諸口（読み）モロクチ

デジタル大辞泉 「諸口」の意味・読み・例文・類語

もろ‐くち【▽諸口】

 
1多くの人がいう言葉。衆口。
﹁下の―と申すことは、えいなび給はぬことなり﹂︿宇津保・国譲下﹀
2 馬の口取り縄を左右両方からとること。⇔片口。
﹁侍十二人に―をさせ﹂︿太平記・一二﹀  

しょ‐くち【諸口】

１ いろいろの項目・口座。
２ 簿記で、仕訳しわけをするときに借方または貸方の勘定科目が二つ以上になっていること。

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精選版 日本国語大辞典 「諸口」の意味・読み・例文・類語

もろ‐くち【諸口】

 

(一)〘 名詞 〙
 (二)① 多くの人のいうことば。民衆の声。衆口。
(一)[初出の実例]﹁世をまつりごちなれ給へる御王位だに、臣下のもろくちと申す事は、え否(いな)び給はぬことなり﹂(出典‥宇津保物語︵970‐999頃︶国譲中)
 (三)② 馬の口につけた縄を二人が引くこと。
(一)[初出の実例]﹁思ひ思ひの鞍置いて、︿略﹀あるは乗口に引かせ、あるはもろ口に引かせ﹂(出典‥平家物語︵13Ｃ前︶九)
 (四)③ ﹁もろくちがみ︵諸口紙︶﹂の略。
  
 

しょ‐くち︻諸口︼

 

(一)〘 名詞 〙
 (二)① いろいろの項目、口座。
 (三)② 簿記で仕訳をする場合に、取引の貸借どちらか一方が二つ以上の勘定科目になっていること。借方の仕入れに対し、貸方は現金と銀行預金となる類。
  

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