2014.08.21

「日本は英語化している」は本当か?――日本人の1割も英語を必要としていない

寺沢拓敬 言語社会学・応用言語学・外国語教育史

教育 #日本人の9割に英語はいらない#英語教育

日本人の9割に英語は必要ない?


20143227[*1]




 使19

1



 11使1

 


9

使1

[*1] http://wws.tv-asahi.co.jp/kangaku/backnumber/0021/index.html

1割もいるのか?


使101

2013使9 27使101使

稿使 1 

「日本人」の9割に英語はいらない?


9使

20145267453.4




19使pp. 27-28


19p. 301

11pp. 28-29

  1077

  102

  100

1077 + 102 + 100 = 1276 1



1077調[*2]100

[*2] 調20015.6%700

調使使

使調調稿2000使稿

調調 Education FirstEF EPI 調調調

調使調調[*3]

[*3]   2005. 調調調調57(2), 12-20. 調http://www.stat.go.jp/teacher/c2hyohon.htm 

2000年代前半の英語使用率


1調JGSS20022003A20892調29531957 62.3%55.0%JGSS

2調使

使 

  使

  使

  使

  使

  使

  

  使

7

使2使使JGSShttp://jgss.daishodai.ac.jp/surveys/table/EUNO.html

使用者、統計


1
図1 仕事で英語を使う人の割合(JGSS-2002/2003)
1使JGSS-2002/2003

使使1.0%使5.1%6.1%11使使使1

2使使使
図2 世代別英語使用率(JGSS-2002/2003)
2使JGSS-2002/2003

使3030使1使1

203040使使20使調

使203040

近年の英語使用率


2000使使1JGSS-2002JGSS-200310調

JGSS121調JGSS-20022003使調JGSS20062010調使使20022003200620101020062010

JGSS-2006AJGSS-2010AJGSS-2002/2003208921242507 59.8%62.2%



1

1.

2.

3.

4.

5.

6.

7.使

1使使使使使

使使使 使使使使

英語使用者:2006 → 2010


使3200620105使26.  1.1%  1.4%7. 使55.6%  60.8%使
図3 2006年・2010年の英語使用者(JGSS-2006/2010)
3 20062010使JGSS-2006/2010

使4.6%使3.7%

使使[*4]使使

[*4] 24  http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc243120.html

JGSShttp://jgss.daishodai.ac.jp/surveys/table/EABUS.html

20102使2010 p. 21

使JGSS使

英語使用率減少の背景 ―世界的不況


使20062010

20002008920081.0%20095.5%貿使



使420062010使50
図4 産業別英語使用率(JGSS-2006/2010)
4使JGSS-2006/2010

2010使200618.2%16.2%-13.9%-10.6%

2009200816.1%使

貿貿2008160200910630%貿使

10.6%4.6%貿貿使貿使

4使+0.2%-0.3%

グローバル化で英語使用は減る!?

このように、世界的不況を念頭におけば、2000年代後半に英語使用が減ったことに納得いただけたと思う。ここで、この事例が興味深いのは、グローバル化によって英語の使用が低下したことを意味している点である。というのも、上記の説明が確かならば、サブプライム住宅ローン危機・リーマンショックという米国の国内問題が、金融危機のグローバル化を介し、めぐりめぐって日本国内の英語使用を減少させたことになるからである(下図)。まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」のような構図だが、グローバル化とはまさに「風が吹けば桶屋が儲かる」という側面を有していることが、あらためてよくわかるだろう。

graph5

一般的に、グローバル化によって人・商品・情報の流通は促進され、その結果、英語使用の必要性は増加するとされている。しかしながら、世界同時不況をはじめとしたグローバル化のさらに別の側面にも目を向けるなら、「グローバル化=英語化」は必ずしも真ではない。つまり、グローバル化が直線的にビジネスの英語ニーズを上昇させるという考え方は、過度に単純化されたモデルであり、データ上も理論上も支持することは困難なのである。

教育政策に密輸入される「日本は英語化している」言説


使



2003使p. 1調10使

20115p. 5使2000[*5]

[*5] 使


歴史的に見れば「英語のニーズは多い」はごく最近の言説


使 調[*6]

[*6] Matsuura, H., Fujieda, M., & Mahoney, S. (2004). The officialization of English and ELT in Japan: 2000. World Englishes, 23(3), 471-487.

使

 2014[*7]

[*7] 1911使使

200219472150

1947195060100%

なぜ、みんなが英語を学ぶようになったのか?


調使195060使

 2退

1950使使195070

「ニーズの低さ」を黙殺する現代


使使1使使

使使1使

使

プロフィール

寺沢拓敬言語社会学・応用言語学・外国語教育史


1982?2014201412

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