其中日記

(十五)

種田山頭火





 







廿

 




廿

 






廿

 




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廿

 


廿

 

五月廿五日

去々来々、来々去々。

廿



廿

 







廿

 




廿


この間ブランク、それは渾沌とでもいふより外はなかつた。
“自省録”

“秋葉小路の人人”
  (身辺雑記風に)


  

  
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六月十三日

       梅雨らしく降れ。






 

西



 





宿


 









 







廿

 













廿

 









廿

 








廿

 










廿

 







廿

 




 


廿

 








西



廿

 






廿

 





廿

 







 





 

鹿



 






 








 








 










 






()





 







鹿




 


 









 


退



便便





 






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退






 






 








 



 




 






 

















 

 

 








 

宿





廿

 





槿


あるときは死なむとおもひ
あるときは生きむとねがひ
還暦となりぬ

“酒を飲む者は閑をあるじとし”
“ひとり住むほど面白きはなし”





廿

 





鹿鹿




233-15






廿

 





廿

 

退
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廿

 






廿廿





廿

 







廿

 





 









 









 









 














 





 











 















 



 












 


宿





機関銃隊真夏の真昼まつしぐら
  水をよぎり駈足で行く








 











 







何をくよ/\川端柳
米山さんから雲が出た……









 



 








 


姿




  





 






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廿

 











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廿

 




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廿

 











廿

 







槿



市井雑記のうち――
裏の子供ら、“汝の性のつたなきを泣け”
――雲はなぜ動くの――子供の疑問。
――お月様が駈けつとる、とつてやろ――おなじく。
ある娘





廿

 




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廿

 







廿

 










廿

 






















 
 


   

   



廿

 


















廿

 


稿






・およそ誠意のないところに友情は成り立たない。
 わざとらしさを去れ。
・酒は三合、ビールならば二本、ほろ/\酔ふたらそのまゝ睡るべし、その他の火酒は口にすべからず。
・つゝましく、けち/\せずに。
 のび/\として、くよ/\しないで。




 



※(「火+主」、第3水準1-87-40)




 









 















 



 











 
   



 







 






 





   








 















    



 



鹿















 












 






・ルンペンとハンカチ
 彼は或る朝早く香水ひんぷんたるハンカチを拾つた。……
ダンサマ
 こんな言葉――それは封建時代の残滓だ――がこのあたりの人々の間にくりかへされてゐる。







 








 




稿









 












 








稿


      
 
      
      
  
      






 




 








  
  
    



 

調


   秋葉小路をうたふ(一)
うらのこどもは よう泣く子
となりのこどもも よう泣く子
となりが泣けばうらも泣く
泣いて泣かれて明け暮れる

感動と句作
良心的生活
日本人的気魄

――私は俳句を人生で割り切つた(と自信してゐる)、そして人生を俳句で割り切らうとしてゐる、果してそれが私の可能か不可能かは解らないが、私は全心全身で精進してゐる。

現実的抒情――俳句の本質
日本的詩情
民衆的(必ずしも大衆的を意味しない)
日本人的気魄

ぐつと掴んでぱつと投げる






 











 












稿
 
















 




退






[#「木+霊」、282-1]

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便







  自嘲一句
酒飲めば涙ながるるおろかな秋ぞ
・貧乏は物そのもののねうちを解らせてくれる。
 そして物そのもののあぢはひをも。
 稲さま、ありがたい言葉である。
・私共はお天道様の光と親の光で育ちました、――と前の家の小母さんが誰かと話してゐたが、今だつてさうである。




 










・つら/\生き物の世界を観ずるに、およそこざかしきものは人間なり。




 


















廿

 












 




   
       
   
       
  
  
 
  
  
   
     
     1,00
      
   
 
  
 
  
   
   





廿

廿 


















廿

 







稿






廿

 











廿

 










廿

 





 100 
 100 
 100 
 100 
 050 
 150 
 300 
 150 
 020     1070
 040 
 045 11,550
 080 
 040    11,750
 100 
 080    14,550
 050  15,050
 100    16,050
 150  17,550
10,000      18,550






底本:「山頭火全集 第九巻」春陽堂書店
   1987(昭和62)年9月25日第1刷発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※複数行にかかる中括弧には、けい線素片をあてました。
※「100 宇」から「10,000      18,550」までの最後の横組部分は、縦組の中の横組ではなく、底本そのものが横組になっています。
入力:小林繁雄
校正:仙酔ゑびす
2010年7月6日作成
2011年1月17日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。







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JIS X 0213

JIS X 0213-


「けものへん+丑」    233-15
「木+霊」    282-1


●図書カード