第40回 2023年 授賞語
アレ(A.R.E.)
岡田 彰布 さん(阪神タイガース監督)新しい学校のリーダーズ/首振りダンス
新しい学校のリーダーズ さん(4人組ダンスパフォーマンスユニット)OSO18/アーバンベア
日本クマネットワーク代表 酪農学園大学 教授 佐藤 喜和 さん蛙化現象
瀬間 琴美 さん と 板倉 香音 さん(学生)生成AI
落合 陽一 さん(メディアアーティスト)地球に「スター・ウォーズ」の知性を持つロボットC-3PO、R2-D2型ドロイドと一緒に働く時代がきて、これっていつからだっけ?と振り返ってみた時、それは間違いなく2023年からとなるのだろう。問いかけるとすぐさま答えてくれる、物語だって、レポートだって、イラストだって、デザインだって作ってくれる。こんな魔法の生成AI「ChatGPT」に飛びついたユーザーは、世界で1億人を超えた。これは絶対に人間でなくちゃという俳優業でさえ、今年AI技術で若返ったインディージョーンズがスクリーンを駆け巡り、ハリウッドを震撼させた。しかし、生成AIは、あくまで過去のデータを読み込んで吐き出すしくみ。出力することはしても作り出すのは人間というのは普遍だろう。従来“パクリ”は著作権侵害はもとより職を失う恐れさえある恥ずべき行為のはずだった。しかし、学習する元ネタが膨大であればあるほどできる成果物の仕上がりがよい。さて。ChatGPTに2023年新語・流行語大賞の授賞理由を聞いてみた。その答えは「申し訳ありませんが、情報がないのでわかりません。・・・正確な情報を得るには、実際の資料や報道を参照することが必要です」
いいぞ、ChatGPT!
地球沸騰化
田烏水産株式会社 代表取締役 横山 拓也 さん2023年夏、世界は強烈な暑さに見舞われ、ヨーロッパでは熱波で死者が出たり森林火災が相次いだ。EUの気象情報機関によると2023年7月、世界の平均気温は観測史上最高を記録したという。この事態を受け、グテーレス国連事務総長は世界気象機関の報告書発表に際し「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と強い危機感を表した。SDGsの達成に向け、人々はマイボトルをもち、省エネに気をつけ、日々CO2削減に励んでいる。その一方、SDGsとはまったく逆行した現実が進行している。空中では戦闘機が激しく飛び交い、紛争地では容赦なくミサイルが撃ち込まれ、凄惨に人命が奪われている。100℃のわけがないことはさておき、地球沸騰化という言葉は今年の空気を見事にとらえ、人々の口にのぼった。日本でもこの夏、最高気温35℃以上の「猛暑日」の日数が最多となり、日本近海の海面水温は過去最高を記録。食卓の様子が変わってくること、そして命の危機を実感した年だった。
ペッパーミル・パフォーマンス
キッチンワールドTDI さん2023年3月9日、WBCの1次ラウンド東京プールが開幕した。
2戦目の対韓国戦、韓国の3点リードで迎えた3回裏、反撃の狼煙をあげたのがラーズ・ヌートバー選手だ。ねばりにねばったセンター前ヒットで勢いをつけ日本はこの回4点を奪い返した。守備でも魅せた。浅い打球に飛び込んでキャッチしたガッツあふれるプレーは、一気に侍ジャパンファンの心をつかんだ。そんなヌートバー選手の人気に火をつけたのがペッパーミル・パフォーマンスだ。自身がセントルイス・カージナルスで行っていたパフォーマンスを「たっちゃん」を歓迎しようと侍たちもとりいれて、あれはなんだとファンもまねた。観客席や家庭で実物のペッパーミルを手に応援する人もあり、一緒になって祝福できるこのパフォーマンスは日本の快進撃を勢いづけてくれたのだ。準々決勝の対イタリア戦では試合前の円陣でリードをとり、打席に立つと「ヌーイング」が起こる。アメリカ人大リーガー初の日本代表・ヌートバー選手の活躍はWBC優勝の感激とともに日本の野球ファンに強く焼き付けられた。
観る将
公益社団法人 日本将棋連盟 さん闇バイト
受賞者なし4年ぶり/声出し応援
公益財団法人 日本バスケットボール協会 AKATSUKI JAPAN さん2023年春、試合会場に声を出しての応援が戻ってきた。
大相撲、プロ野球、Jリーグなどで、大きな声で、肩を組み飛び跳ねて応援するファンの躍動で4年ぶりに熱いスポーツが息を吹き返した。WBCでは大谷翔平選手に「まだまだ声援が足りないので、もっともっと応援をお願いします」と檄を飛ばされもしたが、男子バスケットボール日本代表「アカツキジャパン」が来年開催のパリオリンピックに48年ぶりの自力出場を決めたのは、沖縄会場での声出し応援が力になったこともあるだろう。振り返ると、行動制限がかかったのは新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年。声なし応援は、打球音が聞こえる、力士のぶつかる生音が聴けるなどのうれしい発見もあったにはあったのだが、無観客試合も経験し、関係者やファンは応援のてがかりを模索してきた。手拍子やボード、文字をあしらったタオルを掲げての応援は、大きな声を出すことがためらわれる人も堂々とできる新しい応援として浸透した。
心ゆくまで「推し」の活躍を応援できる喜びにひたりたい。
I’m wearing pants!
とにかく明るい安村 さん(お笑い芸人)ようこそ おかえりなさい
2度目の新語・流行語大賞受賞へ!Mr.Tonikakuakarui Yasumura!
2015年年末、あなたは「安心してください、穿いてますよ」で受賞し、はちきれんばかりにとにかく明るく授賞式へおいでくださいました。
そして、今年、「I’m wearing pants!」がイギリスの人気オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で、日本人で初めて決勝進出を果たしたというニュースに触れ、関係者一同、大いに盛り上がりました。
“新語・流行語大賞を受賞した芸人はその後、人気が続かない”というジンクスを見事に打ち払ってくれた「とにかく」の素晴らしいチャレンジに敬意を表し、今後のさらなる活躍を期待、次のご登壇をお待ちしています。I’m wearing pants!
第40回 2023年 ノミネート語
- No.01I'm wearing pants!(アイム・ウェアリング・パンツ)
- No.02憧れるのをやめましょう
- No.03新しい学校のリーダーズ/首振りダンス
- No.04新しい戦前
- No.05アレ(A.R.E.)
- No.06頂き女子
- No.07X(エックス)
- No.08エッフェル姉さん
- No.09NGリスト/ジャニーズ問題
- No.10オーバーツーリズム
- No.11推しの子/アイドル
- No.12OSO18/アーバンベア
- No.13蛙化現象
- No.145類
- No.1510円パン
- No.16スエコザサ
- No.17性加害
- No.18生成AI
- No.19地球沸騰化
- No.20チャットGPT
- No.21電動キックボード
- No.222024年問題/ライドシェア
- No.23ひき肉です/ちょんまげ小僧
- No.24藤井八冠
- No.25ペッパーミル・パフォーマンス/ラーズ・ヌートバー
- No.26別班/VIVANT(ヴィヴァン)
- No.27観る将
- No.28闇バイト
- No.294年ぶり/声出し応援
- No.30Y2K