作品とシーンについて
![](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51YH6YR3BDL._SL160_.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3713-300x252.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3641-1.png)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3648-300x169.png)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3635-300x169.png)
料理についての考察
まずプロの料理人として検討することは、このパスタが作られている背景。 なぜならイタリア料理は地方料理の集合体なので、その料理が作られた地域性が非常に重要だからです。 作品関係者のインタビューや公式から出ている情報を元に、紐解いていきます。 ■ 時代設定 1968年という設定が明らかになっています。つまりこの時代に手に入る食材で作る。 ■ シーンの舞台 ﹁城﹂そのものは、ドイツのリヒテンシュタイン城をモデルに作画されていると言われています。![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/4_Lichtenstein.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/sanleo.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/300px-San_Leo_I.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/500px-San_Leo_Panorama_I.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/md22-1024x675.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3644-1.png)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3634-1.png)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3644-1.png)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3639.png)
再現にあたって
このマルティーノ・ダ・コモの作ったポルペッタのレシピは、﹁仔牛の挽肉、牛乳に浸して古くなったパン、粉に挽いたチーズ、ローズマリー、刻んだパセリ、ニンニクを入れて捏ね、丸く成形したのち、鍋にたっぷりのオリーブ・オイルを入れて揚げる。 ﹂というもの︵そう弟子が記載しています︶。 イタリアでは全土でポルペッタ︵ポルペッティーニ︶が作られていて、今でこそ牛だけではなく豚肉、鶏肉、合い挽き、さらには魚のミンチ︵要は﹁つみれ﹂です︶まで、様々な素材が使われていますが、そもそものレシピは牛肉︵仔牛肉︶です。実際、あちらでは今も昔ながらのポルペッタは牛肉で作ることが多いです︵特に南イタリアはその傾向が強い︶。今回テーマとしているルパン三世のパスタは大衆料理屋であることから、高価な仔牛肉ではなく普通の牛挽肉を使って再現します。また、エミリア=ロマーニャという地域性を考慮し、現地のポルペッティーノのレシピにある、地域食材であるパンチェッタを刻んで混ぜ込む方法を採用します。使用するチーズは、エミリア=ロマーニャの特産チーズであるグラナパダーノ・チーズ。これを粉にした「グラナパダーノ・パウダー」を使います。
煮込みの際に使う赤ワインは﹁キャンティ﹂。エミリア=ロマーニャと隣接しているトスカーナ州のワインです。最近は減ってきましたが、伝統的な藁包みの瓶でも有名です。
まさに作中、テーブルに置かれているワインですね。おそらく、このレストランでは、お客さんがボトルの中に飲み残したワインを煮込みに回したりなんかしているのかな、と思ったりします︵笑︶
↑
今の日本でやると、﹁飲み残しを使いまわすなんて!﹂と怒る人もいそうですが、あっちでは当たり前にやります。口を付けたものを再利用しているわけではないですし、単純に捨てるのは勿体ない! 後で出てきますが、﹁余ったパンをパン粉にして使う﹂のも同じ理屈です。
高級店ではないので、キャンティの上級銘柄であるキャンティ・クラシコなどではなく、もちろん通常のノーマル・キャンティです。
さて、肝心のパスタのチョイスですが、エミリア=ロマーニャといえばバリラ・・・と言いたいところですが、今回、もっと最適なパスタを思いつきました。それがこちら、﹁グラニャネージ スパゲッティ・アッラ・キタッラ﹂。
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/450px-Fiasco_di_chianti_monteriggioni.jpg)
|
﹁アッラ・キタッラ︵キタッラ風︶﹂の名の通り、断面が若干四角気味です。
1834年創業の歴史あるパスタメーカーです。
ブロンズダイス成型で低温長時間乾燥。昔ながらの味わいを目指して、36度での一次乾燥と、46度での二次乾燥に約3日かけるこだわりよう。効率を重視した最新の高温乾燥機を使用したパスタのように、小麦粉のグルテンに火が入ることの無い状態で仕上がるため、茹でた時のもっちりした食感が特徴的。
卸売り業者さんのコメントは﹁同じロング系の乾燥パスタを使うなら、これを使えば”どんな人にも感動を与えることができる”そんなパスタです﹂。攻めてますね︵笑。
そしてもう一つこのパスタを選んだ理由が、太さと長さ。太さは﹁太めのロングパスタ﹂の条件をクリアしています。そして長さが・・・
U字になっているので、つまり通常の倍の長さです︵下写真の上が通常のスパゲッティ、下が今回使用するパスタ︶。
これは昔ながらの手法で作るがゆえにこうなるのですが、つまりパスタを乾燥させる際、棒に引っ掛けて乾燥させてるんですね。
つまりこういうことです
↓
この状態で乾燥させるので、そのままこの形になるわけです。通常はU字になった所で折って茹でれば普通の長さのスパゲッティになるわけですが、今回はこれを折らずに使用します。
量は二人分で300g。イタリアにおける昔ながらのシェアサイズです。
他に候補として、僕が愛してやまないラ・ファブリカのスパゲッティ 1.9㎜も考えたのですが、ラ・ファブリカは1976年創業。作品の時点ではまだ出来ていないため却下しました。︵同様の理由で、コルンブロ社なんかも却下です︶
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3668.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3669.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3671.jpg)
作ってみよう
︻レシピ︼
・ポルペッティーノ
牛挽肉‥ 300g
パンチェッタ‥30g︵細かく刻む︶
パン粉‥30g
牛乳‥30ml
粉チーズ︵グラナパダーノ︶‥100g
ローズマリー、パセリ‥適量︵刻んでおく︶
ニンニク‥2片︵みじん切り︶
塩‥3g︵小さじ 1/2︶
胡椒‥適量
・ソース
オリーブオイル‥適量
赤ワイン︵キャンティ︶‥100ml
サルサ・ポモドーロ︵トマトソース︶‥350g
※ 基本のトマトソースの作り方はそのうちアップ予定。
・パスタ︵グラニャネージ スパゲッティ・アッラ・キタッラ︶… 300g
・仕上げ
グラナパダーノパウダー‥モンテ用20g、トッピング用10g
バター‥20g︵モンテ用。冷たいバターを使うこと︶
パセリ‥適量
① ポルペッティーノを作る。
材料を全てボウルに入れ、よく混ぜる。
空気を抜いてから、指2本分のサイズ︵直径3㎝︶の団子状に成型する。
15分ほど冷蔵庫で休ませてから、強力粉をまぶす。
② ポルペッティーノを揚げ焼きにする。
オリーブオイルを熱して、ポルペッティーノに強力粉をまぶして転がしながら色よく揚げ焼きにする。
焼けたら一旦取り出す。
③ パスタソースを作る。
・ ②のフライパンの余計な油を捨てる。
・赤ワインを加えて、鍋底を綺麗にこそげ落とす︵デグラッセ︶。
・ ポルペッティーノを戻し入れ、サルサ・ポモドーロ︵トマトソース︶とパスタの茹で汁100mlを加えて、蓋をして10分ほど弱火で煮込む︵煮詰まりすぎて焦げ付きそうなら水を足す︶。
④ ソースの仕上がりに合わせてパスタを茹でる
1%濃度の塩水でパスタを茹でる。
⑤ パスタとソースを合える。
ポルペッティーノを一旦取り出してから、茹で上がったパスタとソースを合える。
塩・胡椒で味を調え、グラナパダーノとバターを加えて乳化させたら皿に盛り付ける。
ポルペッティーノを散らしたら、仕上げにグラナパダーノとパセリを振って完成。
そして、この長さ︵笑︶。
ポルペッティーノは牛肉のジューシーさとパンチェッタの濃い旨みがたっぷり。これがソースに溶け込んで一体となった美味しさがパスタに絡んでいます。
これは取り合いますね。︵2人前にしては多いですけどね︶
ご家庭で、より簡単にアレンジするなら、
牛肉 → あらびきミンチ
パンチェッタ → ベーコン
で問題ありません。パスタはぜひ太めのものを。
こちら、一連の再現をまとめた動画です。ご覧ください。
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3679-225x300.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン1-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン2-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン3-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン6-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン7-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン8。-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン8-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン9-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン10-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン11-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン12-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン13-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン14-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン15-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン163-300x169.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン16-225x300.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン17-224x300.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3698aa-1024x844.jpg)
実食
色も、かなり忠実かと思います。![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3709-225x300.jpg)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/IMG_3634-1-300x169.png)
![](http://pastajapan.com/wp-content/uploads/2018/01/ルパン18-1024x576.jpg)