特集 2016年10月14日

ロンドンの「獣」団地と階段にうっとり

今回ももっぱら団地のはなしですが、こういう階段についても触れていきます。すてき。
今回ももっぱら団地のはなしですが、こういう階段についても触れていきます。すてき。
 



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もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。(動画インタビュー

前の記事:スーツで工場・普通になるかアー写になるか

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バービカン、かっこよすぎる。

まずはとにかくすばらしくかっこいい団地 "Barbican Estate" (バービカン エステート)をご覧いただこう。
うおおー! かっこいい!
うおおー! かっこいい!
うっとり。
うっとり。
敷地内には高層から低層からいろいろな棟があって、めくるめく団地パラダイス。
敷地内には高層から低層からいろいろな棟があって、めくるめく団地パラダイス。
ベランダのこの角っこの造形とかたまらん。
ベランダのこの角っこの造形とかたまらん。
一棟だけ半円形の棟があって、
一棟だけ半円形の棟があって、
これもまたかっこいいのだ!
これもまたかっこいいのだ!
ここにテント張ってずっと眺めていたいです。
ここにテント張ってずっと眺めていたいです。
もうなんか天国っぽかった。浄土。
もうなんか天国っぽかった。浄土。
屋上部分の造形とかどうかしてる! すてき!
屋上部分の造形とかどうかしてる! すてき!
いきなり団地の写真並べたてしまって申し訳ない。いま記事を書いていても興奮状態なのです。
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憎い! 現代建築!

冒頭にも書いたように、数ヶ月間にもロンドンに行って団地を見て回り、記事を書いた
前回紹介した団地はこちら Alexandra Road Estate
前回紹介した団地はこちら Alexandra Road Estate


 30 St Mary Axe  "The Gherkin" 
ガーキン。とても目立つ。
ガーキン。とても目立つ。
2016918 "Open House London" 



2012
そのロイズのビルはガーキンのすぐそば。残念ながら工事中とのことで今回は公開されていなかった。むむむ… それにしてももともと工事中みたいなデザインなので工事中感がない。
 
えっ! これが待機列!?
えっ! これが待機列!?
最後尾は1ブロック離れた場所。先頭なんか見えやしない。
最後尾は1ブロック離れた場所。先頭なんか見えやしない。
当時のぼくのツイート。この時点で嫌な予感はしていた。
当時のぼくのツイート。この時点で嫌な予感はしていた。
3時間弱でようやくビルの入口へ……と思ったら!
3時間弱でようやくビルの入口へ……と思ったら!
なんと! ちょうどぼくの目の前で締め切り! 「今回はこれまで!」とのこと。えーーーーーーーーーっ!!!!
  
警備員に詰め寄る入れなかった我が同志たち。ぼくも抗議したがけんもほろろ。ちょっとした小競り合いに発展。そりゃそうだ。3時間だぜ?
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あーーー、癒されるわぁーーー。

ガーキンなんかと違って来るもの拒まずの度量の深さをみせるバービカン。惚れる。42階建の高層団地3つと7階建て14。団地パラダイス。
423714
団地の全てが「スカイウォーク」というデッキでつながっていて、これがまたかっこいい。
団地の全てが「スカイウォーク」というデッキでつながっていて、これがまたかっこいい。
なんとそのデッキの上に持ち上げられている棟もあって、しかも下が池で。すてきだー。
なんとそのデッキの上に持ち上げられている棟もあって、しかも下が池で。すてきだー。
癒されるわーー。
癒されるわーー。
持ち上げられた下のデッキ部分。かっこいい。
持ち上げられた下のデッキ部分。かっこいい。
これはデッキの下の地上部分。
これはデッキの下の地上部分。

 ww

80CM

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Barbican 40



棟が見下ろす中央の池のある広場にはカフェやレストランが。良い雰囲気。
棟が見下ろす中央の池のある広場にはカフェやレストランが。良い雰囲気。

これならぼくもノマドになるよ!

 "Barbican Centre" 

BBC



バービカンセンターのロビー。ひろびろ。
バービカンセンターのロビー。ひろびろ。
この階段がすごく気に入った(後述)。持って帰りたいぐらい。
この階段がすごく気に入った(後述)。持って帰りたいぐらい。
壁面のビビッドな色づかいもすてきだ。
壁面のビビッドな色づかいもすてきだ。
地下のホールとシアターのロビー。
地下のホールとシアターのロビー。


ほんものの「市民の憩いの場」を見た。
ほんものの「市民の憩いの場」を見た。
たぶんここを日常的にちょっとした仕事の場所にしているとおぼしき人も。これ、いいなあ、と思った。

これはほかの公共施設でもいえることで、たとえば Victoria and Albert Museum という博物館にも行ったのだが(大人なので)、そこにある豪華絢爛な喫茶室にもずっと居座って仕事している人がたくさんいた。
Victoria and Albert Museum の喫茶室。すごい! ここでふつうに作業してる人とかいてうらやましかった。近所に欲しい。
Victoria and Albert Museum  
"" 



癒され、興奮してお腹が減ったのでセンター内のレストランで食事した。ガーキンへの抗議の意を込めキュウリを食ってやった。おいしくなかった。
 

ブルってる!

6070



 "Brutalism"brutal

姿
ロビーには往年のパンフレットや資料が展示してあって、これがとても興味深かった。
ロビーには往年のパンフレットや資料が展示してあって、これがとても興味深かった。
ブルータルな外壁のテクスチャのサンプルも展示。雷おこしのよう。
ブルータルな外壁のテクスチャのサンプルも展示。雷おこしのよう。
ミュージアムショップを覗いたら、コンクリートをテーマにした書籍が並んでて感動した。
ミュージアムショップを覗いたら、コンクリートをテーマにした書籍が並んでて感動した。
J.G.バラードの「コンクリート・アイランド」と、そして「ハイ・ライズ」も! この本を売るのにこれほどふさわしい場所があるだろうか。
J.G.バラードの「コンクリート・アイランド」と、そして「ハイ・ライズ」も! この本を売るのにこれほどふさわしい場所があるだろうか。
柱に近寄ると、こんな感じ。荒々しくもすてき。
柱に近寄ると、こんな感じ。荒々しくもすてき。
スイッチや消火ホースの収納などの窪みが、みんな角が丸めてあるのがキュート。
スイッチや消火ホースの収納などの窪みが、みんな角が丸めてあるのがキュート。
一方、この庇のアグレッシブさ!
一方、この庇のアグレッシブさ!
ブルってる!
ブルってる!
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階段が、いい



ほかにはたとえばナショナルシアターもかなりのブルータリズム代表作。
ほかにはたとえばナショナルシアターもかなりのブルータリズム代表作。
ブルってる!
ブルってる!
この部分とかちょうブルってる!
この部分とかちょうブルってる!
中もちょうブルってる!
中もちょうブルってる!
その隣にあるヘイワード・ギャラリーもブルータリズムの傑作なんだけど、残念ながら改装工事中。ちぇっ。これもきっとガーキンのせいだな!(逆恨み)
その隣にあるヘイワード・ギャラリーもブルータリズムの傑作なんだけど、残念ながら改装工事中。ちぇっ。これもきっとガーキンのせいだな!(逆恨み)


一番大きな階段が、それはそれはかっこよかった。
一番大きな階段が、それはそれはかっこよかった。
この45度で交錯する感じとかちょうすてき。
この45度で交錯する感じとかちょうすてき。
ブルってる! バビってる!(バービカンらしい、の意)
ブルってる! バビってる!(バービカンらしい、の意)
トイレへ通じる階段がまたかわいくて。この鋼材そのまま利用しました! って感じの柵とか。
トイレへ通じる階段がまたかわいくて。この鋼材そのまま利用しました! って感じの柵とか。
下がトイレなんだけど、階段両脇のどこへも通じてなくて単に行き止まりになるだけの空間の使い方とか、ちょうバビってる。
下がトイレなんだけど、階段両脇のどこへも通じてなくて単に行き止まりになるだけの空間の使い方とか、ちょうバビってる。
階段の脇、入り隅がやんわりカーブしてるのとか、ほんとうにキュート!
階段の脇、入り隅がやんわりカーブしてるのとか、ほんとうにキュート!
この「入り隅カーブ」は敷地全体至る所に見られるモチーフ。ナイスデザイン。
この「入り隅カーブ」は敷地全体至る所に見られるモチーフ。ナイスデザイン。


場所は飛んで、こちらは Somerset House の階段。すてきすごい!
場所は飛んで、こちらは Somerset House の階段。すてきすごい!
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上から見たところ。ネルソン提督も歩いたということから、その名も Nelson Stair という。
上から見たところ。ネルソン提督も歩いたということから、その名も Nelson Stair という。
同じサマセットハウス内の別の階段。なんといっても階段の薄さが気になる。しかも柱とかで支えてないし。だいじょうぶなのか? って心配になるほど。
 
さらに飛んで、こちらは大英博物館の階段。こういうのもいいよねえ。
さらに飛んで、こちらは大英博物館の階段。こういうのもいいよねえ。
こちらは老舗百貨店 Liberty の螺旋階段。いわゆる「リバティ柄」のあのリバティである。
こちらは老舗百貨店 Liberty の螺旋階段。いわゆる「リバティ柄」のあのリバティである。
ちなみにこちらはリバティの吹き抜け。いろいろな吹き抜けを観賞してきたが、木造吹き抜けははじめてだ。すごい。

あの17段の階段!



これです! 泣きそう!
これです! 泣きそう!
これは何の階段かというと、ベーカー街にある「シャーロック・ホームズ・ミュージアム」の階段。すごい行列。ただし、ガーキンと違って待てばちゃんと入れる(まだ根に持っている)。
内部は正典(われわれシャーロキアンはホームズ物語をこう呼ぶのです)にそって再現されている。案内するお姉さんもメイドの格好してる。
内部は正典(われわれシャーロキアンはホームズ物語をこう呼ぶのです)にそって再現されている。案内するお姉さんもメイドの格好してる。
うおー! マントルピースにはちゃんとナイフで手紙刺さってるし、タバコはペルシャスリッパに!
うおー! マントルピースにはちゃんとナイフで手紙刺さってるし、タバコはペルシャスリッパに!
はー、ここに住みたい。
はー、ここに住みたい。
壁にはちゃんとヴィクトリア女王の頭文字が!
壁にはちゃんとヴィクトリア女王の頭文字が!
棚を覗いたら、ホームズが書いた「各種タバコの灰の識別について」の論文が! 芸が細かい!
棚を覗いたら、ホームズが書いた「各種タバコの灰の識別について」の論文が! 芸が細かい!




19

1990B

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上の階にあった、ホームズゆかりの小道具たち。その解説パネルがなぜか……
上の階にあった、ホームズゆかりの小道具たち。その解説パネルがなぜか……
日本語! これ! あれだ!
日本語! これ! あれだ!
おもわず「あっ!」って声が出た。「なんでここに?!」
これだよね!?
これだよね!?
ホームズゆかりのロンドンの街の写真集。これの中のページ。それがなんで?
ホームズゆかりのロンドンの街の写真集。これの中のページ。それがなんで?
それにしてもこの本なつかしい。ひさしぶりに本棚から引っ張り出した。中学生の頃は、毎日寝る前に見てた。まじで。
ホームズが生きていた19世紀当時の写真も載っていて「いつかロンドンに行きたい!」と夢見ていたものです。
ホームズが生きていた19世紀当時の写真も載っていて「いつかロンドンに行きたい!」と夢見ていたものです。

また行きたい!

 

 

ヒースロー空港の入国審査のときにあったこの表示をみんな写真に撮ってた。

ヒースロー空港の入国審査のときにあったこの表示をみんな写真に撮ってた。

「いや、もはやおまえも Non EU だろ!」って。

「いや、もはやおまえも Non EU だろ!」って。

【告知】山形で写真展開催中!

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見応えありますよー!

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