日蓮宗新聞
2006年6月1日号
日蓮宗へ龍雲寺が復帰
宮崎県都農町の龍雲寺︵海野禮秀住職︶が、このたび日蓮宗に所属することとなり、辞令交付式が5月19日に東京大田区の日蓮宗宗務院で行われた。
龍雲寺はかつて日蓮宗であったが、昭和30年代初頭に当時の創価学会との軋轢の中で、宮崎県内の日蓮宗寺院9ヵ寺と共に﹁大日蓮宗﹂として独立していた。30年以上の歳月を経た平成元年、大日蓮宗の寺院の大半は日蓮宗への復帰を果たしたが、龍雲寺は単立寺院︵いずれの宗派にも属さない︶として布教活動を続けていた。
近年、龍雲寺の日蓮宗復帰への気運が高まり、現在80歳の海野住職が各方面への働きかけを行った結果、もと大日蓮宗の寺院の中では最後の復帰が実現した。
5月19日の辞令交付式では、療養中のために登院できなかった海野住職の代理として、宮崎・鹿児島・沖縄管区の吉田海心宗務所長が、龍雲寺の所属辞令と海野住職への僧階辞令を受けた。
吉田所長の自坊である延岡市の本東寺も、かつては大日蓮宗に所属しており、このたびの龍雲寺の復帰に対し吉田所長は﹁宮崎には日蓮宗寺院が少ないが、こうしてまた、かつての団結が蘇ったことは非常に嬉しい﹂と、喜びの思いを表していた。
またこの日、吉田所長と共に辞令交付式に臨んだ吉田憲由師︵本東寺修徒・宮崎県日蓮宗青年会現会長︶は、﹁海野上人の思いを引き継いでいきたい﹂と重厚な面持ちで語った。憲由師は龍雲寺の法燈を継承する予定となっている。