、安定してとれる産油量を決定する。この方法では、産油量が少ないとき、ケーシング挿入などによる損失を受けるので、掘管(ほりかん)の下端にフォーメーションテスターとよぶ器具を取り付け、裸坑に降ろし、産油量を試験する方法が多く用いられている。このテストを掘管テストあるいはDSTという。DSTで地表へ流出した油は特殊なバーナーで燃やし、その炎は石油井の成功を印象づける。

[田中正三]

海底油田の採油

海底油田が発見されると、プラットホームの上に採油設備が設置され、産出した原油と天然ガスは海底パイプラインで陸上へ送られる。油田規模が小さいと、かかる大規模な方法は経済的に実施できない。そこで、浮遊式の生産施設を用いてプラットホームの建設を省略したり、坑井を海底仕上げするなどの方法でコストの減少を図る。今後マージナル油田とよばれる採算限界油田の開発が急務になっているので、小規模海底油田の採油装置の研究は盛んになると思われる。

[田中正三]

坑道掘採油

油層に坑道を掘り油を含んでいる岩石を地表で乾留したり、坑道にしみ出した油をくみ上げる坑道掘採油法の研究が行われている。わが国では1939年(昭和14)新潟県東山油田で油層内に9852メートルの坑道が掘られた実績がある。しかし坑道掘採油法の実施は将来の問題である。

[田中正三]


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百科事典マイペディア 「採油」の意味・わかりやすい解説

採油【さいゆ】

 

 

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