長い歴史と豊富なコンテンツ量を誇る日本のアニメ・漫画。当然、それらを作り出すクリエイターも膨大な数にのぼる。
今回はそんな中から、あまりに表現方法が個性的すぎて、ファンから「○○節」のような呼び名を付けられた“クリエイター由来のネット語”5つをピックアップしてみた。
富野節
﹃機動戦士ガンダム﹄生みの親として有名な富野由悠季監督。ガンダムに限らず魅力的な世界観やキャラクターを描き続けてきた富野氏は、その独特なセリフまわしにも定評があり﹁富野節﹂と呼ばれる。
富野節をきっちり定義することは難しいが、筆者的には﹁意味不明に聞こえるけど妙に作中シーンとマッチした味わい深い言いまわし﹂と解釈したい。いくつか例を挙げてみる。
文法的におかしい
﹁鈴木君には政治を司る新しい聖戦士をやってくれ﹂︵﹃リーンの翼﹄より︶論理的におかしい
﹁何でそんな簡単に人を殺すんだよ!死んでしまえ!﹂︵﹃機動戦士Zガンダム﹄より︶状況的に間違ってはいないが語尾がおかしい
﹁待ち伏せですよ!﹂︵﹃機動戦士Vガンダム﹄より︶ ﹁死ねよやー!﹂︵﹃ブレンパワード﹄より︶ 単独セリフを抜き出しただけですらこれだから、複数キャラによる会話の応酬シーンはアクが強すぎてめまいを感じるほど。だが同時に、機動兵器に乗って殺すか殺されるかの戦場に投げ込まれたら、誰だってまともな言葉は吐けないんだろうな、と妙なリアリティがある。 ちなみに﹃ガンダム﹄シリーズでは富野氏が直接関わっていない作品でも、富野節を意識したと思われるセリフが散見される。初代へのリスペクトだろうか。関連記事