青ざめしわれの淫樂われの肉、 感傷の指の銀のするどさよ、 それ、ひるも偏狂の谷に涙をながし、 よるは裸形に螢を點じ、 しきりに哀しみいたみて、 をみなをさいなみきずつくのわれ、 ああ、われの肉われをして、 かくもかくも炎天にいぢらしく泳がしむるの日。 みよ空にまぼろしの島うかびて、 樹木いつさいに峯にかがやき、 憂愁の瀑ながれもやまず、 われけふのおとろへし手を伸べ、 しきりに齒がみをなし、 光る無ぶら禮いの風景をにくむ。 ああ汝の肖像、 われらおよばぬ至上にあり、 金屬の中にそが性の祕密はかくさる、 よしわれ祈らば、 よしやきみを殺さんとても、 つねにねがはくば、 われが樂欲の墓場をうかがふなかれ、 手はましろき死體にのび、 光る風景のそがひにかくる。 ああ、われのみの、 われのみの聖なる遊戲、 知るひととてもありやなしや、 怒れば足深空に跳り、 その靴もきらめききらめき、 涙のみくちなはのごとく地をはしる。