浮木（読み）ウキギ

デジタル大辞泉 「浮木」の意味・読み・例文・類語

うき‐ぎ【浮（き）木】

 
︽﹁うきき﹂とも︾
1 水の上に浮かんでいる木片。
2 船。いかだ。
﹁―に乗りて河の水上を尋ね行きければ﹂︿今昔・一〇・四﹀
3 マンボウの別名。  

ふ‐ぼく【浮木】

水に浮いている木。うきぎ。

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精選版 日本国語大辞典 「浮木」の意味・読み・例文・類語

うき‐き【浮木】

 

(一)〘 名詞 〙 ( 後世は﹁うきぎ﹂とも )
 (二)① 水上に浮かんでいる木材・木片。流木。
(一)[初出の実例]﹁査 唐韻云楂︿鋤加反 字亦作査槎 宇岐々﹀水中浮木也﹂(出典‥十巻本和名抄︵934頃︶三)
 (二)﹁唯是風の落葉を捲き、早瀬の浮木(ウキギ)を弄ぶに異らず﹂(出典‥義血侠血︵1894︶︿泉鏡花﹀二)
 (三)② 船、またはいかだ。うけき。
(一)[初出の実例]﹁海の畔に、枯査(ウキキ)東に向きて移り去りぬ﹂(出典‥日本書紀︵720︶大化元年一二月︵北野本訓︶)
 (二)﹁いくかへりゆきかふ秋をすぐしつつうき木に乗りてわれかへるらん﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶松風)
 (四)③ 盲目の亀が出会ったという木片。めったにない機会のたとえ。→浮き木に会える亀。
(一)[初出の実例]﹁ごふ尽す御水洗河の亀なれば法のうききにあはぬなりけり︿選子内親王﹀﹂(出典‥拾遺和歌集︵1005‐07頃か︶哀傷・一三三七)
 (五)④ 魚﹁まんぼう︵翻車魚︶﹂の異名。︹俳諧・毛吹草︵1638︶︺
  
 

うけ‐き︻浮木︼

 

(一)〘 名詞 〙
 (二)① いかだ。舟。うきき。
(一)[初出の実例]﹁無目堅間(まなしかたま)を以て浮木(ウケキ)に為(つく)りて﹂(出典‥日本書紀︵720︶神代下︵水戸本訓︶)
 (三)② 漁具の名。→浮き
  

ふ‐ぼく【浮木】

  1. 〘 名詞 〙 水に浮かんでいる木材・木片。うきき。
    1. [初出の実例]「浮木に乗けん人の心地して」(出典：康頼宝物集（1179頃）上)
    2. [その他の文献]〔埤雅〕

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