特集 2014年8月4日

ヘボコンレポート~心に残る名試合12選

いま、できそこないのロボット達に、当たるはずのないスポットライトが
いま、できそこないのロボット達に、当たるはずのないスポットライトが
 

52100



9/4 
インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変わった音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。
『雑に作る ―電子工作で好きなものを作る近道集』(共著)がオライリーから出ました!

前の記事:街角エラー画面コレクション第2回 エラー画面70枚、勢揃い

> 個人サイト nomoonwalk

あれなんだったんだろう

2

不器用の祭典、ヘボコン

改めてイベントの概要を説明しよう。その名のとおり、技術力のない人が作ったロボットだけが集まる、不器用の祭典である。
技術力のない人が作ったロボットの一例
技術力のない人が作ったロボットの一例
もう一例
もう一例
すべての出場ロボットは「材料が段ボール」「接着がマスキングテープ」「部品がすぐ取れる」「仕込んできたネタも他の人とかぶる」などの弱点を抱えている。

制作者の技術力が低いため、どのロボットも基本的にまともに動かない。しかし「戦う」という目的がある手前、前進くらいはできるようになっている。我々には強力な味方、タミヤのキットがあったのだ。
ミニ四駆まるだし
ミニ四駆まるだし
この日の出場者席にはあらゆる種類のタミヤのキットが揃った
この日の出場者席にはあらゆる種類のタミヤのキットが揃った
一言でまとめると、基本的にはまともに動かない、うまく動いているところはたいていタミヤのキット、というのが本大会の出場ロボットの最大の特徴だ。
こんなロボットたちが繰り広げた全23試合のうち、選りすぐりの12試合をレポートしていこう。

ルールおさらい













1



12
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1回戦 第3試合

チリトリーマアム(inuro) vs アキラ一号(アキラ二号)




圧倒的な体格差
圧倒的な体格差
フィールドの幅は50cm。チリトリーマアムは「土俵の幅いっぱいのでかいロボットを作って突進させたら勝てるのでは」という作戦のもとに作成された巨大ロボ。二台のラジコンがチリトリを乗せて前進するロボットで、今大会最大の体長を誇る。
図体がでかいだけではなく、速い。
図体がでかいだけではなく、速い。
対するアキラ一号は、ヨチヨチ歩くタミヤのキットがベース。正面に貼られた顔も弱気の表情で、しかもそれが歩くとプラプラ頼りなく揺れる。試合前の試運転には会場から「弱そう…」との声も。
対峙する二体
対峙する二体
姿


2使
じわじわ迫ってくる巨体
じわじわ迫ってくる巨体
登れ!登れ!
登れ!登れ!
しかしアキラ一号にはチリトリの傾斜を登り切る馬力もなかった。そのままコースアウト&転倒。
ひっくり返った姿が切なかった
ひっくり返った姿が切なかった

1回戦 第6試合

鬼ゴリモス2号(じゅんじゅん) vs ぺんだこ(ホリ)

対してこちらは、ストレートな意味でヘボコンの真価を見せつけてくれた試合である。何しろ両者とも圧倒的なヘボぶりなのだ。
気迫を感じるビジュアルだが
気迫を感じるビジュアルだが
まずこちらの鬼ゴルモス2号。見た目こそ気迫にあふれているが、当日はじめ店てその動きを見て、僕は衝撃を受けた。
 なんかじわじわ後ろに下がっていく
なんかじわじわ後ろに下がっていく
4
4使
退退

キュートなビジュアルで一見完成度が高いのだが、動かしてみるとこうである。
キュートなビジュアルで一見完成度が高いのだが、動かしてみるとこうである。
能力:瞬時にバランスを崩す
能力:瞬時にバランスを崩す


退2
鬼ゴルモス2号が後退でぺんだこに接近、
鬼ゴルモス2号が後退でぺんだこに接近、
一瞬機体を接触させるも、押し倒すには衝撃が足りず
一瞬機体を接触させるも、押し倒すには衝撃が足りず
途中でぺんだこは動作を停止。音に反応して動くしくみだが、操作者から離れてしまったため声が届かなくなったか
途中でぺんだこは動作を停止。音に反応して動くしくみだが、操作者から離れてしまったため声が届かなくなったか
ぺんだこがそのまま静止している間に鬼ゴルモス2号が自ら場外へ
ぺんだこがそのまま静止している間に鬼ゴルモス2号が自ら場外へ
動作させると自滅するロボット2体による対戦。片方が途中で止まってしまったために自滅を回避でき、正常に動いていた方が負ける。という、もう何重にもポンコツな試合であった。

主催者の僕としても、ここまでヘボい展開は正直想定外であった。
この試合、ロボットのヘボさが人間の想像を超えてきた、歴史的瞬間であると思っている。

1回戦 第9試合

戦いをやめさせる牛(きゅんくん) vs 「日本うんこ学会」非公認!腸内細菌プロメテウス・ミラビリス号(モッサリオ・モッサモッサ)

この2体、まずは見た目のギャップをじっくり味わってほしい。
月とすっぽんとはこのことか
月とすっぽんとはこのことか
もともとの姿
もともとの姿
当初のコンセプトを完全に無視してくる思い切りのよさも驚きだが、外すにあたってネジでも抜くのかと思ったら、単に上に乗っていた牛をどけるだけだったのも驚きであった。接着してなかったのか!

ちなみにでかい基板はジャンク品を使ったハッタリである。実体はこれもタミヤのキット。
そして問題の緑の方
戦いをやめさせようとするのをやめて傍観する牛。そして奥にもう一体、問題の緑の方
こちらは『「日本うんこ学会」非公認!腸内細菌プロメテウス・ミラビリス号』(以下、ミラビリス号)。

今大会随一のヘボいビジュアル。しかも電気を使わないというチャレンジングなロボット。それでいて、技も豊富なのである。
べん毛攻撃!
べん毛攻撃!
威嚇!
威嚇!


サイドから回り込むミラビリス号を、そのまま押し出しにかかる牛
サイドから回り込むミラビリス号を、そのまま押し出しにかかる牛
いまだ、威嚇!威嚇!
いまだ、威嚇!威嚇!
威嚇体勢のままあえなく押し出されるミラビリス号
威嚇体勢のままあえなく押し出されるミラビリス号
コントロール性能の高い2体。コースの読み合いで戦略性の高い試合が展開されかけたが、ピンチの挽回のために繰り出した威嚇が全く功を奏さず、結局ミラビリス号が敗退。

体当たりで決着する試合が多い中、「技」が繰り出されたという点で名試合である。(名試合の理由もレベルが低い)
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1回戦 第10試合

コピーロボット(すずえり) vs ストライカー木魚(おかめ)

技を使った能力バトルといえばこの試合を忘れるわけにはいかない。対戦順は当日くじ引きで決めたのだが、この2体がぶつかることになったのは、もう、運命としか言いようがない。
余っていた木魚を有効活用したという機体、ストライカー木魚
余っていた木魚を有効活用したという機体、ストライカー木魚
このストライカー木魚は音に反応して前進するキットをベースとしており、操作者が木魚を叩くことにより前進する。

ちなみに背中にArduinoという最近流行のマイコンボードが乗っているのだが、もちろん線のつながっていない飾りである。

そして、その対戦相手がこちら。
コピーロボットはその名のとおり相手の能力をコピーする
コピーロボットはその名のとおり相手の能力をコピーする
使

すずえりさんはこの日ツナギを新調してきた
すずえりさんはこの日ツナギを新調してきた
音声だけ録音しても能力コピーにならないだろ!というのがこのロボットの想定ツッコミだが、この試合は違った。相手の木魚を録音して再生することができれば、ストライカー木魚の動きをコントロールすることができるのだ。

この出来すぎた対戦カード。熾烈な能力バトルの様子は動画で見てみよう。
坂を滑り飛び出してくるコピーロボット
坂を滑り飛び出してくるコピーロボット
一発目は勢いがつきすぎ場外へ。「接触なしで場外に出た場合は再戦」のルールが発動。
一発目は勢いがつきすぎ場外へ。「接触なしで場外に出た場合は再戦」のルールが発動。
2戦目、先ほどより至近距離から飛び出したコピーロボットが…
2戦目、先ほどより至近距離から飛び出したコピーロボットが…
ストライカー木魚をノックアウト!
ストライカー木魚をノックアウト!


2

1回戦 第11試合

たまてばこ(ももうた) vs かめたろう1号(かめたろう)

ロボットアニメにつきものなのが、パイロット同士の精神戦である。勝敗はロボットの性能のみで決まるのではない、より強い精神力を持ったものが勝利する。そしてヘボコンの世界もそれは同じだ。
ボールをたくさん搭載したこのロボットは「たまてばこ」
ボールをたくさん搭載したこのロボットは「たまてばこ」
一見何がなんだかよくわからない機体だが、実際動かしてみると、工夫の塊のようなロボットであった、
このトリッキーな動き!
このトリッキーな動き!
ボールが転がるレーンの両端に前進と後退のスイッチがついていて、ボールが当たるとロボットが進み、またボールが弾かれて別のスイッチに当たり……、の繰り返しで移動する。マイコンなどの高度な技術を使わず、工夫だけでこの動きを実現している。ヘボ抜きでふつうにすごい。

そしてその対戦相手がこちら。
かめたろう1号
かめたろう1号

1
機能こそ前進のみだが、この顔でまっすぐジリジリ迫ってくる。
機能こそ前進のみだが、この顔でまっすぐジリジリ迫ってくる。
工夫の申し子 vs 勝ちに来てるマシン、試合の様子はこうだった。
スタートと同時に急発進、相手の前に躍り出た、たまてばこ
スタートと同時に急発進、相手の前に躍り出た、たまてばこ
しかしここで動きの要であるボールが止まってしまい、なすすべないまま、かめたろう1号の馬力にじりじり押されていく
しかしここで動きの要であるボールが止まってしまい、なすすべないまま、かめたろう1号の馬力にじりじり押されていく
焦ったパイロットが戦況を変えようと直接スイッチにタッチ、この操作で後退した たまてばこ はそのまま土俵の外へ……
焦ったパイロットが戦況を変えようと直接スイッチにタッチ、この操作で後退した たまてばこ はそのまま土俵の外へ……
朴訥とした顔からはとても想像できなかった、殺人マシーンのごとく淡々と敵を追い詰めていくかめたろう1号の姿。たしかにそれは脅威であったが、しかし最終的にたまてばこに止めを刺してしまったのは、パイロットである ももうた さん自身の焦りであった。

試合後のかめたろうさんのコメント「大人げなくて申し訳ありません」というフレーズが印象に残る、名試合であった。

1回戦 第14試合

amazing quick floor(斎藤充博)、陸グソク(aba)




amazing quick floor
写真左。平たいボディを床と一体化させ相手の下にもぐりこみ、転ばせる作戦
写真左。平たいボディを床と一体化させ相手の下にもぐりこみ、転ばせる作戦
ミニ四駆を動力としており、名前のとおり、大きな見た目からは意外なほど素早い。

そして対戦相手は。
陸(おか)グソク。リモコンで動くキットにオオグソクムシのケースをかぶせたもの
陸(おか)グソク。リモコンで動くキットにオオグソクムシのケースをかぶせたもの
小回りの利く陸グソクの得意技はローリングヒップアタック。回転して尻尾部分で敵を打つ。しかしおそらく平たいamazing quick floorにダメージは与えられず、かえって上に乗り上げてしまうだけだろう。勝ち目はないかもしれない。強い、強いぞ amazing quick floor!

事前の評では優勝候補との呼び声も高かったamazing quick floor。ここであえてこれだけ持ち上げているということは……、結果は推して知るべしである。
予定通り陸グソクの下に滑り込むamazing quick floor
予定通り陸グソクの下に滑り込むamazing quick floor
しかし陸グソクはそのままamazing quick floorの上を通過し……
しかし陸グソクはそのままamazing quick floorの上を通過し……
何ごともなかったかのように着地。いっぽう陸グソクの重みから開放されたamazing quick floorは一気に場外へ
何ごともなかったかのように着地。いっぽう陸グソクの重みから開放されたamazing quick floorは一気に場外へ


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1回戦 第15試合

Tsukubot3号(前田創) vs クーちゃん零号機(ティラ)

MJ
前田君と、そのロボット「Tsukubot3号」
前田君と、そのロボット「Tsukubot3号」
511
この腕から延びる支柱は何だ
この腕から延びる支柱は何だ
2使411


ロボットは「クーちゃん零号機」
ロボットは「クーちゃん零号機」
このキット、パンチがめちゃくちゃ速い
このキット、パンチがめちゃくちゃ速い
じわじわ接近していく2体のロボット
じわじわ接近していく2体のロボット
Tsukubot3号の進路が逸れ、サイドからクーちゃん零号機のパンチをまともに浴びる角度に(クーちゃん零号機のパンチが速すぎて見えない!)
Tsukubot3号の進路が逸れ、サイドからクーちゃん零号機のパンチをまともに浴びる角度に(クーちゃん零号機のパンチが速すぎて見えない!)
そのままじりじり押されていたTsukubot3号だが、一瞬の隙をついて正面に態勢を立て直す
そのままじりじり押されていたTsukubot3号だが、一瞬の隙をついて正面に態勢を立て直す
残り20秒。何度も倒されそうになりながらも何とか持ちこたえるTsukubot3号。
残り20秒。何度も倒されそうになりながらも何とか持ちこたえるTsukubot3号。
お互いバランスを崩しながらどんどん接近していく2体のロボ。そのとき、体勢を崩しかけたクーちゃん零号機の足元をTsukubot3号がすくった!!
お互いバランスを崩しながらどんどん接近していく2体のロボ。そのとき、体勢を崩しかけたクーちゃん零号機の足元をTsukubot3号がすくった!!
そのまま転倒するクーちゃん零号機
そのまま転倒するクーちゃん零号機
首が転げ、最高にキャッチーな負け姿のクーちゃん零号機
首が転げ、最高にキャッチーな負け姿のクーちゃん零号機
押しつ押されつの互角な攻防、フラフラになりながら戦うロボットたちの健気さ、そして制限時間ギリギリで決着するドキドキ感、最後の一撃の鮮やかさ、そして最年少・前田君の勝利。すべてにおいて歴史に残る名試合でした。
前田君のあまりにいい笑顔の写真が残っていたので。新聞各紙の記事は完全に彼が主役でした
前田君のあまりにいい笑顔の写真が残っていたので。新聞各紙の記事は完全に彼が主役でした

1回戦 第16試合

うどんを運んでいる(ネッシーあやこ) vs 開発名:キャタピラー(成瀬ノンノウ)

最高の名試合の後は最低のヘボ試合。第1回戦の最終戦は、なぜかひとりだけ登壇。
うどんを運ぶロボット「うどんを運んでいる」
うどんを運ぶロボット「うどんを運んでいる」
ベースの車が速すぎたため、重さで速度を落とそうとうどんを乗せたのがきっかけだそうだ。しかし試合展開はもはやこのロボットの詳細がどうであるかは無関係な方向へ。
突然スクリーンに映し出されるギョウザの写真
突然スクリーンに映し出されるギョウザの写真


エキシビジョンマッチ

LCXX(バガボンドワークス) vs 敗者全員



1


技術力の高いロボット「LCXX」 vs
技術力の高いロボット「LCXX」 vs
一回戦で負けた奴ら
一回戦で負けた奴ら
ちなみにLCXXは乗用。人が乗っても余裕で進む馬力&耐久性を誇る
ちなみにLCXXは乗用。人が乗っても余裕で進む馬力&耐久性を誇る
バガボンドワークスさん側としては、LCXX単体 vs ヘボコン軍総力戦 でも構わなかったのだが、ここで出場ロボットが壊れてしまうと後の進行に差し支えるので、負けたロボットのみに限定して参戦。
もはや勝負ですらない、無数のロボットたちが一方的に蹂躙される様子は動画でごらんいただこう。

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2回戦 第3試合

そして迎えた二回戦はバトルロイヤル。4対一気にぶつかり合う集団戦である。
ワラワラ
ワラワラ
4試合あった2回戦の中でも、もっともヘボコンらしいというか、ボンクラ度が高かったのがこの試合。まずは参戦ロボットを紹介しよう。
左奥から時計回りで、すきばやし次郎、やさしさ(概念)、突撃パンダさん、ぺんだこ
左奥から時計回りで、すきばやし次郎、やさしさ(概念)、突撃パンダさん、ぺんだこ
すきばやし次郎は「未来の回転寿司」をイメージしたコンセプトカーであり、軽快な音楽を流しながら寿司を回転させ突進する。ただし回転が弱いので敵に当たると寿司がすぐ止まる
すきばやし次郎は「未来の回転寿司」をイメージしたコンセプトカーであり、軽快な音楽を流しながら寿司を回転させ突進する。ただし回転が弱いので敵に当たると寿司がすぐ止まる
「戦うことの愚かさを伝えたい」というやさしさ(概念)は、赤ちゃんのようなかわいさ(口に注目)で相手の戦意を喪失させ、体当たりを受けても柔らかい体でショックを吸収、やさしく包み込む。
「戦うことの愚かさを伝えたい」というやさしさ(概念)は、赤ちゃんのようなかわいさ(口に注目)で相手の戦意を喪失させ、体当たりを受けても柔らかい体でショックを吸収、やさしく包み込む。
エントリー登録時はラジコン+ちりとり+パンダのかわいい姿だった突撃パンダさん。シンプルなつくりがネットで酷評を受けた結果、暗黒面に堕ち、他の出場ロボットのパーツを吸収した(パクった)悪魔合体ロボに。
エントリー登録時はラジコン+ちりとり+パンダのかわいい姿だった突撃パンダさん。シンプルなつくりがネットで酷評を受けた結果、暗黒面に堕ち、他の出場ロボットのパーツを吸収した(パクった)悪魔合体ロボに。
突撃パンダさんは2回戦にあたってすきばやし次郎対策で寿司のぼりを新調しての参戦。こうやって出番待ちの間にありあわせの資材で雑なチューンナップが行われ、ロボットの姿がどんどん変わっていくのはヘボコンならではである。
そして1回戦でもご紹介した、途中で機能停止することで自爆マッチを生き抜いた、ぺんだこ。
そして1回戦でもご紹介した、途中で機能停止することで自爆マッチを生き抜いた、ぺんだこ。
この4対がぶつかり合う試合の様子はこちら。
試合開始と同時にすきばやし次郎に猛突進をしかける突撃パンダさん
試合開始と同時にすきばやし次郎に猛突進をしかける突撃パンダさん
なんとか踏みとどまったすきばやし次郎。そのまま2体は膠着状態に
なんとか踏みとどまったすきばやし次郎。そのまま2体は膠着状態に
その隣で何をするでもなくパタパタ動き回る、やさしさ(概念)とぺんだこ。この2体のボンクラぶりがすごい
その隣で何をするでもなくパタパタ動き回る、やさしさ(概念)とぺんだこ。この2体のボンクラぶりがすごい
挙句途中で止まってしまう、やさしさ(概念)
挙句途中で止まってしまう、やさしさ(概念)
こっち見んな
こっち見んな
膠着状態のままタイムリミットで試合終了。移動距離による判定で、暗黒合体ロボ・突撃パンダさんの勝利。
膠着状態のままタイムリミットで試合終了。移動距離による判定で、暗黒合体ロボ・突撃パンダさんの勝利。
4体バトルロイヤルにもかかわらず試合展開としてはほぼ一騎打ち。しかしその横で我関せずといった様子で遊びまわる、2体の奔放ぶりが実にヘボコンらしい試合だった。

それからただのネタロボットかと思われた突撃パンダさん、その戦闘能力の高さがはっきりと見えてきたのもこの試合からである。

2回戦 第4試合

ヤマタノオロチン(動いた。)、陸グソク(aba)、Tsukubot3号(前田創)、うどんを運んでいる(ネッシーあやこ)

プロレス的ストーリーから大いに盛り上がったのがこの試合。まずは参戦ロボットから紹介していこう。
右上から時計回りに、1回戦不戦勝のうどんを運んでいる、斎藤さんの床ロボを難なく乗り越えた陸グソク、そして1回戦ではすばらしい試合を見せてくれた、最年少・前田君のTsukubot3号
右上から時計回りに、1回戦不戦勝のうどんを運んでいる、斎藤さんの床ロボを難なく乗り越えた陸グソク、そして1回戦ではすばらしい試合を見せてくれた、最年少・前田君のTsukubot3号
そして最凶のダーティーヒーロー、ヤマタノオロチン。3対6本のアダルトグッズを備え、そのうねる力で前進する。弾力のある素材のためグリップ力が強く、馬力も意外にある。1回戦で倒した鍋型ロボットNABEよりにんじんを譲り受けた。
361NABE





341vs3
試合開始直後に うどんを運んでいる が単独で転倒
試合開始直後に うどんを運んでいる が単独で転倒
陸グソクにターゲットを絞ったヤマタノオロチンが突進。(にんじんついてるほうが前です)
陸グソクにターゲットを絞ったヤマタノオロチンが突進。(にんじんついてるほうが前です)
しかし小回りの利く陸グソクは突進をかわし、後ろに回りこむ。
しかし小回りの利く陸グソクは突進をかわし、後ろに回りこむ。
後退のできないオロチンをにとどめを刺そうと、場外へ押し出しにかかる陸グソク。しかしうどんを運んでいるの残骸が邪魔してなかなか押し出せない!Tsukubot3号も手を貸そうと接近中
後退のできないオロチンをにとどめを刺そうと、場外へ押し出しにかかる陸グソク。しかしうどんを運んでいるの残骸が邪魔してなかなか押し出せない!Tsukubot3号も手を貸そうと接近中
タイムリミットギリギリで、ヤマタノオロチンは場外に。これで世界の平和とヘボコンのメディア露出は守られた!!
タイムリミットギリギリで、ヤマタノオロチンは場外に。これで世界の平和とヘボコンのメディア露出は守られた!!





Tsukubot32退3退

決勝戦

突撃パンダさん(みゆ)、かめたろう1号(かめたろう)

そしていよいよ最後の名試合。最後に紹介するのは、もちろん決勝戦だ。
かめたろう1号 vs 突撃パンダさん
かめたろう1号 vs 突撃パンダさん
1NABE





速攻を得意とする突撃パンダさんが、ゴングと同時に一気にかめたろう1号を土俵際に追い詰める
速攻を得意とする突撃パンダさんが、ゴングと同時に一気にかめたろう1号を土俵際に追い詰める
しかし重量級のかめたろう1号を押し出すことはできず、またその巨体をチリトリに収めることもできない。
しかし重量級のかめたろう1号を押し出すことはできず、またその巨体をチリトリに収めることもできない。
しばし膠着状態がつづく。突撃パンダさん、正面の人形の下にあるのはかめたろう1号の顔を吸収した(パクった)パーツ。
しばし膠着状態がつづく。突撃パンダさん、正面の人形の下にあるのはかめたろう1号の顔を吸収した(パクった)パーツ。
徐々に、馬力で勝るかめたろう1号が少しずつ巻き返していく。じわじわと後退を余儀なくされる突撃パンダさん。
徐々に、馬力で勝るかめたろう1号が少しずつ巻き返していく。じわじわと後退を余儀なくされる突撃パンダさん。
そしてタイムリミット。審判おおたさんの判定は…
そしてタイムリミット。審判おおたさんの判定は…
かめたろう1号の優勝!!!!
かめたろう1号の優勝!!!!
ジリジリとした緊張感あふれる戦いの末、スピード vs パワーの戦いは、最終的にはパワーが制した。
これにて第1回ヘボコンの頂点は、かめたろう1号に決定したのだ。

12!


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各賞の発表

さてイベントレポートの本編はここまで。ここからは各賞に輝いたロボットの紹介をしていきます。
優勝:かめたろう1号(かめたろう)
!
優勝トロフィー(1500円相当)授与の様子
優勝トロフィー(1500円相当)授与の様子
準優勝:突撃パンダさん(みゆ)
!
投票による「最も技術力の低い人」賞:コピーロボット(すずえり)
!
すずえりさんには小学生(ライター西村さんの子供)が空き箱で作ったトロフィーが贈呈された
すずえりさんには小学生(ライター西村さんの子供)が空き箱で作ったトロフィーが贈呈された
審査員賞 タミヤ賞:ストライカー木魚(おかめ)
!
審査員賞 Make: Japan賞:Tsukubot3号(前田創)
!
審査員賞 テクノ手芸部賞:たまてばこ(ももうた)
!
審査員賞 デイリーポータルZ賞:「日本うんこ学会」非公認!腸内細菌プロメテウス・ミラビリス号(モッサリオ・モッサモッサ)
!
受賞者の皆さん、おめでとうございます!

他にもがんばったロボットたち

そして最後に、名試合紹介で登場しなかったロボットたちも、この場を借りてご紹介しましょう。
ポールダンスロボ(アニポールきょうこ)。ポールダンスの危険さを攻撃に転化したロボット。思った以上に人形が高速回転するので怖い。
素熊(しろくま)(MAKE部部員A)。世界初の飲めるロボットというコンセプトで製作されたが、もはやいつ入れた水なのか忘れてしまい、飲むには相当な勇気が必要。
素熊(しろくま)(MAKE部部員A)。世界初の飲めるロボットというコンセプトで製作されたが、もはやいつ入れた水なのか忘れてしまい、飲むには相当な勇気が必要。
ヘボ201系(赤ソファ)。きかんしゃトーマスの現代的解釈。線路はいいの?という質問に「スタビライザーをつけたから大丈夫」と答えたので見てみるとダンボールの切れ端がテープで雑に貼ってあった
ヘボ201系(赤ソファ)。きかんしゃトーマスの現代的解釈。線路はいいの?という質問に「スタビライザーをつけたから大丈夫」と答えたので見てみるとダンボールの切れ端がテープで雑に貼ってあった
コードアームズ(児玉忠大)。見た目はちゃんとしているが、一見武器っぽく見えるクレーンは物を引っ掛けるとバランスを崩して転倒する。
コードアームズ(児玉忠大)。見た目はちゃんとしているが、一見武器っぽく見えるクレーンは物を引っ掛けるとバランスを崩して転倒する。
奥、バッファロボ(山本)は角を回転させながら迫ってくる突進型。しかし何回走らせても軌道が曲がってしまい、場外負け。 手前、全自動スープよく振るマシーン(ススガ)はラーメンのスープを振るためのロボを競技に転用。2回戦ではスープを高級な味噌ラーメンに付け替えたが特に効果なく敗退。
 2退
僕、石川のロボットは「虎盾」。虎の屏風がこちらに迫ってきて、その表面で高速回転するタイヤが相手を外に弾き飛ばす!というコンセプトだったが、正面につけたミニ四駆が重すぎ、転倒。
尖ったドリルが恐ろしいシャイボーグ エリーちゃん(伊藤健史)。モチーフはヴィーナスの誕生だがずいぶん遠くに来た感あり。準優勝の突撃パンダさんの最初の犠牲者。
 
人質ちゃん(ルーシュ)。最初にエントリーしたロボットでアダルトグッズの使用をとがめられたため別のコンセプトでリメイクして挑んだが、倫理面ではむしろ悪化したのではという声も。
人質ちゃん(ルーシュ)。最初にエントリーしたロボットでアダルトグッズの使用をとがめられたため別のコンセプトでリメイクして挑んだが、倫理面ではむしろ悪化したのではという声も。
右、羽生結弦くんがスピンを決めつつ相手を蹴散らすユズルロボ(爲房 新太朗)。足回りの弱さから、ビー玉を撒き散らしながら初戦敗退。 左は電研ロボ一号たん(電研)。後ろにコントローラーを引っ張ることで後退可。2回戦でかめたろう1号の餌食に。
 退 退21
右、NABE(まつながたかふみ)。試合のたびに具が変わるというコンセプトで登場するも、1回戦敗退したため具は変わらず。しかし勝者に具のにんじんを継承するという独自の生き残り術により、にんじんだけかめたろう1号とともに決勝進出。
NABE1退1
以上、これだけバラエティ豊かなのにひとつ残らず技術力が低いという、ほんと奇跡のようなイベントであった。


技術力の低い人たちよ永遠なれ

 3








 











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最後に出場ロボット全機集合しての一枚。こうして見るとやっぱりガラクタやわー(ほめ言葉)

最後に出場ロボット全機集合しての一枚。こうして見るとやっぱりガラクタやわー(ほめ言葉)
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