大菩薩峠

農奴の巻

中里介山




         

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この者、農奴の分際を以て恣にてうさんを企てたる段不埒ふらちにつき三日の間晒し置く者也。
 
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「コノ者、農奴ヨリ出世ノ身ニカカハラズ、農民搾取ノ本尊元凶タル段、不埒ふらちニツキ、梟首申シツクルモノなり
 

         

 
 
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Campanera 


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とめのお地蔵様
つんぼで、めくら
いくら拝んでも
聞きゃしない――
 これは無意味なるイントロダクションに過ぎない――
ハウイットの説によると
オーストラリヤ内地の土人は
できるだけ多数の妻をめとるが
これはただ性慾関係ばかりでなく
生活の必要から来ている
なぜといえば
夫は独身の青年に
おのが妻を貸し与え
そうして報酬を取って
己が財産を殖やすことを
するからである
 それを田山白雲が聞きとがめて、
「茂、何だ、それは」
「わかりません」
と言って、箒を扱いながら、箒の方はお留守になり、
ヴォルテールや
シオペンハウエルや
その他の多くの学者の
説によると
多妻を好むのは
人類の本能である
そうです
と、演説口調になったかと思うと、急に会話体に砕けて来て、
いや、人類ばかりじゃないです
若い牡鹿おじかは自分の力で
できる限り多くの雌を
手に入れるまで闘い
他に自分よりも有力な
敵が現われて来るまで
その多数の雌を
独占しているのだそうです
 こう言ったかと思うと、また言葉をひるがえして、一種の高調となり、
モハメットは
十一人の妻を持っておりました
彼は最もはじめに、富める主家の後家さんに
愛され且つ愛しました
その後家さんは
モハメットよりも年上で
モハメットは彼女の雇男で
彼女のために駱駝らくだ
っておりました
その女主人の名を
ハデジャと申しました
とても二人は愛し合ったのです
女主人と雇男とが
ですから
その女主人と愛し合っているうちは
モハメットは
決して他の女をば見立てませんでした
本来
モハメットは、若い時分は
身体からだが丈夫で
そうして品行が正しかったのです
女主人と愛し合ってからも
その女主人が存命中は
決してほかの女を愛しませんでした
 ()()調()



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ウエスター・マークの
言うところによると
印度インドのある国では
四人五人の男の兄弟があって
その総領が年頃になって
お嫁さんをめとると
次の弟が年頃になると
そのお嫁さんがまたその人の妻になる
その次の弟が年頃になると
またその弟の妻になる
そういう順序で
一人のお嫁さんが
六人の男の妻となっている
そういう風俗があるそうです
またシーザアが
古代ブリトン人に就いて
言った言葉の中に
彼等は十人か十二人の夫
ことにそれが兄弟同士
または親子同士で
一人の妻を共有にしている
と書いてあるそうです
 高らかに歌ったかと思うと、急に反身そりみになって、
一夫多妻の国では
一妻多夫を野蛮だと申します
一妻多夫の国の女は
一人の女が一人の夫しか持てない
そんな不自由な国には
住みたくないというそうです
土地のならわしで
道徳上から一概にかれこれ言えないと
駒井先生が
お松さんに向って
話しているのを
わたしは聞きました
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マルコポーロの
旅日記というのを
見ると
やっぱり多数の男が
一人の細君を共有しているところが
多いそうです
一人の女が
多くの夫を持つという習わしは
たいていは
その国の女が少ないか
そうでなければ
地味のせた
生活が苦しい国にあるそうで
その必要に迫られて
そうなるのだそうです
ですから
この国の風習を以て
直ちにかの国の風習を
不道徳なり
非文明なり
非人道なり
野蛮なり
ときめることは当りません
土地と
人口と
歴史と
習慣とがさせる業で……
 調
さて皆さん
これを現在
わたしたちが
一王国となして
乗込んでいる
この無名丸の社会と
引きくらべてみたら
どうでしょう
実際問題ですよ
御承知の通り
この船には
男が多くて女が少ないです
男は美男子の駒井船長をはじめ
豪傑の田山白雲先生
豪傑の卵の柳田平治君
だらしのないマドロス君
房州から来た船頭の松吉さん
同じく清八さん
同じく九一さん
月ノ浦から乗込んだ平太郎大工さん
同じく松兵衛さん
漁師の徳蔵さん
それから、今はいないが、いつかこの船に帰って来るはずの
何の商売だかわからない七兵衛おやじ
それに、若君の登さん
つんぼの金椎君キンツイくん
さて、しんがりに
かく申す清澄の茂太郎も
これで男の端くれなんです
かく数えてみますると
この無名丸の中には
男と名のつく者が
都合十三人
それなのに女というものは
登さんのばあやさん
お松さん
それからもゆるさん
その三人きりなんです
十三人の男に
三人の女――
もし駒井船長が
理想の、人のいない島を求めて
そこに一王国を作るとしたら
いま申す
世界のドコかの国と同じような
女が不足の国になります
そうなりますと
女を奪い合わない限り
その割りふりがむずかしい
実際こんなむずかしいことはない
マドロス君だけが
もゆるのお嬢さん一人を占有して
それでいいと誰が言います
ですから
駒井船長の考えはエライけれども
早晩この間に
もんちゃくが起らなければ
起らないのが不思議です
いや、不思議ではない
もう起っているのです
それは誰々だと申しませんが
マドロス君一人が
いい気になっている
それをねらっているものが
たしかにこの船には二人以上あるのです
わたしは
それを何とも言えない
マドロス君だけが
もゆるのお嬢さん一人を
誘惑してそれでいいと
誰が言います
早晩
はげしい争闘が必ず起ります
いや、もうすでに起りつつあるのです
 


         


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 稿
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 ※(「「分/土」」、第4水準2-4-65)()
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すでに夜も明け方になりしかば、武蔵坊弁慶は居たところへずんと立ち、いつも好むかちん直垂ひたたれ、水にをしどり脇楯わきだてし、三引両みつひきりやう弓籠手ゆごてさし……
と、お能のうたいに似て、あれより勇健質朴な調子も出て来る。そうかと思うと、
よいはさつさ――あめの岩戸も押開く、神の社に松すゑて、すは三尺のつるぎをぬいて、神代かみよすすめて獅子ししをどり……
 御自慢の獅子舞をここへ持ち込むものもある。飛び離れたのは、
うやまつて申し奉る、笛によるの秋の鹿、つまゆゑ身をばこがすなる、五人女の三の筆、色もかはりて江戸桜、盛りの色を散らしたる、八百屋やほやの娘お七こそ、恋路の闇のくらがりに、よしなき事をしいだして、代官所へ申し上げ、すぐにお前へ引き出す……
と、江戸前のところを一席うなり出して、やんやの喝采かっさいを受ける者もあると、一方から負けない気になって、
コレお半、ここは三条愛宕道あたごみち、露の命の置所おきどころ、草葉の上と思へども、義理にしがらむこの世から、やいばでも死なれぬ故、淵川へ身を沈めるがせめても言訳いひわけ、あとに残せしわが書置、さぞ今頃は女房が……


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万人堂まんにんどう
杉のスッポンコラ
槍のようで
さジョや、てんとさま
オカなかろう
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 宿
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  姿()()()




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 姿()()※(「目+爭」、第3水準1-88-85)()

 

 




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「又西洋一流ニ、水ニ溺レタル婦女ハ、必ズ救ヒクレタル人ヲ一生嫌フモノニ候、オ角トイフ興行師ガ、房総海ニテ難船シ、浜ヘ打上ツタ所ヲ駒井甚三郎等ニ見出サレ、介抱サレ、引取ラレ、たちまチ駒井ニ愛恋スル所アリ、コレハ西洋流ニ申セバ有リ得ベカラザル事ニ御座候、日本ノコトハ知ラザルモ、難産ヤ、子宮患ナラ、命ヲ救ヒクレタル医者ヲバ、其婦人ハ一生嫌ヒ、途上ニ会フモ道ヲ避ケテ通レル事、何カノ川柳ニ見及ビタル事アリ、小生ノ宅ノ筋向フノ淵下(明治八、九年迄)毎夏入水じゆすいノ女アリシ、小生何事モ知ラズ走リ行キ見ルニ、女ノ屍ヲ発見セシ男又ハ見物ニ来タル男ハ必ズソノ秘部ヲノゾキ見ルナリ、コンナ心配アル故、一生溺レタ女ハ救ヒクレタル男ヲ避ケ嫌フ事ハ、日本モ西洋モカハリナキト存候、もつとモアイリッシュノ婦女ナドハ、裸体ヲ見ラレ、浴場ヲ覗ハレタ上ハ、必ズ其男ノ申シ出ヲ拒マズ、川村トテ明治十八、九年、米国ニ留学セシ男ガ、アイリッシュノ若キ女ノ入浴ノ処ニ行合ハセ、別ニノゾカザリシモ、ソノ女ニススメラレ結婚シ、ソレヨリ非常ニ淪落シ、窃盗罪デ告発サルルニ到リシ事アリ、コレハ既ニ見ラレタル上ハト焼ケ糞ニナル事ト存候(印度モ同風アリ、賤民ガ死人ノ中ニ臥セル所ヘ、方術ヲ修メニ行キシ王女ガ既ニ裸体ヲ見ラレタル上ハト王ガ、其王女ヲ乞食ノ妻トセシコト仏経ニ見エ候)」
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「現に相州の生麦村に於て、薩摩っぽうが、無礼者! てんで、毛唐を二人か二人半斬ったはよろしいが、その代りに、みすみす四十四万両てえ血の出るような大金を、異国へ罰金として納め込まにゃなりやせん、長州の菜っぱ隊が、下関で毛唐の船とうち合いをして、日本の胆ッ玉を見せたなんぞとおっしゃりますが、その尻はどこへ廻ってきたりましょう、みんな、徳川の政府が、このせち辛い政治向のお台所から、血の出るような罰金として、毛唐めに納めなきゃあならない次第でげす――そこへ行きますてえと、何といってもエライのは日本の絹と、ラシャメンでげすよ、日本の絹糸は、どしどし毛唐に売りつけて、こっちへ逆にお金を吸い取って来る、それからラシャメンでげす、ラシャメンというと品が下って汚いような名でげすが、名を捨てて実を取る、というのがあの軍法でげしてな」
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tatsuki

2004222

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