「理系で知らない人はいない」とされている『キムワイプ』。大学や民間企業の研究室でよく使われている拭き取り紙の商品名です。そんなキムワイプのロゴが入った電気ケトルやパーカーなどを紹介するチラシが、「マニア垂涎(すいぜん)」「超欲しい」とツイッター上で注目を集めています。そもそもキムワイプとは、どんな商品なのか? 製造元に聞きました。
11月中旬にツイッター投稿されたキムワイプに関するチラシ。オリジナル電気ケトル「わく子」や電波時計、背中に大きくロゴが入ったパーカーなどが掲載されています。
このツイートに対し、「めっちゃ欲しいんやけど」「マニアックすぎます」「マニア垂涎のアイテム」といった反応が寄せられ、リツイートは1万1千を超えています。
このチラシに書かれた応募期間は2015年10月から2016年3月となっており、すでに終了しています。しかし、現在は第4弾を実施中で、センサー付きダストボックスやTシャツ、洗浄瓶やタイマーなどが当たるようです。
製造元の日本製紙クレシアによると、キムワイプは﹁産業用ワイパー﹂という商品。ワイパーといえば、車についている雨を拭き取る棒状の装置を思い浮かべますが、そうではありません。ワイプする︵wipe=拭き取る︶ためのものという意味で、わかりやすく言えば﹁業務用の拭き取り紙﹂のことです。
もともとは、アメリカのキンバリー・クラーク︵Kimberly-Clark︶社が第2次世界大戦中に光学レンズの拭き取り用として開発したもので、1969年から日本製紙クレシアの前身である﹁十條キンバリー﹂が国内で製造・販売を開始。名前はKimberlyのKimとwipeをつなげてキムワイプ︵Kimwipe︶となりました。
今ではサイズ別に4種類がラインナップされています。メインである﹁S-200﹂はティッシュのような長方形ではなく、正方形に近いのが特徴。実験器具などと一緒に机の上に置いても邪魔にならないよう、この形になったそうです。
ケバ立ちが少なく、拭き取った後の繊維が目立たないので、主に大学や民間企業の研究室や電子工場などで使われています。用途はビーカーや試験管、薬品などの拭き取りです。
2013年から年1回のペースで実施されているプレゼントキャンペーン。ケース買いした人が対象となるマニアックな企画ですが、どんな狙いで実施しているのか? 日本製紙クレシアのマーケティング部・島田夏希さんに話を聞きました。
――企画を実施した理由は
﹁毎日、何げなく使用するキムワイプやキムタオルですが、今後も末永く愛用していただきたいとの思いからキャンペーンを実施しています。こんなにも長く続けることのできるキャンペーンになるとは想定していませんでしたが、続けるうちに皆様の製品に対する愛着や信頼を感じることができました。できるだけ長く続けていきたいと思っています﹂
――ケースごとの応募で、企業向け・大学関係者向けと分かれていますね
﹁製品をご購入いただく際、多くの場合がケース購入となっているためです。ご購入いただくと応募用IDが取得できる仕組みになっています。企業向け・大学関係者向けと分かれているのは、応募時に回答いただくアンケートが違うためです。当選確率への影響はありません﹂
――センサー付きダストボックスや洗浄瓶など、バリエーションに富んでいます
﹁毎回景品を楽しみにしていただいているので、できるだけ過去の景品と重複しないように社内でたくさんのアイデアを出し合っています。理系の社員へヒアリングを行い最終決定します﹂
――オリジナル商品にこだわる理由は
﹁第1弾のときから全てオリジナル商品です。キムワイプやキムタオルに更なる愛着を持っていただきたいという思いから、オリジナル商品にこだわっています﹂
――担当者としてお気に入りは
﹁研究室では欠かせない洗浄瓶です。ぜひ、キムワイプオリジナル洗浄瓶をみんなで使いましょう!﹂
――今回の第4弾で人気の商品は
﹁現時点での1番人気はB賞のキムワイプオリジナルTシャツです﹂
――企画を通して訴えたいことは
﹁こんなにもたくさんの方に愛用していただけて、本当に嬉しく思っています。第4弾は当選人数が過去最高の5000人︵第3弾の1.5倍以上︶となっています。ぜひ、ご応募ください﹂
――ネットで話題になったことについては
﹁話題にしていただけるのも、皆様の支えがあるからこそです。今後もより良い製品づくりをして、皆様に還元できればと思っています。直近では、キムワイプがより使いやすくなるようにディスペンサーの開発をしましたので、ぜひお試しください﹂