精選版 日本国語大辞典 「臈」の意味・読み・例文・類語 ろうラフ【臈・臘】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 冬至の後の第三の戌(いぬ)の日に行なう祭。猟の獲物を神々や祖先にまつる。転じて、年の暮。年末。また、陰暦一二月の異称。 (一)[初出の実例]﹁早驚二春気一禅林臘、先負二日光一定水氷﹂(出典‥菅家文草︵900頃︶五・感雪朝) (二)﹁臘(ロウ)を送り春を逐ふ﹂(出典‥浄瑠璃・松風村雨束帯鑑︵1707頃︶一) (三)[その他の文献]︹春秋左伝‐僖公五年︺ (三)② 仏語。僧侶が受戒の後、一夏(いちげ)九〇日の安居(あんご)を行ない終えること。また、この安居を区切りとして数えた僧の出家後の年数。その多少によって位次が定まる。 (一)[初出の実例]﹁寺の中の僧をあつむ。臈の次にまかせて座をつらね﹂(出典‥観智院本三宝絵︵984︶下) (二)[その他の文献]︹経律異相‐一八︺ (四)③ 年功を積むこと。また、それによる順位。転じて、身分・地位を示す語。 (一)[初出の実例]﹁上臈なる人々あまたまできてさけなどたうぶるついでに﹂(出典‥能宣集︵984‐991︶) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
山川 日本史小辞典 改訂新版 「臈」の解説 臈ろう 年労にもとづく序列のこと。本来は僧尼が得度してからの年数をいい,寺院社会ではそれによって地位が決まった(臘)。平安時代の律令官司では年労(在任年数)によって官位が昇進するという慣例がうまれ,俗官においても臈という観念・規範が成立した。上臈・第一臈・臈次などの用法がみられる。 出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報