「緑の騎士」ノート

宮本百合子




一、リュシアン
 6060退
○父はヴァン・ペテールス・ルーヴェン会社組合員、ブルジュア。名銀行家
○リュシアンは槍騎兵二十七連隊付少尉となる。(月に99[#「99」は縦中横]フランかせぎたい 一個人間として自信をもちたい)
○リュシアンはナンシーにゆく。陰気で保守的な反政府的(反ルイ フィリップ)な反ブルジュア的な王党派の町。くさるリュシアン
○小麦商ボナール氏のところに部屋をもった。前には中佐侯爵が住んでいた。それを知らずにリュシアンはかわって反感をもたれてる
〔欄外に〕
 マクシミリアン・ラマルク 1770―1832 はナポレオン帝政時代の名将軍 七月帝政時代にも反対派代議士として有名 コレラで死 葬式が暴動のキッカケとなった ジャンヌ一揆二日間。
○ルシアンの性格は英雄主義 父の曰く

 p.79 


   
   
  
  p.91
             
 

 


p.95

  
p.114 
 chapter
  


 
     
 
 p.98


     

 

p.167 
   
   
p.279  
  
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p.306 

     

 
p.87 





○p.229 位階あるものが能ある者に対する憤懣。これが十九世紀を悒ウツにしている。
○p.274 エスイタ式教育のギセイになっていた。つまり、彼女は自らを欺いたのだ 彼女はサクレ・クールでひとを欺く術を習った。
○p.346 十八歳のごくつまらない青年が、――

  当今大流行の、女を軽蔑するという習慣をもっている――


     スタンダールの描写

一、パルムの僧院では ウォータールーがおどろくべきものだった。
二、緑の騎士では p.320 以下ナンシーから八里へだたっているN町の機械工弾圧の光景描写
  職工町がすべてとざされて、町の水のみ場の水は猫の死屍でよごされて、八月の炎天の下にくるしむ兵卒 ゾラより Vivid だ。

〔欄外に〕
 スタンダールの小説にある真の新しさ 人間性の追求とその方法の追求。エゴーの分析 リアリズム
 古き十八世紀風なもの 社会的場面の描写 特にサロン


     スタンダールの帝政時代観

 (緑の騎士)
p.28 リュシアンの入った第三師団管轄区の査閲を拝命した伯爵N中将について。
p.29 N伯爵の風采について。
 ――そこには何か一抹の虚偽がうかがわれ、帝政時代とその屈従的精神とを経験した人間らしいところが見られた。一八〇四年以前に他界した英雄どもはまことに仕合わせものだ!
p.30 テランス男爵

 ――彼も戦場では勇敢そのものであったが 帝政時代となってからは、その自信を失った。


     スタンダールのアメリカ観 共和主義者観

 「緑の騎士」No.1
p.80 リュシアンは二つの手紙をうけとる
 一通は おどかし 行李をまとめてうせろ
 一通は 共和主義者 ヴァンデックス等から。
 リュシアンは
p.82「ヴァンデックス輩と同じ思想をいだくほど、過激な正義心をもち合わせていない。なるほど アメリカへ行けばまことに正しい合理的この上ない仲間入りは出来るだろう。しかしそいつらには品がなくてしょっちゅうドルのことしか頭にないのだ

〔欄外に〕
スタンダールのアメリカ「赤と黒」
「選挙のために靴やにつべこべするアメリカ」という風


p.82   p.83 p.85
p.85 しかし一方民衆におべっかを使うなどということは、おれの力じゃ到底出来ん。アメリカじゃそれが必要だそうだが――

p.86 

     スタンダールの田舎町観

 「緑の騎士」
p.73 田舎では階級同志が敵視しあっていて その間には ごく間接的にでさえ全く交渉というものがない。
p.164 田舎にはまだ熱情が存在しているから。――ここにこそ田舎が幸福である所以のものがある。
p.328 田舎というものは なにごとにつけても猫をかぶらなくては生活できないのだから。

p.223 スタンダールの社交界観






 
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2004215

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