このところ、やにわにTwitterが大流行。ただのつぶやきが何でそんなに盛り上がってるのか。ブログやSNSと何が違うのか、いや、違わないのか。リアルタイム検索って何?で、マーケティングにも活かせるのか。そこのところをちょっとばかし探ってみたら、いやぁ、これはエライことになっていた。
Twitterの何がそんなに受けているのか
最初に断っておくと、ボクはそれほど熱心なTwitterユーザーではない、いや、なかった。ただし、新しいもの好きなのは確かなので、2年前の5月には早々にアカウントだけは取っている。
で、しばらく放ったらかしだったTwitterを再開したのは、Twitterよりも、むしろそれを取り巻く様々なWEBサービスの盛り上がりに気づいたから。
特にこの数ヶ月、次から次へとTwitterがらみのトピックが出るわ出るわ、あんまり多いので正直言ってちょっと食傷気味なくらいだ。それだけ、今のウェブサービスの中でTwitterが飛びぬけてパワーを持っているということだろう。
ちなみに、"An In-Depth Look Inside the Twitter World"のリポートによると、オプラ・ウィンフリーなどの有名人が使い出したことが弾みをつけたとは言うものの、今年の最初の5ヶ月間で全ユーザー数の72.5% がサブミットした︵調査対象のユーザー数は1150万人︶というから、その急成長振りには驚く。
これを見て、アプリケーションの開発者が触手を動かさないわけがない。ま、グラフを見ると5月に入って鈍化しているのが気にかかるけれど。
で、一体何がそんなに受けているのか。いろいろ分析、議論、諸説紛々ある中で、ユーザー視点で見れば
・短かいメッセージ︵つぶやきというぐらいだから︶
・それも誰に対して、というわけでもなくただつぶやけばイイ
・でありながら、チャットもできる
・小さなSNSにもなる
・なんならダイレクトに︵公開せずに︶メッセージを送れる
・フォロー︵お友達になってね︶も勝手にどうぞ
・今、何がどこで?がリアルタイムに検索できる
ざっとこんなところですかね。
なにせ、140字以内にチャッチャと書いてただポストするだけだから、とっても気軽。そのつぶやきに対してコメントを返すこともできるので、そうなると当然の成り行きでチャットに早代わり。
また、その両人をフォローしているユーザーにも二人のやり取りが見える仕組みなので、場合によっては﹁じゃ、ワタシも﹂と、そこからSNSにもなり得る。あるいは、誰かのつぶやきを、ReTweetとしてそのままつぶやいてもイイ。要するに再利用して次にバトンを渡す。
そうしたつぶやきの数々がタイムラインとなって時系列に表示される様がまた判りやすい。こりゃ簡単でイイな、となる。
さらに、単なるつぶやきから一歩進んで、ちょっとしたメディアとしての使い方も登場している。事件や事故を目の当たりにしたユーザーがその場でモバイルでポストするから︵例えば、ハドソン川に旅客機が着水するとか︶、ネット上に情報が流布されるスピードが他のメディアの比ではない。
ニュースメディアもネタの収集にTwitterのチェックを欠かさなくなってきているそうだし。中には、速報性を優先するあまり誤報して恥をかくBBCのようなケースもあるけれど。ちなみにそのBBCも、今やTwitterでニュースを配信している。
また、どこかの現場で何かのイベントをリアルタイムに実況するのにも使われるし︵日本ではこれをTsudaるという︶、その気になればあるテーマについて連続もののコラムのように書き連ねることも自由だ。あ、そうそう、ボクの友人には、Twitterのことをラジオという人もいる。言い得て妙。
そういえば、例の新型インフルエンザの発症者が出た後に、アメリカCDCはTwitterで情報を流し続けてた。こういうとき、アメリカの方はやることが実に迅速かつ合理的。
ただ、かといって、全ユーザーがアクティブに使い倒しているかといえば、そんなはずは全然なく、先のリポートのよれば、85.3% のユーザーが一日に一言もつぶやかないことがあるし、21%が過去に一言もつぶやいたことがない。フォローされている人数が100人以下なのは93.6% もいるし、フォローするのも100人以下というのが92.4%いる。かくいうボクもその一人。︵※アップデート‥この記事のおかげであっという間にフォロワーが100人を超えました。有難うございます!︶
と、イカン、前置きが長くなった。
Twitterはリアルタイム検索がお得意
さて、その﹁リアルタイム性﹂は、今どきのWEBサービスにとっては結構重要なキーワード。Twitterは仕組みがシンプルなだけに、ユーザーが意識するしないにかかわらずリアルタイム度はかなり高い。だから、﹁今、どうなのか?﹂というリアルタイム検索に至っては、Googleですら脅威に感じているぐらい。
ちなみに、Googleはそのリアルタイム検索を巡ってTwitterと提携するか、独自に﹁Twitter検索﹂機能を開発するか、︵あるいは手っ取り早く買収するか︶ずっと憶測や噂が絶えない。
確かに、リンクやキーワードで順位を決定するアルゴリズムの検索エンジンには、インデックスするのに手間がかかり過ぎることもあるだろうけれど、リアルタイム度はかなり貧弱。今この瞬間一体何がトレンドなのかを知るには、今のところTwitter検索が一番便利かと。
ところで、そのTwitter検索については、Twitterに買収されたTwitterSearchが最も名が通っていて、つい先だってTwitterにも実装された。だから、サードパーティの出る幕はなくなったかな、と思ってたらこういうのが現れた。
﹁Scooplerはリアルタイム検索エンジンだ。最新ニュースの目撃談やイベントの写真・ビデオ、その日起こった最もホットなミームへのリンクを、Twitterや Flickr、 Digg、 Deliciousなどからアップデートされた情報をインデックスして提供する。﹂
ふ~む、ソースがTwitterだけでないところが微妙にカシコイ。
つまり、Scooplerで検索すれば、リアルタイムにアップデートされた情報だけが表示されるというわけ。試しに、ホットトピックスになってるイランの大統領選挙で検索したら、見ているうちにどんどんアップデートされて目まぐるしい。というか、息苦しいくらい︵※原稿執筆の6月中旬現在︶。どうやら日本語も通る。検索結果はTwitterばかりだけど。
ホットトピックスと言えば、こういうのもある。
あ、また﹁Meme﹂だ。これはいわばTwitterのDigg版といえばイイのか、リンク先の人気投票サイト。﹁ライフスタイル﹂﹁エンタテインメント﹂﹁ゲーム﹂﹁スポーツ﹂﹁テクノロジー﹂﹁ビジネス﹂等々のカテゴリ別にリアルタイムで今話題になってることが判る。ほほ~、と思ったらここからReTweetできる。要するにクチコミネタの発信基地でもある。
さぁ、そのReTweetこそがキモだというのがここ。
さっきも書いたリンクがすべてという考え方から脱却して、人の口の上る情報こそ重要なのだとばかり、ユーザーがReTweetした回数によってその情報の重み付けをしている。
ただし、ReTweetしたユーザーのこれまでの発言力も考慮して順位を決めていて、そのユーザーの過去のつぶやきも見れるので、ある程度の深掘りもできそう。ま、ある程度。
ついでに、検索対象機関も﹁全期間﹂﹁1月前﹂﹁1週間前﹂﹁1日前﹂﹁1時間前﹂を選択可能で、それぞれの期間にいくつポストされているかも数字で表示されている。ボクなら、1ヶ月以前は不要だけれども。
中には、製品に関するつぶやきだけを検索できるのもあった。シラナカッタ。ただし、有料。
いくつかのソーシャルメディアをモニタリングすることで、自社製品︵もしくは競合他社製品︶に関する消費者が持つ不満点や要望などのフィードバックをチェックする仕組み。ただ、まぁ、どうせならあとで書くDellのように直接消費者と接点を持つ方がはるかにイイとは思うけど、どうでしょ?
いずれにしろ、膨大な量のリアルタイム・コンテンツを、手際よく振り分けてチェックするにはこうしたツールが絶対に不可欠。そして、今やネットに一番求められていることこそ、リアルタイム性だ。