FireWire400から、FireWire800を経由してのThunderbolt……と、自宅の周辺機器環境をアップルに翻弄され続けている私としても、﹁USB-Cとか、マジいらねー﹂と思ってました。が、このモニターを買ってから、正直、USB-Cサイコーです。節操なくてすみません。
いずれにせよ、USB-C対応のMacBookやMacBook Proユーザーで、家の中でも外でも使いたい! という方、絶対、USB-C対応のモニターを買うべきです!
詳しいことは後述しますが、最大の利点は、映像も電源も周辺機器もUSB-Cケーブル1本で済んでしまうという点。MacとモニターをUSB-Cケーブル1本つなぐだけで、超快適なMac環境を構築できてしまうんです。MacBookに付属する白い電源アダプターも使わなくなるんです。どうです? すごくないですか?
ということで、本編スタートです。今回も、やらせ一切なしの100%自腹レビューとなっております。よろしくお願いします。
4Kかつ、ピボット対応でお値打ちなモニターはどれ?
今回、﹁MacBook︵& Pro︶とデュアルディスプレイするのに最適なモニター﹂を調査する上で、まず設定した条件は解像度が﹁4K﹂であること。数年前までは高嶺の花でしたが、最近はかなりお値打ちになっています。
そして、インチ数は﹁27﹂に設定。大きいものでは40インチといったクラスもありますが、iMacと並べて使うことも想定して27インチに設定しました。
また、ウェブの更新作業用ということで、モニターを回転して縦長に使うことができる﹁ピボット﹂機能も条件に加えました。横に並べる場合、アスペクト比は16:9より、21:9の方が作業しやすかったりもしますが、今回は﹁ピボット重視﹂ということで、アスペクト比16:9としました。
︵今回、対象となるMacBookは、USB Type-Cの端子を搭載するMacBook、もしくは、MacBook Proを想定しています。文中では、MacBook︵& Pro︶と表記させていただきます。︶
ちなみに、かつては秋葉原を歩くと、店先にダーっとモニターを並べて売っているお店が結構ありましたが、そういうお店もほとんどなくなってしまい……。結局、日本最大のモニターショップは︵も︶Amazonであることを今回の調査で再認識した次第です。
ちょっと脱線しましたが、今回そんな条件にベストマッチするモニターとして発見してしまったのが、LGのUSB-C対応モニター︵写真は27UD88-W︶です。
画面サイズ‥27インチ アスペクト比‥16:9 パネル・タイプ‥IPS 表面処理‥ノングレア 解像度‥3840×2160 応答時間︵ms︶‥5ms 色域‥sRGB 99%以上 HDR‥非対応 入力端子‥HDMI×2、DisplayPort×1、USB Type-C×1︵Up‥USB Type-C、Down‥USB 3.1 Gen1︶ 発売日‥2016年4月
このモニターの最大の特徴は、なんといっても、USB Type-C(USB-C)に対応している点です。
ということで今回は、﹁ちゃんと安定してケーブル1本で出力から充電までできるのか?﹂という点を中心に、あらゆる点をチェックしました。
ケーブル1本で映像も電源もHDDもホントにぜ~んぶ繋がりました!
このLGのUSB-C対応モニター、結論から言えば、まさにMacBook︵& Pro︶ユーザーのためのモニターでした。実際、ちょいギークなユーザーにとって、MacBookをモニター出力してデスクトップパソコン代わりに使うというのは、わりと定番ではあります。
その反面、一度外へ持ち出すと、色んなケーブルを抜いたり挿したりする必要があり、いろいろと面倒だったりします。
通常、MacBook(& Pro)でデスクトップ並の環境を構築する場合は、下のイラスト(Before)のように様々な機器をMac本体に直接つなぐ必要があります。
この通り、モニターとUSB-Cケーブルで繋ぐだけで、バッテリーアイコンが充電中になります。
一方、左はUSB-C対応モニターの場合。必要なものは全部モニター側が引き受けてくれるので、あらゆるケーブルがまるごと不要になります。
特に、USB-C端子を1つだけ搭載するMacBookの場合、USB-Cケーブル1本だけですべてOKなのは理想的ではないでしょうか。
アダプタを利用することで、LANケーブルからインターネットアクセスも可能。デスクトップと同じ環境を構築可能できます。
ただ、1点注意点があります。USB-C1本で全てをまかなう場合︵つまりDisplayPort Alternate Modeで使用する場合︶はデータの帯域を映像/音声信号でも使用するため、USBのデータ転送は480Mbpsが最大となります。
つまり、USB3.0相当の転送速度では利用できません。大容量のデータを頻繁にやり取りする場合は、HDDだけはMacに直挿しする方がおすすめです。
今から買うならHDR対応の27UK850-Wがおすすめです
LGエレクトロニクス
27UK850-W
実勢価格:7万9920円
画面サイズ:27インチ
アスペクト比:16:9
パネル・タイプ:IPS
表面処理:ノングレア
解像度:3840×2160
応答時間(ms):5ms
色域:sRGB 99%以上
HDR:対応
入力端子:HDMI×2、DisplayPort×1、USB Type-C×1(Up:USB Type-C、Down:USB 3.1 Gen1)
発売日:2018年2月
続いて、製品のディテールをご紹介していきます
入出力端子は背面に。
UBS-C端子の他、USB3.1 Gen1を2端子、HDMIを2端子、DisplayPortを1端子などを搭載しています。
電源は付属のアダプタを利用。
「ピボット対応」の本モデル。縦回転できるので、ウェブサイトの全体表示などに最適です。
画面は角度調整が可能です。
左右の首振りは非対応ですが、上下の高さは変更可能です。
一番高い設定がこちら。
一番低い設定がこちらです。
メニューは正面下部にあるボタンよりアクセス。モニターのメニュー画面は総じてわかりづらいんですが、これは直感的に操作できて非常に快適です。
実際の各メニュー画面は、以下のとおりです。
これだけは知っておきたいUSB-C対応モニターの選び方
続いて、USB-C対応モニターを選ぶ際に、これだけは知っておきたいというポイントをご紹介します。キーワードはUSB PDとAlternate modeです。
①USB PDとAlternate mode
MacBook(& Pro)とUSB-C対応モニターをつなぐ際にポイントなるのが、USB Power Delivery(PD)とAlternate modeです。前者に対応することで、電源供給が可能に。LGの27UD88-Wでは60W対応となっています。15インチのMacBook Proの電源アダプタは87Wですが、モニター経由で問題なく使用できました。また、Alternate modeに対応することで、ケーブル1本でDisplayPortなどの規格に対応することが可能になります。
②高解像モニタ選びの注意点
USB-C対応モニターを選ぶ際、4Kもしくは、WQHDから選ぶのがより一般的だと思います。MacBook(Proでない12インチMacBook)の場合、OSによって出力できる解像度が異なるので、注意が必要です。初代MacBookの場合、購入時のままだと4K出力できませんが、最新OSにアップデートすることで4K60Hz出力が可能になります。なお、モデルごとの対応は、アップルの公式サイトで知ることができるので、ぜひ参考にしてください。
Macで4Kディスプレイ、5Kディスプレイ、Ultra HD TV を使う
③4K出力は30Hzか60Hzかもチェック
4K出力の場合、リフレッシュレートが60Hzに対応しているかも重要。古いPCの場合、30Hzにのみ対応ということも。その場合、マウス操作でカーソルがカクついて感じるなどストレスが。高解像度で出力する場合は、﹁60Hz出力に対応﹂かもチェックを!
ちゃんと4K出力できないときはココをチェックするべし!
今回の検証では、最初にMacBook︵& Pro︶をつないだ際、4K出力ができず若干戸惑いました︵結果的にはちゃんと表示されましたが︶。多くの方が陥りがちなポイントをご紹介しますので、﹁4Kにならない!﹂という場合は、参考にしてみてください。
モニターの設定画面で、DisplayPort1.2の設定が「使用する」になっているかをチェック。
また、USB-Cケーブルは必ずモニター付属のものを使いましょう。
MacBookに付属する白いUSB-Cケーブルは非対応ですので注意です。
また、モニターにつないだUSB機器がうまく作動しない場合は、同じく設定画面の「USBクイック充電」がオフになっているかをチェック。
ここが「オン」になっていると繋いだUSB機器が作動しません。
モニタ下段にあるキーを押し込むと設定メニューが表示されます。
「Menu」→「全般」からアクセスできます。
Q.モニターアームはどれがいい?A.コレが過不足なくて◎です
こちらの写真では付属のスタンドではなく、モニターアームを利用しています。付属スタンドもいいですが、編集部的にはアームがおすすめ。もっと高い商品もありますが、グリーンハウスの4軸アームは、コスパ最強。コレでも十分です。
グリーンハウス
4軸 液晶モニターアーム
GH-AMCA02
購入価格:4270円
対応規格:VESAマウントインターフェース規格(FPMPMI) 100mm / 75mm
耐荷重:9.0kg
対応サイズ:27インチまで
大橋伸太郎氏が厳しく画質チェック「LGはテレビ的、Dellはモニター的ですね」
検証は、LGの27UD88-Wと、DELLのU2718Qを比較しました。
次に、UHDブルーレイ映像を比較。まずは、パナソニックの4Kデモディスクの嵐山紅葉シーンから。
「今度は逆転して、LGの方が紅葉の発色が赤味豊かで重厚、鮮鋭感のあるテレビ的な画です」。
続いて、映画「ラ・ラ・ランド」。
そして﹁4K夜景﹂。 ﹁日中シーンでは、DELLは空が青く、LGは雲がやや赤っぽいです。クリーンで抜けのいいのはDELL。夜景のコントラストはほとんど同じですね﹂。 最終評価としては、﹁テレビに近い色彩バランスが感じられるのはLGです。一方、映像を凝視することに長けた方なら、DELLのすっぴんを思わせる、より作為のない画質に潔さを感じるでしょう。どちらも価格は魅力的ですね﹂。
最後に大切なお知らせ! Amazonではモニターの価格が変動するんです!
多くの家電は、﹁待てば価格が下がる﹂が常識ですが、アマゾンの、特にモニターはそれが当てはまらないことが多いので注意が必要です。実際、LG 27UD88-Wも、編集部が購入したあと、すぐに1万円ほど価格がアップ。そんな値動きを正確に把握するためにおすすめしたいのが、こちらのプラグイン。
ブラウザにインストールすることで、値動きが一目瞭然となる優れモノ。アマゾンでモニターを買うなら、まずこちらを。
Keepa - Amazon Price Tracker
対応ブラウザ:Firefox/Chrome/Opera
価格:無料
グーグルChromeなどのブラウザにインストールして利用する機能拡張プラグイン。グーグルで「Keepa」と検索すればすぐに見つけられます。
︻まとめ︼MacBook︵& Pro︶ユーザーで家でも外でも使う人には強くオススメします!
もしMacBook︵& Pro︶をモニターに繋ぎっぱなしにして使いたいという方は、必ずしもUSB-Cに対応したモニターである必要はないかもしれません。
一方で、MacBook︵& Pro︶を頻繁に持ち出すという方は、USB-Cに対応したLGを強くおすすめします。電源を含めたすべてをモニターに丸任せ。MacBookのバッテリーがゼロになって帰宅しても、モニターにつなげば同時に充電も開始。この環境、最高です!
LGエレクトロニクス
27UK850-W
購入価格:7万9920円