後藤弘茂のWeekly海外ニュース

チップレベルで大きな進化を遂げたiPhone 4S



●CPUコアが進化したiPhone 4S

 AppleiPhone 4SiPhone 4S5iPhone 4iPhone 3GSiPhone 4iPhone 4iPhone 4S

 AppleiPhone 4SApple A5SoC(System on a Chip)A5iPad 2SoCCPUGPUiPhone 4/iPadApple A4iPhone 4SA5iPad 2A5()iPad 2A5

 iPhone 4iPhone 4SCPUGPUCPUiPhone 4Cortex-A8iPhone 4SCortex-A92CPU12
A4からA5へのジャンプ
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Cortex-Aファミリの性能
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Cortex-A8のブロックダイアグラム
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Cortex-A9のブロックダイアグラム
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 GPUPowerVR SGX1A4A5SGX16SIMD()A532A4x32LPDDRLPDDR2

 AppleiPhone 4SA5使20112012CPU+GPUApple
SoCPCA5

 CPUGPUSamsungGalaxy S IISoCiPhone1

 45/40nmCPU+GPU32/28nm45/40nm

 AppleA4iPad 2A545nm53mm120mmCortex-A9

 TSMC40nm GCortex-A9(2GHz, 1.9W)6.7mm(800MHz, 0.5W)4.9mmL1A5Samsung45nm9mm
Cortex-A9の実装
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 45nmSoCPCCPUSoC32/28nm

 32/28nmGPUSamsung32nmSoCExynos 4212Galaxy S II45nmExynos 421032nmQualcomm28nmKraitSnapdragonCOMPUTEX
Apple

 AppleiPadiPhone 4A4使Apple1

 AppleApple1Mac OSiOS

 AppleMicrosoftWindows 8PCIntelx86 Atomx86 PCPC2AppleiPadiPhone
iPhone 4S

 Apple A5iPad 2A5Samsung45nmA5iPad 2TSMCAppleSamsungiPhone/iPadSamsungAppleiPhone 4SSamsung

 iPad 2A545nmSamsung32nmHigh-k/Metal Gate(HKMG)(Leakage)45nmiPhone 4S A5Samsung 32nmTSMC 28nm

 iPhone 4SCPUGPUiPhone 4S3DCPUCPUGPU使

 DRAM3D1
メモリの帯域幅
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●NANDの大容量化が鈍化した影響が

 iPhone 4SNAND16GB32GB64GB364GB32GB64GB

 iPhone20078GB200816GB2009iPhone 3GS32GB1iPhone 432GBiPhone 4S64GB32GB64GB2

 NANDNAND
フラッシュのプロセス技術とダイサイズ
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 半導体メーカーは、NANDフラッシュを、利益が取れるダイサイズに収めて製造しようとしている。図中のグリーンで示したダイサイズがそれだ。このグリーンのエリアより上だとコストが高くなり、下だとコストが低く安売りに耐えられる。DRAMは価格下落が激しく、現在はダイをひたすら縮小しているが、NANDは、今のところ一定のダイサイズを保っている。

 このチャートを見ると、NANDは8Gbit品までは12~15カ月毎に倍々のペースで大容量化していた。しかし、16Gbit品と32Gbit品への移行はペースが遅くなっていることがわかる。現在はペースが上がっているように見えるが、これは、IntelとMicronのIM Flash Technology(IMFT)が34nmからプロセスの微細化を急加速した(25nmと20nmでもIMFTが早い)ため、業界全体が引っ張られてペースが早まったためだ。全体の傾向としては、ペースは鈍化している。より単純化したのが下の図だ。

NANDフラッシュの容量とプロセス技術
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 もちろん、チップの大容量化と価格は必ずしも連動するわけではない。NANDの価格は2009年後半から2010年前半まで比較的高価格だった。現在は、32GbitのMLCのスポット価格が3~4ドル台で推移しており、64Gbitもビット単価で32Gbitを下回ろうとしている。ようやく、ストレージ容量を増やすことができるようになったわけだ。

 スマートフォンの進化は、実は、NANDが牽引した。NORフラッシュをメインメモリ兼ストレージに使う「XIP(eXecute In Plane)」モデルから、NANDとモバイルDRAMの組み合わせに移行したことが、スマートフォンの進化の原動力となった。その意味では、NANDの鈍化は、スマートフォンにとって影響が大きい。