脳出血(読み)ノウシュッケツ(英語表記)Cerebral hemorrhage

デジタル大辞泉 「脳出血」の意味・読み・例文・類語

のう‐しゅっけつ〔ナウ‐〕【脳出血】

 
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精選版 日本国語大辞典 「脳出血」の意味・読み・例文・類語

のう‐しゅっけつナウ‥【脳出血】

  1. 〘 名詞 〙のういっけつ(脳溢血)〔医語類聚(1872)〕

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六訂版 家庭医学大全科 「脳出血」の解説

脳出血
のうしゅっけつ
Cerebral hemorrhage
(脳・神経・筋の病気)



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 調調

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内科学 第10版 「脳出血」の解説

脳出血(血管障害)

 

 

 cerebral amyloid angiopathyCAA

 穿CAACAACAACCCAA

 20102440301010CAACAA70804050906070CAAEε2CAA

 穿Charcot-BouchardCAACongo-red

 穿CAA穿

   pinpoint pupilocular bobbing調Cheyne-Stokes

 CT15-5-17CAA15-5-18CAAMRIT2

 CTCT15-5-17CAA15-5-18調

 CTCTMRI調

 穿CAAAlzheimer

 

 CT180mmHg80
 CT30mL3cm15mL30mLCAA穿
  尿4.5使

Kase CS, et al: Intracerebral hemorrhage. In: Stroke: Pathophysiology, Diagnosis, and Management (Mohr JP, et al), pp327-376, Churchill Livingstone, New York, 
2004.2  2pp1707-17152003 5pp18-37-18-49, 西2003  

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「脳出血」の意味・わかりやすい解説

脳出血
のうしゅっけつ

高血圧などの種々の原因によって脳血管が破綻(はたん)し、脳内に出血して生じた血腫(けっしゅ)のため、周囲の脳実質が圧迫、浸潤、破壊されることによって発症する疾患で、代表的な脳血管障害の一つ。脳実質を穿通(せんつう)する動脈の細い血管(径約0.2ミリ)に血管壊死(えし)という変化がおこり、血管壁の構造が崩れてもろくなり、やがて同部に脳内小動脈瘤(りゅう)(径0.2~0.5ミリ)を生じ、ついにこれが破綻することによって脳実質へ出血し、血腫を形成する。脳出血の好発部位としては、脳出血動脈ともよばれている線条体動脈外側枝が破れておこる被殻出血がもっとも多く、脳出血全体の50~60%を占める。この被殻出血に次いで多いのは、視床膝(しつ)状体動脈あるいは視床穿通動脈の破綻による視床出血で、25~35%に相当する。なお、この視床出血を内側型出血とよぶのに対して、被殻出血を外側型出血とよぶことがある。このほか、皮質下出血、橋(きょう)出血、小脳出血の順になる。

[荒木五郎]

症状

一見健康な人に突然発症し、発作は活動時におこることが多い。脳出血患者の大部分に既往症として高血圧があり、発作時は著しい高血圧を示すことが多く、高血圧性脳出血とよばれる。大部分の患者に意識障害がみられるが、これがなければ高率に頭痛を訴える。通常、半身不随となる。これらの神経症状は数分から数時間以内に進展、完了する。重症の場合は急に昏睡(こんすい)に陥ることがある。しかし、意識清明の軽症患者も10%くらいみられる。腰椎穿刺(ようついせんし)によって髄液を調べると、約85%は血性か黄色調であり、残りは水様で透明である。

[荒木五郎]

鑑別診断

脳出血と鑑別を要する疾患は、脳梗塞(こうそく)とくも膜下出血である。(1)脳梗塞との鑑別 脳出血は活動時に突然おこり、意識障害がくることが多く、頭痛も訴える。脳梗塞はしばしば前駆症状がみられ、発作は休息時におこることが多く、意識も清明か、意識障害があっても軽度である。症状が徐々に出そろってくるのが特徴で、頭痛もないか、あっても軽い。(2)くも膜下出血との鑑別 脳出血は脳内に出血するので、通常、半身不随になるが、くも膜下出血は脳実質の周囲に出血するので、普通は半身不随にならず、いままで経験したことのない、金棒で殴打されたような激しい頭痛と、首の後ろが固くなる項部(こうぶ)強直で始まり、意識障害もひどくなったり軽くなったり動揺性がある。

[荒木五郎]

検査

脳出血と脳梗塞との鑑別でもっとも確実な検査法は、頭部のコンピュータ断層撮影(CT)である。CTによると、脳出血は発作直後から画面では白く見える高吸収域を示し、出血の部位、大きさ、脳室への穿破の有無、脳浮腫(ふしゅ)の程度も明らかにすることができる。これに対して脳梗塞は低吸収域として黒っぽく造影される。ただし、この低吸収域が出現するまでに発症後、半日から1日を要する。

[荒木五郎]

予後

脳出血は、くも膜下出血と同様、死亡率が高い。半数近くが死亡するといわれ、とくに脳室に穿破する大出血や橋出血などは死亡率が高い。脳出血で死亡する直接原因は、脳ヘルニアによるものが多い。すなわち、大脳半球内で出血して高度な浮腫のため脳の容積が増大した場合、脳は髄液を通して硬い頭蓋(とうがい)骨に囲まれていて逃げ場所がなく、脊髄(せきずい)が頭蓋骨から出ていく大後頭孔のほうへ圧迫されることになる。これが脳ヘルニアであり、呼吸中枢に関係する橋や延髄が上方から下方に向かって圧迫され、死の転帰をとることになる。このほか、消化管出血や肺炎などの合併症で死亡することもあるので、合併症の発症には十分注意して看護する必要がある。

[荒木五郎]

治療

外科的療法、内科的療法、合併症に対する治療に大別される。(1)外科的療法 被殻出血(外側型出血)、皮質下出血、小脳出血に対しては脳内血腫除去術が行われるが、視床出血(内側型出血)、橋出血は除去術の対象とはならない。ただし、視床出血に対しては脳室ドレナージが行われ、症状の改善をみることがある。なお、除去術が適応とされる前述の脳出血の場合、意識障害が高度で内科的療法ではむずかしいと思われる患者が、外科的手術により救命しえたという例もしばしばある。(2)内科的療法 止血剤の投与をはじめ、収縮期血圧が200、拡張期血圧が110ミリ水銀柱以上ならば、再出血を予防する目的で緩徐な降圧剤を投与し、血圧を調節する。また脳浮腫に対しては、副腎(ふくじん)皮質ステロイド剤と高浸透圧性脳圧下降剤(マニトール、グリセロール)が使われる。副腎皮質ステロイド剤の効果については賛否両論があるが、消化管出血の引き金になることがあるといわれているので、胃潰瘍(かいよう)の既往のある人には使用しない。また、グリセロールは比較的副作用も少ないので発作直後から使われ、脳浮腫に対する効果も確証されているが、腎臓の悪い患者には禁忌とされている。

 さらに体液のバランスが崩れやすいので、その是正のために輸液が行われる。意識障害や嚥下(えんげ)困難のある患者には1500~2000ミリリットルの水分補給を点滴注射で行う。4、5日経過しても口から食事がとれないときは、鼻腔(びくう)ゾンデから流動食(2000キロカロリー)を流し込む。(3)合併症に対する治療 消化管出血として発病1、2週後に胃・十二指腸潰瘍から出血することがあり、吐血あるいは下血をきたす。最近、ヒスタミンH2受容体拮抗(きっこう)剤シメチジンが効果があるとされている。出血が多量で貧血が著しいときは、外科手術に踏み切らなければならないこともある。また、発熱があるときは早く胸部X線撮影を行い、肺炎に対しては広域スペクトルの抗生物質を使用する。なお、床ずれに対しては、2時間ごとに体位を変換したり、エアマットを使うなどによって予防する。

[荒木五郎]

後遺症に対するリハビリテーション

脳出血の後遺症には、病巣の部位と広がりに関連して出現する第一次障害と、発症後の経過中にみられる第二次障害とがあるが、いずれにしてもそのリハビリテーションの目標は、日常生活動作activities of daily living(ADL)の自立である。これが社会復帰につながるわけで、とくに片麻痺に対する効果はその実績からも高く評価されている。

 発症後、意識が覚醒(かくせい)して痛みがわかるようになったら、寝たままの姿勢で健側と患側の四肢の関節を自動的あるいは他動的に動かすことから始める。痛がらない範囲内で行う。重症度にもよるが、発症三週後には床上で起きる練習を始め、1か月後からは歩行練習に入る。これらはリハビリテーションチームによるプログラミングに従って行われる。

[荒木五郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脳出血」の意味・わかりやすい解説

脳出血
のうしゅっけつ
cerebral hemorrhage

 
 

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百科事典マイペディア 「脳出血」の意味・わかりやすい解説

脳出血【のうしゅっけつ】

脳溢血

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栄養・生化学辞典 「脳出血」の解説

脳出血

 脳血管の破裂による脳内の出血.

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世界大百科事典(旧版)内の脳出血の言及

【膝蓋腱反射】より

…脊髄癆(ろう),脊髄前角炎,多発性神経炎,脚気等で反射弓のどこかが障害されると,この反射は減弱・消失するため,これら疾患の検査に利用される。一方,脳出血や反射中枢より上位の脊髄疾患等で上位中枢からの抑制性の影響が弱まると,この反射は亢進する。反射【大野 忠雄】。…

【脳卒中】より


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 (1)()(2)(3)(4)

【脳内出血】より

…脳内における出血をいい,一般に脳出血とか脳溢血(のういつけつ)といわれるものがこれにあたる。最も多いものは高血圧性脳内出血である。…

【片麻痺】より

…したがって,大脳および顔面神経核の存在する橋(きよう)より上位の脳幹で錐体路が障害されると,顔面を含む反対側の半身麻痺を生じ,それ以下で頸髄より上の病変では,顔面を含まない反対側上下肢および体幹の半身麻痺を生ずることになる。 最も多いものは,脳出血や脳梗塞のために生じた大脳半球の内包の障害による反対側の半身麻痺である。内包には錐体路の繊維が集中しており,また出血や梗塞の好発部位であるためである。…

※「脳出血」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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