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テストレポート
「Nintendo Switch」分解レポート。「任天堂はどんな新しいことを提供してくれるのか」と期待が膨らむ内部構造だ
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4Gamerでは発売に合わせて初回セットアップ方法や各種機能周り,注目タイトル紹介,キーパーソンインタビューなど,Nintendo Switch関連の記事をいくつか掲載済みだが,本稿では,店頭で購入してきた実機の分解レポートをお届けしたいと思う。
なお,今回入手したのは,付属する専用ワイヤレスコントローラ「Joy-Con」(ジョイコン)の色が左右で異なる「ネオンブルー/ネオンレッド」モデルだ。
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ファブレット的な本体と,スイッチコンセプトを具現化するJoy-Con,ドックからなるNintendo Switch
分解に先だって,入手したNintendo Switchの基本仕様を確認しておこう。 本体の実測サイズは約172︵W︶![]() |
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上辺部には[電源]ボタンと[音量]ボタン,3極・4極両対応(≒ヘッドフォンとマイク,ヘッドセット対応)の3.5mmミニピン端子,そしてカバー付きの「ゲームカードスロット」を搭載。任天堂は「ニンテンドーゲームキューブ」以降,据え置き型ゲーム機では3世代続けて光学メディアをゲーム用に用いていたが,Nintendo Switchでは半導体メディアへ回帰した格好だ。
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面白いのは,このスタンド自体が,microSDXC対応のmicroSDカードスロットカバーを兼ねていることだろう。本体内蔵のフラッシュメモリに入りきらないゲームデータを保存したいときには,このスロットを活用することになるはずだ。
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ワイヤレス接続するため,Joy-Conはバッテリーを内蔵している。携帯モードで本体に接続しておけば自動的に充電できるが,別途,別売りの「Joy-Con充電グリップ」を購入すれば,USB Type-C経由で充電しながらゲームパッドとして使うこともできる。
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最後にNintendo Switchドックだが,こちらは背面側のカバーを開けたところにACアダプター接続用のUSB Type-C端子と,将来的にアップデートでUSB 3.0対応とされるUSB Type-A端子,HDMI Type A端子が並び,また,本体正面向かって左側面にUSB 2.0対応USB Type-A端子が2ポート並ぶ仕様になっている。
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分解難度がかなり高いNintendo Switch本体。ゲーム機と言うよりもモバイルデバイスに近い
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金属板を取り外すと,SoC(System-on-a-Chip)がある部分にはシリコングリスがかなり大量に塗ってあり,ここから,金属製のシールド板を放熱にも使っていることが確認できる。
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そのほか金属板の下では,全体の4割強が「Nintendo」ロゴ入りのリチウムイオン充電池(以下,バッテリーパック)になっていることにまず驚く。バッテリーパックは3.7V 4310mAhの16Whという仕様で,一般的なスマートフォンと比べると容量は大きい。
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左下の写真を見てもらうと,メイン基板はかなり特殊な形状になっているのが分かると思う。
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Tegraの詳細は依然として不明
取り出したメイン基板を見ていこう。 本稿では以後,当該基板上で最も大きなチップが載るほうを﹁部品面﹂,その背面を﹁パターン面﹂と呼ぶことにするが,部品面には子基板が接続されており,そこにはSamsung Electronics︵以下,Samsung︶製のeMMC﹁KLMBG2JENB-B041﹂が載っていた。Nintendo Switchは容量32GBのフラッシュメモリを標準で内蔵するが,KLMBG2JENB-B041の容量がまさに32GBなので,ここにファームウェアやOS,︵入る限りの︶ゲームプログラムやデータが格納されることになるのだろう。![]() |
Nintendo Switchのメイン基板,部品面。メイン基板の左にある子基板にはSamsung製32GB eMMC「KLMBG2JENB-B041」が搭載されており,いわゆるストレージとしての役割を果たしている。SoCは金属シールドに覆われており,まだ見えない |
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メイン基板のパターン面。こちらにもいくつかのチップが載っている |
メイン基板上の実装ではなく,わざわざ子基板として用意している以上,eMMCの容量を増やしたモデルの実現は難しくないはず。将来的には本体側フラッシュメモリ容量64GB版や128GB版といったバリエーションモデルが登場する可能性もありそうだ。
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カスタム版のTegraプロセッサを搭載 |
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K4F6E304HB-MGCHは1枚あたり容量2GBのLPDDR4メモリチップだ |
![]() MAX77621AEWI+Tは3フェーズレギュレータ。これを2基搭載している |
![]() メモリチップの近くある謎のチップ。刻印はM92T36 630380だった |
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![]() PI3USB30532ZLE。Pericom Semiconductor製クロスバースイッチだ |
![]() Maxim Integrated製パワーマネージメントIC,MAX77620AEWJ |
となると,液晶パネルを駆動するドライバーはどこに? という話になるのだが,ゲームカードスロットと3.5mmの載った子基板に,正体不明のSTMicroelectronicsのロゴ入りチップ「FT9CJOFK6358AA01」があった。これがそうなのではなかろうか。
![]() STMicroelectronics製チップ, |
![]() パターン面には「B1633 GCBRG HAC STD T1001216A1」という刻印のチップもあったが,これは正体不明である |
Joy-Conも分解。HD振動の正体はやはりアレだった
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Joy-Con(L)の基板の部品面。中央右に見える大きなチップがBCM20734で,その左下に見えるのがMX25U4033Eだ。BCM20734の右下に見えるチップは,刻印を読み取れなかった |
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Joy-Con(L)の基板パターン面。写真右上に見えるチップはジャイロ兼加速度のセンサーだと考えている |
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ちなみにここまでJoy-Conの充電周りはあえて説明してこなかったが,実のところは接点を使ったシンプルな実装となっている。Joy-Conを本体(やJoy-Con充電グリップ)にかちっと填めると接点がつながり,給電が始まる仕掛けだ。
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Nintendo Switchドックの基板は2種類のフラッシュメモリを搭載
最後はNintendo Switchドックである。 ここでも任天堂は特殊ネジが用いているため,﹁カジュアルな分解﹂はできなくなっているが,構造自体は単純なので,背面側にあるネジをすべて取れば,各種インタフェースを提供する基板を取り出せるようになる。![]() |
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部品面で最も大きなチップはSTMicroelectronics製の32bitマイコン「32P048」だが,この正体は不明だ。その近くにある,「M92T55 633416」と刻まれたチップの正体も分からない。
基板中央部にある「VLI210-Q4」はVIA Technologies製のUSB 3.0ハブコントローラである。
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「超多機能タブレット」的な実装のNintendo Switch
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任天堂のNintendo Switch公式情報ページ
※お詫びと訂正 初出時,Nintendo SwitchドックのUSBサポートについて,誤った情報を掲載しておりました。お詫びして訂正いたします。 ※2017年3月6日15‥30頃追記 搭載するカスタムTegraについて,初出時には﹁Tegra X1ではないか﹂としていましたが,考察を変更しました。- 関連タイトル:
Nintendo Switch本体
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