5億年前の驚異の化石、ゴカイ類の新種、神経は初

「衝撃的に良好な状態」と研究者、早い段階から頭部が進化か

2018.01.26
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多毛類(ゴカイ類)の新種、Kootenayscolex barbarensisの復元図。(ILLUSTRATION COURTESY ROYAL ONTARIO MUSEUM)
多毛類(ゴカイ類)の新種、Kootenayscolex barbarensisの復元図。(ILLUSTRATION COURTESY ROYAL ONTARIO MUSEUM)
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Kootenayscolex barbarensisは、環形動物門というグループに含まれる。「副感触手」という2本1対の長い感覚器が頭部から伸び、その間に小さな「感触手」がある(左)。「いぼ足」と呼ばれる肉厚の器官が体に並び、そこから剛毛が生えている。(PHOTOGRAPH BY DR. JEAN-BERNARD CARON/ROYAL ONTARIO MUSEUM)
Kootenayscolex barbarensis21PHOTOGRAPH BY DR. JEAN-BERNARD CARON/ROYAL ONTARIO MUSEUM
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500種を超える化石のなかでも「決定的」

 数億年前、この化石が見つかった地域には、同様の小さな多毛類が無数にいただろうと研究者たちは考えている。

 この化石を発掘するにあたり、研究チームは国立公園のなかにある「マーブル・キャニオン」という狭い発掘サイトに的を絞った。かの有名な化石堆積層であるバージェス頁岩の一部だ。このサイトが2012年に初めて見つかって以降、初期の多毛類の化石が500種以上も見つかっているが、なかでも軟らかい組織の跡が残るこの化石は「決定的」とナングル氏は評価する。(参考記事:「化石と絶景 カナダのヨーホー国立公園」

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