![連載 近事片々](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/01/31/20210131hpr00m070035000q/16.jpg?1)
連載
近事片々
毎日新聞夕刊1面連載の寸評。
記事一覧
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衝突回避の安全網破れ…
2024/7/10 13:03 260文字衝突回避の安全網破れ。危険と隣り合わせの夜間飛行訓練事故。防衛省の一角に祭られる殉職隊員、2000人超。 ◇ その傍らで不祥事続々。裏金接待、潜水手当の不正受給、機密の不適切な扱い……。規律緩む実力組織の危うさ。 ◇ 結束試されるNATO首脳会議、米国で開幕。問われるはバイデン -
まぶしい日差しが照りつける…
2024/7/9 13:02 252文字まぶしい日差しが照りつける、ってもんじゃない。身うだる﹁災害級﹂の夏。納涼の風情も蒸発させ。 ◇ 50度超え息もできぬほどとなれば、まさに災害。熱い大気を閉じ込める﹁ヒートドーム﹂現象、米国各地で。 ◇ 怒り烈火のごとく。小児病院へのロシアのミサイル攻撃にウクライナ大統領。がれ -
選挙異変…
2024/7/8 13:09 241文字選挙異変――。 ◇ 旧弊打破を訴え、ソーシャルメディアを席巻した石丸旋風。そのメッセージと手法が奏功か、若者を動かす。 ◇ 既存政党も旧弊と。よもやの結末に﹁失意泰然﹂と蓮舫さん。圧勝の小池さんは得意淡然と願いたい。 ◇ 失意の後の得意。極右抑え﹁賭け﹂に辛勝したマク -
「失政」の与党を退場させ…
2024/7/6 13:13 252文字﹁失政﹂の与党を退場させ、最大野党に政権を託す。わかりやすい英国流。さて、日本はどうか。 ◇ ﹁水面下﹂で癒着、﹁閉鎖性﹂が影響か。潜水艦修理に絡み、川崎重工が裏金で海自接待。見返りは何なのか。 ◇ 前からできたはずでは。米兵の性暴力、プライバシーに配慮し、全件を政府が沖縄県に -
防災無線からの呼び掛けは災害に限らない…
2024/7/5 13:04 237文字防災無線からの呼び掛けは災害に限らない。私の住む街では家を出たまま帰らない人の捜索協力も。 ◇ やがて流れる﹁無事発見されました﹂にホッとする。だが、全国では今も戻らない人も多く。 ◇ 認知症を原因とする行方不明者届け、過去最多に。映し出すは、高齢化社会の断面。 ◇ -
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情理は尽くされた…
2024/7/4 13:14 258文字情理は尽くされた。﹁著しく正義・公平の理念に反する﹂と﹁時の壁﹂打ち砕き。法の正義に快哉︵かいさい︶を叫ぶ。 ◇ 非人道的な行為を生み出す優生思想の愚かさを忘れてはなるまい。世界に刻まれた悲惨な歴史、数々。 ◇ ﹁失敗の処理に失敗しない﹂は危機管理の要諦。失敗すれば組織は混迷に -
新札の「資本主義の父」…
2024/7/3 13:10 264文字新札の「資本主義の父」、ムスッとしていませんか。「道徳と経済の両立」はどこへ消えたか、とでも言いたげに。 ◇ 「新しい資本主義」で国民は笑顔になれますか。政治とカネの「道徳」差し置き、信頼は消えゆくばかりなのに。 ◇ 大統領「免責」の難題。認めなければ政権交代の度に報復が起き、
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「大統領は法を超越しない」と述べて…
2024/7/2 13:12 252文字「大統領は法を超越しない」と述べて、「公的ではない行為」なら免責は許されないと言い渡す多数派。 ◇ 「公的行為」のすべてが許されることになれば、「もはや大統領は法を超越した王様だ」と反論する少数派。 ◇ 米議会襲撃事件を巡る連邦最高裁の白熱した保革判事対決。審理差し戻しに笑うは
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土砂に流された家屋…
2024/7/1 13:11 252文字土砂に流された家屋、液状化でゆがんだ道路、大量のがれき……。半年迎えてなお爪痕そこかしこ。 復興阻む法の壁取り払いながら、一歩ずつ前に。 ◇ ﹁いじめが主たる原因﹂。再調査認定までの3年、あまりに長く。その時、悲痛な心の叫びを分かち合えていたら。現場の不作為、底が割れ。 ◇ 底 -
どうして報告しないのか…
2024/6/29 13:03 266文字どうして報告しないのか。小林製薬の「死亡疑い新たに76人」に厚労相が立腹。急に増えるから衝撃も大きく。 ◇ 米兵の女性暴行事件は先月も。経緯を知らされぬ沖縄県民。慰霊の祈りは怒りへと。 ◇ どうして言っちゃうのか。「負け犬」「悪いパレスチナ人」。米大統領争う81歳と78歳の口げ
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無理が通れば道理が引っ込む…
2024/6/28 13:07 259文字無理が通れば道理が引っ込む、はならぬと。法解釈の変更で認めた定年延長は﹁黒川氏のため﹂。地裁が正す道理。 ◇ 検察よ、そこで教えてほしい。無理やり人事はなぜまかり通ったのか、そこまでした目的は何だったのか。 ◇ そこのけ、そこのけ、は通らぬと。時間切れでマイクをミュートも。大統 -
聖徳太子は十七条憲法で…
2024/6/27 13:10 249文字聖徳太子は十七条憲法で﹁信賞必罰﹂を説きつつ、疑問を呈した。最近の賞罰は筋が通っていない、と。 ◇ いにしえの不条理は今に続く。自らの責任に耳塞ぐ首相に前首相が繰り返し説く﹁身を処せ﹂の道理。 ◇ 内紛生々しく。﹁維新スピリッツ教えてやる﹂に﹁どんなもんか教えてもらいたいわ﹂の -
歴史に埋もれた虐待…
2024/6/26 13:11 262文字歴史に埋もれた虐待、赤裸々に。ハンセン病入所患者への薬物投与。﹁園長独裁﹂の﹁人体実験﹂に身震いする。 ◇ ﹁経済的虐待﹂に鉄つい。障害者福祉サービス食い物にする﹁架空﹂﹁上乗せ﹂数々。 ◇ 守る人に届かなければ、守られるべき人が守られない。納めて得られる介護サービスは何か。周 -
背負い投げを食らわされた顧客の不信深く…
2024/6/25 13:13 256文字背負い投げを食らわされた顧客の不信深く。ルール逸脱の最大手行が食らう痛棒。規制緩和論議にも冷や水。 ◇ 水問題は﹁それぞれの国の社会や文化を理解することにもつながります﹂と話される天皇陛下。見識まさに。 ◇ 中東の希少な水資源めぐる争いがもたらす﹁死にゆく﹂死海のリアル。イスラ -
<誰かが始めた争いが そのすべてを奪い去る>…
2024/6/24 13:04 255文字<誰かが始めた争いが そのすべてを奪い去る> 短い命、大きな未来……。視点は79年前の沖縄に、そして今の世界に。慰霊の日、高校生の詩が心揺さぶる。 ◇ あの痛ましい事件があった29年前も、怒りを込めたのは高校生だった。﹁静かな沖縄を返してください﹂ ◇ 時代移ろうとも傷痕消えず -
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続投に意欲満々の証し?…
2024/6/22 13:09 255文字続投に意欲満々の証し? 9月の自民党総裁選への出馬は明言せずも、秋の経済対策策定を表明した岸田首相。 ◇ 党内からも退陣を求める声が出始める中、「ポスト岸田」を巡る動きが活発に。 ◇ 財政健全化に踏み込まぬ「骨太の方針」を閣議決定。「金利のある世界」復活でも借金頼みを続けるのか
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振り返れば…
2024/6/21 13:10 254文字振り返れば、名だたる面々が一戦交えた。 笑った青島幸男、石原慎太郎、猪瀬直樹、舛添要一、涙の鳩山邦夫、明石康、東国原英夫、細川護熙……の各氏。 ◇ タレント、作家、国際人に首相経験者。後にスキャンダルが発覚した勝者も。さあ、首都決戦、だれに未来を。 ◇ 世界を動かす7大企業群。
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抜本改革を先送りし…
2024/6/20 13:42 253文字抜本改革を先送りし、金権の根を温存したままやり過ごす権力者たち。政治の劣化、ここに極まれり。 ◇ 民主政治を熱く語った3年前の姿はなく、党内力学に腐心。そっぽ向かれた国民の怒りを軽く見てはいけない。 ◇ 政変近し、と見たか。われこそは、とうごめく面々、自民の権力闘争劇の舞台に。 -
露呈する虚構の政治改革…
2024/6/19 13:16 259文字露呈する虚構の政治改革。 信頼回復の﹁大きな柱﹂と首相は呼ぶ。よく見れば穴だらけで、崩れ落ちそうな。それでも成立の改正規正法。 ◇ 英国政治を模したシャドーキャビネット、マニフェストは一過性に。クエスチョンタイムに倣う党首討論も3年ぶり。鳴り物入りだったはずが。 ◇ 筋金入りの -
時異なれば事異なり…
2024/6/18 13:05 259文字時異なれば事異なり。 ◇ 24年前。大統領就任間もなく訪れた北朝鮮で誓った。﹁侵略と戦争政策に反対する﹂ ◇ 直後の沖縄でのサミットでは世界の安定を訴えた。誰もが歓迎した鮮烈なデビューも昔。﹁戦争マシン﹂と化し、孤影深めるプーチン氏の今。 ◇ 16年前。沖縄の保守系与 -