よりよい仮説を導くために
確実に失敗する典型例
﹁サイトの問題点はどこにあるのか?﹂ ブレストするメンバーのスキルが高ければ高いほど、改善の仮説は山のように出てくるだろう。しかしここから本命を導き出すのが一苦労。どの仮説も一理あって捨てられないのである。しかしユーザーにぶつけるページは1つしかないとなると、どうにか着地点を見つけなくてはならず、それぞれの仮説を折衷したような方向性になってしまうこともある。これは最悪の流れだ。折衷案は複数の仮説の本質をつぶし合い、まったく異なる方向性を生んでしまう。結果、効果が出るかは運任せ、ベストの仮説はどれだったのかも見いだせない。このようなやり方ならやらない方がマシだろう。 これまでこの類の失敗は非常に多く起きていた。なぜなら、手軽に仮説を検証する方法が無かったからである。確実に成功できる仮説検証方法﹁ウェブサイトオプティマイザー﹂を使おう
ウェブサイトオプティマイザーは、ウェブプロデューサーをこのような失敗事例から解放する秀逸なツールだ。ひとことで言うなら、社内でまとまらない仮説をユーザーにぶつけて、最適解を見つけることができる﹁テストツール﹂である。ウェブサイトオプティマイザー登場以前から同様のサービスはあるのだが、利用料が高価なために採用できる場面は非常に限られていた。ウェブサイトオプティマイザーは同様の機能を無料でつかえてしまう。だからどんな規模のサイトでも気軽に使うことができる。特に中小規模のウェブサイト改善にはこれ以上ないツールと呼べるだろう。ウェブサイトオプティマイザーの機能
ウェブサイトオプティマイザーは2つのテスト方法を提供している。A/Bテスト
検証したい仮説ごとにページを登録すると、アクセスしてきたユーザーを自動的に振り分けて表示して目標達成までの行動を追跡する。これによりそれぞれのページの目的達成率を比較できる。﹁スプリットランテスト﹂とも呼ばれている。 テストしたいページの内容がまったく違う場合に向いているテスト方法だ。![](https://mz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/6673/7711.jpg)
多変量テスト
検証したいページの「パーツ」ごとに複数のパターンを登録して、最も優秀なパーツの組み合わせを検証できる。
各ページのキャッチコピーや本文などの最適化に向いている。またどのパーツがユーザーの意志決定に影響を及ぼしているのかを確認できるので新たな仮説出しのヒントとすることもできる。
![](https://mz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/6673/tahenryou.jpg)
各仮説の溝が大きい場合はA/Bテストを使って絞り込み、細かい情報やライティング、クリエイティブなどを多変量テストで検証して仕上げていく、というすすめ方がよいだろう。次節ではA/Bテストを使った仮説検証方法について、実際に筆者がお手伝いしたテストを元にご説明しよう。