ネットを使えば、遺伝子データベースから個人を特定可能!?

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ネットを使えば、遺伝子データベースから個人を特定可能

Three forms of DNA: A, B and Z by David Goodsell at PDB” BY dullhunk (CC:BY-NC-SA)

誰もがアクセス可能な情報のみを利用して、MITの外郭研究所であるホワイトヘッド研究所のヤニフ・エルリック率いる研究者のチームは、研究目的で遺伝子調査に参加した約50人の人々の身元を割り出すことに成功した。ハッカーも、特別なコンピューターのトリックも必要ない。


Science1

では、どのようにして科学者たちは遺伝子提供者たちの身元を突き止めることに成功したのだろうか? 彼らに関する情報は、個人を特定できないかたちでデータベース内部に保存されている場合もあった。

出発点は、1,000人ゲノムプロジェクトに含まれる、ヒト多型性研究所(Centre d’Etude du Polymorphisme Humain:CEPH)のゲノム・データベースだった。考察に用いられたのは、ある特定のタイプの遺伝子、Y-STRである。これはY染色体の“Short Tandem Repeat”(縦列型反復配列)のことで、それぞれの人に固有の遺伝子マーカーとなる。


Y-STRY-STRDNAY-STR

National Institute of General Medical Sciences:NIGMSCoriell Institute for Medical ResearchHuman Genetic Cell RepositoryCEPH50





TEXT BY ANNA LISA BONFRANCESCHI

TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI