お金と仕事
「MERY」記事量産の現場 「90分に1本のノルマ」インターンが証言
女性向け人気サイト「MERY(メリー)」の全記事が、7日から非公開になりました。いったいどんな人が記事を書いていたのでしょうか。DeNAの下でサイトを運営していた「peroli(ペロリ)」のインターン生として記事を書いていたという女子大生に話を聞くことができました。
お金と仕事
女性向け人気サイト「MERY(メリー)」の全記事が、7日から非公開になりました。いったいどんな人が記事を書いていたのでしょうか。DeNAの下でサイトを運営していた「peroli(ペロリ)」のインターン生として記事を書いていたという女子大生に話を聞くことができました。
女性向け人気サイト「MERY(メリー)」の全記事が、7日から非公開になりました。サイトを所有するDeNAのメディア事業をめぐっては無断転載や内容に誤りのある記事が多数掲載されていた可能性が出ています。では、いったいどんな人が記事を書いていたのでしょうか。「仕事場は雑居ビル」「90分に1本がノルマ」。インターン生として「MERY」で記事を書いていたという女子大生に話を聞くことができました。
出退勤は個々人が自由に決められるが、月40時間は勤務しなければならない決まりだったとか。
「インターンといえば聞こえはいいけど、要するにバイト。時給は1千円くらいだった」と話します。
学生の間では「マニュアル」と認識されていたこの指示について、アキナさんはこう語ります。
「わたしの感覚では、記事のほとんどはインターン生が書いていたと思います。数人がグループになっていて、誰かが記事を書くと、Slack(グループチャットツール)でチェックするように回ってきました。うーん。ごくたまにすごく短い記事だったり、キーワードが少なかったり、明らかにマニュアルに沿っていない記事がありました。それが一般ユーザーの記事だったのかなあ」
アキナさんは約40~50本の記事を書いたそうです。
サイト全体が非公開になる前にすでに見られなくなったそうで、「それはそれで、悲しかったです」。
最後に今思うことは?
「就活の自己PRに書けると思って有名サイトでインターンしたのに、悪いこと手伝わされていたみたいで……。今じゃ人に言えないですね」
就活のネタ探しという女子大生の思惑と、安価な労働力の確保という企業の思惑が一致したからこそ、成り立っていたのでしょうか。
後味の悪い取材でした。
DeNAは、MERYでは他の9サイトで発覚したような「他サイトからの文言の転用を推奨していると捉えられかねないマニュアル」は存在しなかったとの姿勢を崩していません。
7日に都内で開かれたDeNAの記者会見でも守安功社長は「MERYを運営しているペロリ社の中川綾太郎社長にも確認をし、転用を推奨するマニュアルはないと判断している」と説明。小林賢治・経営企画本部長も「実際にマニュアルを調べたが、転用を推奨する文言は確認できていない」と述べました。
一方で会見では、一般ユーザーが投稿する「まとめサイト」の形をとっていたMERYの記事のうち44%を「雇用ライター」と呼ぶ、DeNAが雇ったアルバイトやインターンが執筆していたことが明らかにされました。
記事の多くを「雇用ライター」が書いていたにもかかわらず、MERYの記事には多数の無断転用や規約違反の疑いが浮上しています。
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