連載
徳岡正肇の これをやるしかない!:実はクラウドゲームのプラットフォームではなかった!? 「シンラ・システム」の正体に迫る
クラウドゲームサービスにして,クラウドゲームプラットフォームにあらず!?
﹁シンラ・システム﹂の正体に迫る
2013年までスクウェア・エニックスの代表取締役だった和田洋一氏の率いるシンラ・テクノロジーが,開発中のクラウドゲームシステム﹁シンラ・システム﹂において,独立系開発者の受け入れを発表した。大手企業に所属していなくても,自作のゲームタイトルをクラウドで配信できる可能性が出てきたわけだが,そもそもシンラ・システムとは何であって,どういう可能性があるのか。徳岡氏が話を聞いた。
クラウドゲーム︵Cloud Gaming︶という試みは,これまでもさまざまな形で実施されてきており,現在も行われている。ユーザーからしてみると,ローカルのPCやスマートフォン,タブレットといった端末が持つスペックに左右されることなく,高品質なグラフィックスでゲームを楽しめ,パブリッシャからしてみれば海賊版を心配する必要がなくなるという﹁夢のゲーム配信システム﹂なのだが,その普及状況は,かなり控えめに言っても,あまり芳しくはない。
シンラ・システムの現状
4Gamer‥ 本日はよろしくお願いします。まずは﹁シンラ・システムの現状﹂について,簡単に説明をいただけますか。自分もある程度まで情報は追っているつもりだったのですが,﹁具体的にこういうことができるよ,こういうところが強いよ﹂というところで,うまく整理できていない部分がありまして。 一條氏‥ 確かにこれまでは,非常に大きなコンセプトワークやビジネス理念,あるいは個々の技術面が紹介されることが多かったですね︵笑︶。 4Gamer‥ で,ですよね……! 一條氏‥ そのあたりの“情報ギャップ”を埋めるというのは,僕の仕事でもあります。シンラ・システムでゲームをリリースするには
4Gamer‥ シンラ・システムの概要は理解できました。 さて,いよいよシンラ・システムで独立系開発者の開発したゲームを,という話に移っていきたいと思うのですが,そもそもの話として,何をどうしたら,シンラ・システムで自分のゲームをリリースできるんでしょうか?生臭い話をしようじゃないか
4Gamer‥ 可能性の一端を伺ったところで,一番大事なところを聞いていきたいと思います。 シンラ・システムにおいて,ゲームのマネタイズには,どのような手法が利用できるのでしょうか。CEDEC 2015で一條氏と握手
シンラ・システムの新しさと壮大さがよく分かる話がたくさん聞けたインタビューだったが,CEDEC 2015の期間中,8月28日の11‥20〜12‥20に予定されているセッション﹁クリエイター魂を刺激する!シンラが提案する﹁ゲームの超進化﹂ロードマップ﹂では,さらに踏み込んだ話が聞けるようだ。 この講演では,シンラ・システムを導入する手順や,遅延の規模と対策などを,﹁とにかく具体的﹂︵一條氏︶に説明するとのこと。またシンラ・システムを使った小規模なゲームジャムを開催してみた結果の報告もあるという。 シンラ・システムにおいても,一條氏は﹁何が良くて,何がダメかを,自分で使って判断する﹂方針であるという。シンラ・システムの赤裸々な現実を知りたい人には,最適なセッションではなかろうか。 なお一條氏いわく,﹁シンラ・システムを利用した開発者向けゲームジャムを継続的に実施したいです。すごいバカゲー求む! シンラ・システムを,良いオモチャにしてください﹂とのこと。 ゲーム開発社で社内ゲームジャムを開催している読者各位も,一條氏にちょっと相談してみてはどうだろう。シンラ・テクノロジー日本語公式Webサイト
- 関連タイトル:
シンラ・システム
- この記事のURL: