人工知能に恋をしてはいけない:AI研究者・一杉裕志が語るAI社会の倫理、雇用、法律 #wiredai

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人工知能に恋をしてはいけない:AI研究者・一杉裕志が語るAI社会の倫理、雇用、法律 wiredai
松田卓也が主宰するシンギュラリティを議論することを目的とした勉強会「シンギュラリティ・サロン」第3回に登壇した一杉裕志。インタヴュー前編はこちら

一杉裕志

草薙素子とAIの倫理問題

松田卓也(以下、松田) シンギュラリティを実現する超知能はどんな形態になるのでしょうか? 多くの人は機械超知能をイメージしていますが、一杉さんはヒト型人工知能だと考えているのですか。

一杉裕志(以下、一杉) まずヒト型人工知能が最初に実現されて、人類はそのヒト型人工知能を使ってヒト型ではない人工知能も含めたより高度な人工知能を開発する、ということになると思います。

松田攻殻機動隊』は2029年の世界を描いています。主人公の草薙素子は、脳だけが人間で他はすべて機械になっている。人間は脳から直接インターネットにアクセスしています。そんなことも可能になると思いますか。

一杉 可能性はありますね。ほかにも遺伝子改変や薬物など、人間の能力増強の方法はいろいろあります。


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一杉 世界中の誰が高度な人工知能を開発してもおかしくない、とわたしは思っています。人工知能の開発に巨大な設備はいりませんし、必要な情報はすでにネット上にあります。だからどの国が次の人工知能を開発しても不思議ではない。そうすると、世界の軍事バランスが崩れて大混乱になる可能性がありますね。

松田 たしかに原理的にはそうですね。先ほど国際協調で悪意の人工知能開発を止めると言われましたが、現実的に可能でしょうか。


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<strong><a href="/ai2015/">人工知能カンファレンス「WIRED A.I. 2015」

12/1発売「AI特集号」にてレポートを掲載!</a></strong>



YUJI ICHISUGI
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https://staff.aist.go.jp/y-ichisugi/j-index.html


 

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AIに恋をしてはいけない

松田 先日、ボストンダイナミクスがネット上で公開した動画のなかに、動物型ロボットを蹴飛ばすシーンがあって、それを見た「ロボット愛護派」が文句を言ってきた、という事件がありました。

一杉 人間はそんなふうに思ってしまうようにつくられているんですよ。自分とは違う種までかわいがる生物は、ヒト以外にはほとんどいません。ヒトはもう1万年くらい家畜とともに生きてきたわけですが、家畜を利用できる種族は、そうじゃない種族よりもはるかに有利なので、動物をかわいがる感情をもつようにヒトは進化してきたのではないかと思います。その回路が誤動作してロボットを蹴ると「かわいそうだ」と感じるようになったんじゃないかと。


 

 

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インタヴュー中の一杉裕志(左)と松田卓也(右)。

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TEXT AND PHOTOGRAPHS BY ATSUHIKO YASUDA@XOOMS