笑いの歌
ウィリアム・ブレイク William Blake
吉田甲子太郎訳
緑(みどり)の森がよろこびの声(こえ)で笑(わら)い
波だつ小川が笑いながら走(はし)ってゆく、
空(くう)気(き)までが私たちの愉(ゆか)快(い)な常(じょ)談(うだん)で笑い
緑の丘(おか)がその声で笑い出す。
牧(まき)場(ば)がいきいきした緑で笑い
きりぎりすが楽(たの)しい景(けし)色(き)の中で笑う、
メアリとスーザンとエミリとが
可(かわ)愛(い)い口をまるくしてハ・ハ・ヒと歌う。
私たちが桜(さくら)んぼとくるみの御(ごち)馳(そ)走(う)をならべると
その樹(き)の蔭(かげ)できれいな鳥が笑っている、
さぁ元気で愉(ゆか)快(い)に手をつなぎましょう
うれしいハ・ハ・ヒを合(がっ)唱(しょう)しましょう。
底本‥﹁日本少国民文庫 世界名作選︵一︶﹂新潮社
1998︵平成10︶年12月20日発行
底本の親本‥﹁世界名作選︵一︶﹂日本少國民文庫、新潮社
1936︵昭和11︶年2月8日
入力‥川山隆
校正‥門田裕志、小林繁雄
2007年12月10日作成
青空文庫作成ファイル‥
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