赤松健×竹熊健太郎、マンガ業界の5年後を考える対談 2011年1月31日 11:35 229 1 コミックナタリー編集部 × 229 この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。 10 22 1 シェア 記事へのコメント(1件) ポスト シェア ブックマーク 去る1月28日、﹁ネギま!﹂作者にして絶版マンガ閲覧サービス﹁Jコミ﹂代表取締役の赤松健と、京都精華大学教授で編集家の竹熊健太郎が、都内某所にて対談を行った。 赤松健(写真は昨年12月6日に行われた、株式会社Jコミの設立記者会見より) 大きなサイズで見る(全2件) この対談が企画されたのは、両者がtwitter上で交わした﹁電子出版時代の編集者像﹂にまつわるやりとりが発端。﹁マンガの主戦場が電子書籍に移行した未来では、編集者の職能も兼ねたマンガ家が生き残っていくだろう﹂という意見で一致を見た両者が、懇談の機会を求めたことによる。 しかしながら、対談が始まってみると両者の立ち位置の違いは明白。電子書籍時代でも﹁編集職は絶滅しない﹂と主張する竹熊に対し、赤松は﹁やがて編集者は絶滅し、ひいてはマンガ文化も死に至るだろう﹂と悲観論を展開した。 赤松のロジックは明快だ。電子書籍の割合が増えるほど、業界は一握りの人気作家によるヒット作で支えられるようになる。人気作家はすでにプロデュース能力を手にしているため、編集者が作品にアドバイスする余地はなく、よって編集者の力量が育たない。すると新人に対して有効な指導ができず、新人が育たない。人気作家たちが引退したのち、後続する才能は枯渇し、ゆるやかに業界は死に至るであろう、と。 これに対し竹熊は、﹁ヒット作に依存しない、小規模少部数の生き残り作もある﹂﹁プロダクション制の導入で新人育成の余地はある﹂と反論。しかし﹁トップ作家になれば年収数億という夢が消失すれば、マンガ家を目指す若者も減り、地盤沈下は避けられない﹂と述べる赤松と、議論が噛み合うことはなかった。 しかし両者とも、あまりの意見の相違に﹁これほどまでに話が合わない人と会ったことがない﹂とお互いの業界認識に興味が尽きない様子。最終的に﹁5年後、どちらの見通しが正鵠を射ていたか、再会して確かめあいましょう﹂と肩を叩きあい、7時間にも及ぶ対談は幕を閉じた。この対談の全容は2月上旬、電子書籍ニュースサイト・ITmedia eBook USERにて伝えられる。 この記事の画像(全2件) 読者の反応 229 1 コミックナタリー @comic_natalie 赤松健×竹熊健太郎、マンガ業界の5年後を考える対談 http://natalie.mu/comic/news/44245 コメントを読む(1件) ポスト シェア ブックマーク 赤松健のほかの記事 I"s、ラブひな、らんま、H2など 90年代少年マンガのラブコメヒロインを大解剖 519 5月15日 無料公開 TVアニメ「魔法先生ネギま!」&「ネギま!?」YouTubeで一挙無料公開、3月29日より 86 3月27日 インタビュー掲載 “マンガの現在地”考える特集に野田サトル、小林有吾、つくしあきひと、赤松健ら 111 2022年12月6日 記者会見 海外の海賊版サイト業者にとって「日本はローリスク」、国際連携と権利行使がカギに 647 2022年7月29日 タグ 赤松健 竹熊健太郎 リンク 電子書籍/電子出版の今を知る、今が分かる ITmedia eBook USER (株)Jコミの中の人 たけくまメモ ※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
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