精選版 日本国語大辞典 「斑紋」の意味・読み・例文・類語 はん‐もん【斑紋・斑文】 (一)〘 名詞 〙 まだらの模様。とらふ。 (一)[初出の実例]﹁黒斑なる犢(こうし)に生まれ、自ら碑文を負ひたり。斑文を探(あなく)るに謂はく﹂(出典‥日本霊異記︵810‐824︶中) (二)[その他の文献]︹司馬相如‐上林賦︺ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「斑紋」の意味・わかりやすい解説 斑紋 (はんもん)mottling 土壌用語。自然の土塊を割ってみると,局部的に地色と異なった色の模様がみられることがあり,これを斑紋とよぶ。日本でもっとも普通なのは,水田土壌の灰色の地色に散在する赤褐色︵鉄︶や褐黒色︵マンガン︶の斑紋である。湛水︵たんすい︶状態で生成する還元態の2価の鉄イオンFe2⁺やマンガンイオンMn2⁺が,落水後酸化されて局所的に濃縮して沈殿してできる。その形状により根の穴に沿った糸根状,割れ目表面の膜状,基質中の雲状,点状などに分けられる。さらに強湿田地帯では,青灰色の地色に炭酸鉄FeCO3の白い斑紋や,藍色のラン鉄鉱Fe3︵PO4︶2の斑紋がみられることがある。一方,洪積台地の排水の悪い所では,黄褐~赤褐色系の地色に,根の穴や割れ目などの孔隙︵こうげき︶に沿って明るい灰色の斑紋が形成される。なお,鉄,マンガンの酸化物や炭酸鉄は,濃縮が進むとしばしば硬化する。この硬化したものは結核または結塊とよんで,斑紋と区別するのが普通である。 執筆者‥三土 正則 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報