盗まれた手紙

THE PURLOINED LETTER

エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe

佐々木直次郎訳




[#ページの左右中央]


Nil sapienti※(リガチャAE小文字) odiosius acumine nimio.
 (叡智にとりてあまりに鋭敏すぎるほど忌むべきはなし)
セネカ(1)






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‘―― Un dessein si funeste, S'il n'est digne d'Atr※(アキュートアクセント付きE小文字)e, est digne de Thyeste.’

「――かかる痛ましき企みは、よしアトレにふさわしからずとも、ティエストにこそふさわしけれ19


とね。これはクレビヨン20の『アトレ』のなかにある文句なんだ」


(1)Lucius Ann※(リガチャAE小文字)us Seneca(前四ごろ―六五)――有名なローマの哲学者。
2M. Gisquet Henri Joseph Gispuet
(3)一インチの十二分の一。
(4)John Abernethy(一七六四―一八三一)――イギリスの医者。解剖学者であり生理学者であったがとくに、その奇矯な人格をもって知られていた。
(5)Procrustes ――古代ギリシャの伝説のアッティカの強盗で、人を捕えたたびごとに鉄の寝床に寝かせ、その身長が寝台より長いときはその余った部分を斬り縮め、短かければ引き延ばして同じ長さにして殺したと言い伝えられている。
(6)Fran※(セディラ付きC小文字)ois la Rochefoucauld(一六一三―八〇)――“Maximes”の筆者としてよく知られているフランスの著作家。
7Jean de la Bruy※(グレーブアクセント付きE小文字)re La Bougive  La Bruy※(グレーブアクセント付きE小文字)re
(8)Niccolo Machiavelli(一四六九―一五二七)――イタリアの政治家、著作家。
(9)Tommaso Campanella(一五六八―一六三九)――イタリアの僧侶、哲学者。
10non distributio medii ()()()()鹿鹿鹿
11)Nicholas Chamfort(一七四一―九四)――フランスの文人。箴言しんげん、警句の筆者として知られていた。
12)ラテン語の“ambitus”は「投票を依頼するために走りまわること」、「官職を得るため奔走すること」の意味であって、それから出た英語の“ambition”(野心)とは少し意味が違う。
13)ラテン語の“religio”は「注意深いこと」、「律義」、「几帳面」というような意味で、それから出た“religion”(宗教)を意味しない。
14“homines honesti”は「有名な人々」の意味で、“honorable men”(立派な人々)を意味しない。
15)Jacob Bryant(一七一五―一八〇四)――イギリスの考古学者“A New System or an Analysis of Ancient Mythology”の著がある。
16)「地獄に降るは易し」。――ヴェルギリウスの※(リガチャAE)neis”第六巻一二六行。
17)Angelica Catalani(一七八〇?―一八四九)――イタリアの有名なソプラノの歌手。
18)「恐ろしき怪物」。――ヴェルギリウスの※(リガチャAE)neis”第三巻六五八行。
19)「――かかる痛ましき企みは、よしアトレにふさわしからずとも、ティエストにこそふさわしけれ」――クレビヨンの悲劇“Atr※(アキュートアクセント付きE小文字)e et Thyeste”第五幕第四場。(アトレとティエストとの兄弟の話はギリシャの残忍な伝説であって、ティエストはアトレの妻を誘惑し、アトレはその復讐ふくしゅうのためにいつわって和解の宴を張り、ティエストを招き、ティエストの三人の子を殺してその肉を父に食わせたという)

20)Prosper Jolyot de Cr※(アキュートアクセント付きE小文字)billon(一六七四―一七六二)――フランスの悲劇詩人。“Atr※(アキュートアクセント付きE小文字)e et Thyeste”はその一七〇七年の作である。







   195126815
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   198661101559


2004515
2014329

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