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悪質足踏み以外も「パラグアイは酷かった」が…トルシエ絶賛のパリ五輪世代は2ゴール三戸舜介、斉藤光毅だけでない「献身で重要な役割だ」

posted2024/07/26 17:30

パラグアイ戦で大活躍の10番・斉藤光毅を抱き上げる三戸俊介と細谷真大

text by

田村修一Shuichi Tamura

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photograph by

Takuya Nakachi/JMPA

　パリ五輪で日本男子の初戦となったパラグアイ戦は、予想外の展開と結果になった。個々が伝統のねちっこさを発揮し、ファウルも辞さずに身体を寄せてきたのは予想通りだったが、チームとしての戦いには統一感がなく、平河悠への悪質な足踏みによって退場者を出したパラグアイは日本に対して何の抵抗もできなかった。　フィリップ・トルシエはこの試合を、自らのワイナリーがあるサンテミリオンでテレビ観戦した。ボルドーからは約40km。スタジアムに赴くのではなく、一歩退いたところから試合を見た彼は、日本の大勝をいったいどう見たのか。トルシエに聞いた。

率直に言って予想外のスタートだ

――結果に関しては素晴らしいスタートになりましたが。

トルシエ：率直に言って予想外のスタートだった。とりわけプレー面において、パラグアイは多くの弱点を露呈した。このチームが南米予選を1位で通過したのは大きな驚きだ。個の力の強さを彼らが発揮すると私は考えていたが、結局のところ彼らが見せたのはフィジカルに頼ったプレーだった。体躯は大きかったがそれだけで、戦術的なアグレッシブさもまったくなく、選手個々のアグレッシブさがあっただけだった。監督は眠っていたとしか思えない。チームは試合に臨む態勢をまったく整えていなかった。

――その相手に日本は5点を取りました。

トルシエ：日本は自分たちのプレーを展開して、パスを繋いでボールを素早く回した。試合のスタートで感じたのは、パラグアイを引きつけようとする日本の戦略だった。GKの小久保玲央ブライアンは最後尾から展開し、高井幸大と木村誠二、藤田譲瑠チマがボールを保持して相手が出てくるのを待ち受けた。最高の状況が訪れるまで彼らは待ち続けたが、そのやり方はとてもよく機能した。