中古マンション 築年別の価格と経年変化
~中古マンション価格は築年が経過するに連れてどのように推移するか~
では、新築物件は築年を経るごとにどのように価格に違いが出てくるのでしょうか。今回は2011年に東京都、大阪府、愛知県で流通した中古マンションの価格を築年数︵1年単位︶で区分し、その平均価格︵坪単価︶を比較することで、築年別の価格相場観を把握することを試みました。地域ごと、築年数ごとの違いを調べてみましょう。
また、いずれのグラフも築19年くらいまでは比較的グラフの傾き︵=築年の違いによる流通価格の差︶が大きく、例えば東京都の築1年ものの坪単価は261.4万円であるのに対して築19年では161.2万円と坪あたり約100万円もの価格差があるのですが、築20年ものは149.9万円なのに対して築40年ものは手前の築38年や築39年ものから少し上昇して142.1万円です。20年の築年の違いがあっても僅か7.8万円の差しか発生していません。グラフによると、大阪府、愛知県でも同様の傾向を示しています。このデータからは、少なくとも築20年を経た中古マンションは、その後築年数がさらに経過しても、比較的値落ちが小さくなるということがわかります。もちろん築年の異なるA物件とB物件の価格調査結果であり、A物件の価格の定点観測ではありませんから、値落ちしないと断言することはできませんが、築後20年を経ると価格の下落が緩やかになる、ということは明らかです。
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さらに、築20年以降の価格変化も地域ごとに違いがあります。東京都では築20年を過ぎると築年ごとに価格相場がばらついており、築21年から築30年までの平均前年比(1年若い築年との価格差の比率)が101.0%、築31年から築40年でも100.0%と横ばい推移であるのに対して、大阪府、愛知県では築21年から築30年の平均前年比が99.6%と98.7%、築31年から築40年になると97.3%と97.7%となって下落率は緩やかでも、東京都のように横ばいにはなっていません。これは築年数の進んだ物件の立地条件によるものと考えられます。東京都では分譲マンションの歴史が長く、築年の古いものほど都心の一等地に建設されていることが多いのですが、大阪府、愛知県はともに市街地中心部に良好な住宅地が限られており、築年が古いものでも郊外の団地タイプが主流を占めるケースもあるので、価格が強含む可能性が低いのです。
中古マンションの価格は、最終的には物件の個別性によるところが大きいのですが、築年数の違いによる価格相場を把握すれば、ある程度価格の根拠が理解できるようになります。消費税率のアップが将来的に控えている昨今、買い替えるタイミングを逃さないためにも、中古マンションの築年数と価格の関係を認識しておくことが必要です。ちなみに、中古マンションを個人の売主から仲介会社の案内を受けて購入する場合には、消費税は発生しませんから、仲介会社が買い取ってリフォームした後販売するような場合(買取仲介と言います)を除いて、消費税が上がる前に買わなければと焦る必要はありません。ただし、仲介手数料には消費税がかかります。ご留意下さい。
※データ提供:東京カンテイ
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