特集 2012年11月12日

ししおどしでインターバルタイマー

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 使

インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変わった音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。
『雑に作る ―電子工作で好きなものを作る近道集』(共著)がオライリーから出ました!

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インターバルタイマーを自作する

このカメラにインターバルタイマーがない
このカメラにインターバルタイマーがない
僕はどうしてもインターバルタイマーの機能が欲しくなったので、自作することにした。
動作には「一定時間おき」つながりで、ししおどしを利用する。
これをししおどしにする
これをししおどしにする
一見とっぴに思えるアイデアだが、かのエジソンが白熱電球を発明した際も、フィラメントの材質に何を使うかさんざん試行錯誤した末、竹を使ったという。
何かを作ろうとするとき、竹に行き着くのは必然なのだ。
インターバルタイマーの心臓部
インターバルタイマーの心臓部
使
2

A
ししおどしのおしり(?)の方でシャッターを押す
ししおどしのおしり(?)の方でシャッターを押す
ただ、水を捨てたあとに竹が戻る力でシャッターを押し込むので、水の重みを十分に利用できていない。
ならば、水が溜まったときにシャッターを押すようにしてはどうか。それがプランBである。
ししおどしの先端でシャッターを押す
ししおどしの先端でシャッターを押す

11A

3度目のししおどし

パイプを切って
パイプを切って
足を作る
足を作る
こんな感じかな
こんな感じかな

312

インターバル実践

さて、役者は揃った。いよいよインターバルタイマーの実践だ。
デジカメは水が跳ねてもいいようにビニール袋に入れて、動かないよう板にしっかり固定
デジカメは水が跳ねてもいいようにビニール袋に入れて、動かないよう板にしっかり固定
ししおどしの先端はシャッターに当たるように調整
ししおどしの先端はシャッターに当たるように調整
うまくいく気しかしない
うまくいく気しかしない


便33
寿


いったん広告です

スケールを合わせろ

ターゲットが小さすぎるのだ。
シャッターボタンの直径は約1cm。
シャッターボタンの直径は約1cm。
50cm


木材に突起を付けたものを用意
木材に突起を付けたものを用意
これをボタンがわりにするつもり。
金具を曲げていって
金具を曲げていって
こんなふうに囲いにする
こんなふうに囲いにする
カメラを幽閉
カメラを幽閉
上から木材ボタンを設置
上から木材ボタンを設置
木材の突起のところがちょうどシャッターボタンに当たるようになっていて、上からコンと叩くとシャッターボタンが押される。
金具で枠を作ったのは、カメラと木材ボタンの位置がずれないようにするためだ。
上から叩きやすいように枠の上部を曲げた。ローアングルから見るとこのまま飛び立ちそうな感もあり
上から叩きやすいように枠の上部を曲げた。ローアングルから見るとこのまま飛び立ちそうな感もあり
竹の当たる部分がボタンから木になったので、「カコン」っていうサウンドも本物にちょっと近づいたぞ。
これなら確実に当たる
これなら確実に当たる
確実にシャッターを押せるしくみを確立した。
さっそく、テスト撮影だ。

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と思ったのも束の間

撮影した写真を確認しようと、カメラを取り出して再生ボタンを押したときである。
作業序盤で試し撮りしたやつだ…。
作業序盤で試し撮りしたやつだ…。

RPG0

水量こそ力

ししおどしは水が入ってるときと入ってないときの重さの差で動いてるので、威力を強くするには、中に入る水の量を増やせばいい。
そういうわけで、
竹の節を破ってみる
竹の節を破ってみる
いままで一節分の水しか入らなかったのが、二節分で2倍になった。これでシャッターが押せるか!?

だめでした


できればこうはしたくなかった
できればこうはしたくなかった
ししおどしとしての風流さ重視のため本物の竹を使っていたが、あの竹じゃ細すぎてシャッターは押せない。
もっと大量の水を流し込むために、太い塩ビパイプを使うことにした。
ジョイントで節を作る
ジョイントで節を作る
プラ板を切って
プラ板を切って
仕切りにして
仕切りにして
組み立て
組み立て



前回に同じ
前回に同じ
えっ……何も撮れていない…。

じゃああの画面の動きはなんだったのか。
シャッター押してない状態
シャッター押してない状態
シャッター半分押した状態
シャッター半分押した状態

2調




決して押されないシャッターのために、フォーカスだけをがんばって合わせ続けるカメラ。決して帰ってこないご主人様を迎えに、毎日駅へ通ったハチ公の姿と重なる。なんだか健気というか、いじらしいというか、胸を締め付けられる状況である。あまりの切なさにすぐにカメラを取り出し、バッテリを満充電してあげた。

ししおどしは半押しまで

 

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数日後、うまくいったら成長をインターバル撮影しようと思っていた豆苗だけがぐんぐん伸びた…

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