青空文庫のしくみ

青空文庫編




1997年の青空文庫



 19977
 
 ︿Open Air Shelf︿
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 青空文庫は、インターネット上のボランティア活動です。よく誤解されますが、青空文庫は当初より明確な代表を置いていません。
 現在、青空文庫は次のような運営体制で動いております。名称だけではわかりにくい、との指摘もたびたびいただいておりますので、学校の部活動になぞらえて簡単な解説も付記いたしします。

・耕作員または工作員のみなさま

日々あるいは余暇の時間を活用して、入力・校正などを世界・全国各地で行ってくださっている、青空文庫のボランティアのみなさま(部員)です。作業を始めたばかりの新人さんから長年ご協力いただいているベテランの方まで、また継続的に活動してらっしゃる方から、まとまった時間のできたときだけやるという人まで、関わり方は様々です。個人での作業が一般的ですが、グループワークという形で団体名義での活動をしてくださっているところもあります。


・呼びかけ人

学校の部活動でいうところの顧問に当たる立場になります。工作員・耕作員の活動をサポートしつつ、必要なときには全体に関わる判断や承認をします。


・点検グループ





・広報

部活動でいう渉外に当たり、青空文庫へ各方面から寄せられた取材や相談を、中心となって対応する役になります。


・会計

青空文庫の運営資金を管理する役です。サーバ費用や底本購入費・消耗品費・外部校正費などの支払いや、外部からの広告・寄付の受入れなどをしています。また青空文庫は、ネットを通じて人の集まっているボランティア団体ですが、見なし法人として法人税等も納付しています。


・Web管理

青空文庫では、データベースを活用してサイトが運営されており、その管理などを行う役になります。部活動でいうとマネージャーでしょうか。


・外部協力者のみなさま





 info reception 

 ︿︿https://www.aozora.gr.jp/guide/aozora_bunko_faq.html



 青空文庫では、ボランティアの皆さんが以下の作業を一つ一つしていくことで、作品公開に至っております。

・入力

1.入力希望者が、取り組む作品を選び、入力する底本を確保する
2.受付システムから、入力を申請する
3.点検グループが、作品が登録可能か、さらに電子化できる底本なのかをチェックして、受付する
4.入力のお願いメールが申請者に届く
5.底本を元に、申請者(とその協力者)が作品を、マニュアルに従って電子テキストファイル(以下、ファイル)にする

6.入力の終わったファイルを、奥付の画像とともに受付アドレスに送付する


・点検

1.点検グループが、送付されたファイルが青空文庫の注記形式に沿っているか、チェックする
2.必要なら、入力者に対して気づいたことをフィードバックする

3.送付ファイルを校正可能な状態に整える


・校正

1.校正希望者が、取り組む作品を選び、校正する底本を確保する
2.受付システムから、校正を申請する
3.点検グループが、校正するファイルを申請者に送る
4.ファイルの添付されたメールが、申請者に届く
5.底本を元に、申請者(とその協力者)が作品の入力に間違いがないか校正する

6.校正の終わったファイルを、校正履歴ともに受付アドレスに送付する


・公開

1.点検グループが、送付されたファイルに問題がないか、確認する
2.必要なら、校正者に対して気づいたことをフィードバックする
3.送付ファイルから、公開されるファイルを準備する

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 https://www.aozora.gr.jp/kaikei/index.html
 

・広告収入

青空文庫のトップやその他のページには、いくつかの広告が出稿されており、その収入が長年、大きな資金源となっています。青空文庫のコンテンツを利用する企業のなかには直接対価を支払いたいとおっしゃるところもありますが、青空文庫は非営利としてこれを固辞し、代わりにサイトに広告を出していただくことで、本そのものとは関わりのないところでのやりとりが成立するよう心がけています。そのため、現時点では読書の妨げになる形での広告表示は考えておりません。


・本の未来基金

2013年8月に当文庫の呼びかけ人・富田倫生さんが急逝したことを受けて、青空文庫への継続的な支援を目的として基金が設立されました。この基金の募った寄付金は、必要経費(青空文庫への支援活動の経費含む)をのぞいて、青空文庫の助成に当てられる予定です。詳しくは、「本の未来基金」のサイト(http://honnomirai.net/)をご覧ください。


・各種助成金・支援金

青空文庫は、自立した運営を目指すためにも、自ら資金を得られるようにも努めています。設立初期には、文字コードを扱う団体として研究プロジェクトを進めたり、電子図書館としてのCD-ROM配布計画を実行したりすることで、助成金や活動支援金を得てきました。今後も公募の助成金・支援金を、積極的な資金確保の手段として検討していくつもりです。


・個人による寄付





・内外からの無償提供





 



 過去の「青空文庫のしくみ」については、こちら(https://www.aozora.gr.jp/shikumi.html)にあります。





更新履歴:「青空文庫」
   1998(平成10)年4月10日
   2002(平成14)年4月8日修正
   2014(平成26)年1月1日改訂
2018年7月7日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/)で作られました。制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。




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