特集 2016年6月1日

思い出の狭隘トンネルを探しに伊勢志摩へ

約20年前に遭遇したトンネルを探しに志摩半島へいったら、こんな道を通ることになりました
約20年前に遭遇したトンネルを探しに志摩半島へいったら、こんな道を通ることになりました
 宿宿

辿1沿2辿

姿



20 
1981年神奈川生まれ。テケテケな文化財ライター。古いモノを漁るべく、各地を奔走中。常になんとかなるさと思いながら生きてるが、実際なんとかなってしまっているのがタチ悪い。2011年には30歳の節目として歩き遍路をやりました。2012年には31歳の節目としてサンティアゴ巡礼をやりました。(動画インタビュー)

前の記事:新宿新都心へ一直線、「水道道路」に見る水路の名残り

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かつての足取りを追って

西

1
あの時も通った道を辿る。当時はママチャリだったが、今ではカブ(原付)だ
あの時も通った道を辿る。当時はママチャリだったが、今ではカブ(原付)だ
神奈川県西部の国道1号線には、旧東海道の並木が結構残っていて楽しい
神奈川県西部の国道1号線には、旧東海道の並木が結構残っていて楽しい
小田原城に寄ってみたりもしたのだが――
小田原城に寄ってみたりもしたのだが――


 
箱根路の入口、堂々たる構えを見せる函嶺(かんれい)洞門
箱根路の入口、堂々たる構えを見せる函嶺(かんれい)洞門
61931201412015



 
容赦なく肌を焼く日差しの下、ひーこら言いながら坂道を上った思い出
容赦なく肌を焼く日差しの下、ひーこら言いながら坂道を上った思い出
貧血気味で倒れそうになりつつ、なんとか最高地点まで辿り着いた
貧血気味で倒れそうになりつつ、なんとか最高地点まで辿り着いた


RPG

西 
初日はこの富士川の河川敷で夜を明かしたのだ
初日はこの富士川の河川敷で夜を明かしたのだ
寝袋すら持たない野宿は高校生だからできたこと、現在はテント泊である
寝袋すら持たない野宿は高校生だからできたこと、現在はテント泊である
西1

西調西
静岡県西部はよくある国道沿いの風景がどこまでも続く
静岡県西部はよくある国道沿いの風景がどこまでも続く
宿西

西宿

辿 
そうそう、高架下の交差点で左に曲がったのを覚えている。国道1号線は名古屋市中心部には入らないのだ
そうそう、高架下の交差点で左に曲がったのを覚えている。国道1号線は名古屋市中心部には入らないのだ
123

沿

 
海岸線沿いの国道は思惑通り平坦な道であった――そう、伊勢志摩に入るまでは
海岸線沿いの国道は思惑通り平坦な道であった――そう、伊勢志摩に入るまでは
宿23

Google 
記憶の通りに橋を渡る。たしか「楠町」という標識があったような気がするが、楠町は2005年に四日市市と合併したそうだ
記憶の通りに橋を渡る。たしか「楠町」という標識があったような気がするが、楠町は2005年に四日市市と合併したそうだ
道路の右手に草木が生い茂る一角が見えた
道路の右手に草木が生い茂る一角が見えた
おぉ、ここだここ、間違いない!
おぉ、ここだここ、間違いない!


宿辿

 
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絶望と温情の志摩半島



23鹿

 
せっかく伊勢に来たんだから、神宮にお参りすれば良かったのに
せっかく伊勢に来たんだから、神宮にお参りすれば良かったのに
42沿

沿 
鳥羽の先からはパールロードと呼ばれる道路が続く
鳥羽の先からはパールロードと呼ばれる道路が続く
沿2006



20Google 
麻生の浦大橋を渡ると、歩道は車両と分離し――
麻生の浦大橋を渡ると、歩道は車両と分離し――
橋の下(厳密には橋の先の道路の下であったが)を抜けて――
橋の下(厳密には橋の先の道路の下であったが)を抜けて――
集落に入る。なるほど、こういうルートだったのか!
集落に入る。なるほど、こういうルートだったのか!
 
道路には牡蠣の破片が散乱していたのだ(見辛いが、白っぽいのが牡蠣片である)
道路には牡蠣の破片が散乱していたのだ(見辛いが、白っぽいのが牡蠣片である)


辿20 
記憶の通り、集落には港もあった
記憶の通り、集落には港もあった
集落出口のゲート、やはりパールロードを行かねばならないと知り、絶望したのだ
集落出口のゲート、やはりパールロードを行かねばならないと知り、絶望したのだ
Google

167 
鳥羽まで戻り、ここを左に曲がったことはハッキリ覚えている
鳥羽まで戻り、ここを左に曲がったことはハッキリ覚えている
沿辿

16 
県道16号線の風景。もう少し開けていたような気もするが……記憶は曖昧だ
県道16号線の風景。もう少し開けていたような気もするが……記憶は曖昧だ
260沿

 
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追憶の国道260号線

沿260沿

沿 
志摩半島の南岸を通る国道260線。海岸に出たと思いきや――
志摩半島の南岸を通る国道260線。海岸に出たと思いきや――
すぐに再び山道となる
すぐに再び山道となる
坂とトンネルがとにかく多く、肉体的にも精神的にもきつかった
坂とトンネルがとにかく多く、肉体的にも精神的にもきつかった
上り坂にひーひー言いながら自転車を押していると、ふと友達の様子がおかしい。なんでも、タイヤの空気が抜けている感じがするとのことだ。激しいアップダウンと荷物の重みで空気が抜けたんだろうとも言っていた。

少々嫌な予感を覚えながらもそのまま進み、四日目は南島町の東宮地区にたどり着いたところで夕方となった。
東宮のスーパーで夕食を購入した覚えがある。たぶん、ここかな
東宮のスーパーで夕食を購入した覚えがある。たぶん、ここかな
そうそう、スーパーの先にはトンネルがあったんだ
そうそう、スーパーの先にはトンネルがあったんだ


使



 
東宮の町並みを突っ切ると、国道260号線は上り坂となる
東宮の町並みを突っ切ると、国道260号線は上り坂となる
その途中にあった、休憩所のようなところで四日目は野宿したのだ
その途中にあった、休憩所のようなところで四日目は野宿したのだ
あぁ、そうだ。忘れてたけど東屋があったんだ!
あぁ、そうだ。忘れてたけど東屋があったんだ!
宿

 
そうそう、集落へ続く階段があって、降りていくとお寺の境内にたどり着いたんだ
そうそう、集落へ続く階段があって、降りていくとお寺の境内にたどり着いたんだ
これも記憶から抜け落ちていたが、東屋の前には立派な銅像が立っていた
これも記憶から抜け落ちていたが、東屋の前には立派な銅像が立っていた


24

 
夜明け前だったので外観はおぼろげだが、精米所が併設していたことは覚えている
夜明け前だったので外観はおぼろげだが、精米所が併設していたことは覚えている
宿

 
あれ、こんな立派な道路、あったっけ?
あれ、こんな立派な道路、あったっけ?
調26020022014

 
左の道はバイパス(新々道)が通る前の国道260号線(新道)、右の道が旧道である
左の道はバイパス(新々道)が通る前の国道260号線(新道)、右の道が旧道である
そして悟った、あの狭隘トンネルがあるのは、この先であると
そして悟った、あの狭隘トンネルがあるのは、この先であると
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国道260号線の旧道を行く

棚橋竃から伸びる国道260号線の旧道は、入口に立つ標識からも分かる通りなかなかハードな道のりであった。
しょっぱなからこれですよ、これ
しょっぱなからこれですよ、これ


使使 
落ち葉が積もっており、スリップが怖い
落ち葉が積もっており、スリップが怖い
国道260号線の標識もまだ残っていた
国道260号線の標識もまだ残っていた
260

辿 
さらに上がっていくと、なかなか酷いことになっていた
さらに上がっていくと、なかなか酷いことになっていた
路肩が崩壊している上、湧き水で路面が洗われている。以前歩いた国道152号線の青崩峠(参考記事→「国道152号線の未開通区間を歩いた」)を彷彿とさせるたたずまいだ。
姿
間違いない、かつて見たトンネルだ
間違いない、かつて見たトンネルだ
20 
この特徴的な馬蹄型のポータルが記憶に焼き付いていた
この特徴的な馬蹄型のポータルが記憶に焼き付いていた
調31914122.93.02

2002260 
昔から使われていた峠道なのだろう、傍らには「慶應」と刻まれた石仏が祀られていた
昔から使われていた峠道なのだろう、傍らには「慶應」と刻まれた石仏が祀られていた
なんていうか、雰囲気ありすぎてちょっと……いや、かなり怖い
なんていうか、雰囲気ありすぎてちょっと……いや、かなり怖い
天井から染み出た水が流れ出ていた
天井から染み出た水が流れ出ていた




10020

 
うぉっ! なんじゃこりゃっ!
うぉっ! なんじゃこりゃっ!
入口付近はコンクリートで馬蹄型に整形されていたのだが、トンネルの中心部は素掘りのトンネルにコンクリートを吹き付けただけという様相であった。微妙にある凹凸が有機的な印象を与え、どことなく動物の体内のような雰囲気だ。

そうだ、当時もこのトンネル内の雰囲気の変わりっぷりに驚いたのだった。素掘りのトンネルなど初めてで、とんでもない所に来てしまったと思ったものだ。
西側のポータルは下部がすぼんでなく、左右対称の整った形であった
西側のポータルは下部がすぼんでなく、左右対称の整った形であった

改めて記憶にインプットされた棚橋隧道

 20

20宿9

1000便1891 

棚橋隧道からは山道を下り(道路の状態は上りよりマシだった)、あっという間に人里に出た

棚橋隧道からは山道を下り(道路の状態は上りよりマシだった)、あっという間に人里に出た
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