愛卿伝

田中貢太郎




 ()()()()()()()()()()()()()()()()()※(「りっしんべん+(「甍」の「瓦」に代えて「目」)」、第4水準2-12-81)()()()
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画閣がかく東頭とうとう涼を
紅蓮こうれん白蓮はくれんかぐわしきにかず
りん明月めいげつ天水てんみずの如し
いずれのところしょうを吹いて鳳凰ほうおうを引く

月は天辺てんぺんに出でて水は湖に在り
微瀾びらんさかしまに浸す玉浮図ぎょくふと
すだれげて姐娥そがと共に語らんと欲す
あえ霓裳げいしょうきょくを数えんやいな

手にろう双頭そうとう茉莉まつりの枝
曲終って覚えず鬢雲びんうんかたむくことを
珮環はいかん響く処飛仙ひせん過ぐ
願わくは青鸞せいらん一隻を借りてらんことを

曲々たる欄干らんかん正々たるへい
しゅころも薄くして来りるにものう
夜更けて風露ふうろ涼しきこと如許いくばく
は在り瑶台ようだいの第一層に
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 調()()
 

 
 ()()()調
恩情功名を把りて誤らず
離筵りえんまた金縷きんるを歌う
白髪の慈親じしん
紅顔の幼婦
君去らば誰あって主たらん
流年幾許いくばく
いわんや悶々愁々
風々雨々
ほうくだらんわか
未だ知らずいずれの日にか更にあいあつまらん

君が再三分付ぶんぷするを蒙り
堂前に向って侍奉じほう
辛苦を辞するを
官誥かんこう花をばん
宮袍きゅうほうにしきを製す
妻を封じ母を拝するを待たんことを要す
すべからく聴取すべし
おそる日西山にせまって愁阻を生じ易きことを
早く回程かいていを促して
綵衣さいい相対あいたいして舞わん
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 退()()
 
便
 

 
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 ※(「号+鳥」、第3水準1-94-57)
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 使()

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鹿

 

 

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姿
 
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 姿姿()
 ()()()()調
一別三年
一日三秋
君何ぞ帰らざる
記す尊姑そんこ老病ろうびょう
みずか薬餌やくじを供す
けいを高くして埋葬し
みずか麻衣まいを曳く
夜は燈花をぼく
あした喜鵲きじゃくを占う
雨梨花あめりかを打って昼扉ひるとおお
誰か知道らん恩情永くへだた
書信全く稀ならんとは

干戈かんか満目まんもくこもごもふる
いずくんぞ命薄く時そむ
禍機かきんで鎖金しょうきん帳底ちょうていに向う
猿驚き鶴怨む
香羅巾下こうらきんか
玉と砕け花と飛ぶ
三貞を学ばんことを要せば
すべからく一死をつべし
旁人ぼうじんに是非を語らるることを免る
君相念いて算除さんじょせよ
画裏に崔徽さいきを見るに非ず
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 調()
 
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   19876256

   197045
5-86
Hiroshi_O
noriko saito
20041214

http://www.aozora.gr.jp/




●表記について