石仏

THE STONE BUDDHA

小泉八雲 Lafcadio Hearn

林田清明訳





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 この言葉には胸をかれるのではないだろうか? 西洋の天国の救いや天上の愛に関する、かくも長き清らかな夢から虚しく目覚めることになるという見込みは、人間にとってありうべき最も暗い予想とはならないだろう。すでに東洋の思想が暗示している、もっと暗い予想がある。科学も、リヒターの夢――死んだ子どもたちがその父なるイエスを空しく探し求めているという夢が実現するよりも、もっと身の毛のよだつような発見を私たちに用意しているかもしれない。唯物論者の否定においてすらも、個人の終焉や永遠の忘却を自ら保証するという――ある種の慰めの信仰があった。しかし、現在の思想家にとっては、そのような信仰もない。この小さな世界で行き当たるあらゆる困難を乗り切った後にも、それをさらに超えて克服すべき艱難辛苦が私たちを待ち受けていること――しかも、この苦難は、現世のどの体系システムよりも広大であり、かつ何千億というおびただしい体系システムを持っている、想像すらつかないような「大宇宙コスモス」よりもはるかに重大であることを私たちはこれから学ばなければならないだろう。また、私たちの仕事はしょいたばかりであること、さらに、言いようのない、また想像も及ばない「時間」という救い以外には、わずかな救済の可能性すらも私たちには与えられはしないだろうということを、まだ学ばずにいる。また、つぎのいくつかのこともさとらなければならないだろう。すなわち、私たちが免れることのできない生と死の無限の輪廻りんねは、他でもない私たち自身が創り出したものであり、のぞんで求めたものに他ならない、そして、いくつもの現世を統合する力とは「過去」に犯した罪過であることをである。さらに、永遠の後悔とは、飽くなき欲望が永久に満たされることがないという飢餓感にすぎないこと、また、燃え尽きた太陽を再び燃え上がらせるのは、消滅したおびただしい生命の不滅の情熱によってのみであることを悟る必要がある。

訳注
(1)一八七一(明治四)年五月に公布された古器旧物保存方を指すと思われる。美術工芸品(宝物、仏像、祭器)、武器、農具、衣服装飾、遊戯具、化石など品目をリストして保存を求めたが、なお十分ではなかった。このため、一八九七(明治三〇)年には古社寺保存法が制定された。
(2)「私たちが今日あるところのすべてのものは、私たちが考えてきたものの結果にすぎない。それは私たちの思想に基づいている。それは私たちの考えから成っている。」という意味である。





翻訳の底本: "THE STONE BUDDHA", in OUT OF THE EAST AND KOKORO, by Lafcadio Hearn (The Writings of Lafcadio Hearn, Large-paper ed., in sixteen volumes vol. 7), Rinsen Book, 1973.
Reprint. Originally published. Boston: Houghton Mifflin, 1922.
   上記の翻訳底本は、著作権が失効しています。
翻訳者:林田清明
   2012年9月2日青空文庫公開
入力:林田清明
2019年3月1日作成
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