作画について

上村松園




 

 ※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)

 

 

 
 

 
 

 

 

 

        



 

 姿

 
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露をだにいとふ大和の女郎花
   降るあめりかに袖はぬらさじ
 という辞世の一首を残して、自害した日本女性の大和魂を示した気概ある女性であります。

 当時アメリカ人やイギリス人と言えば幕府の役人まで恐れて平身低頭していた時代で、これも何かの政策のために、そのアメリカ人に身を売らされようとしたのでありましょう。
 それをアメリカ人何ぞ! という大和女性の気概をみせて、悠々と一首の歌に日本女性の意気を示して死んで行った亀遊の激しい精神こそ、今の女性の学ばなくてはならぬところのものではないでしょうか。
 女は強く生きねばならぬ――そういったものを当時の私はこの絵によって世の女性に示したかったのでした。

 亀遊のこの歌をみるごとに、私は米英打つべし! を高らかに叫んだ水戸の先覚者、藤田東湖の歌を想い出すのです。
かきくらすあめりか人に天日あまつひ
   かゞやく邦の手ぶり見せばや
神風のいせの海辺に夷らを
   あら濤たゝし打沈めばや
 
 

 
 
 

 

 

 

 
 

        


 

 
 

 

 
 

 
 
 姿

        



 姿
 

 
 

 使
 
 姿

 
 
 

 




        

 
 

 
 
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 姿

 姿

 





底本:「青眉抄・青眉抄拾遺」講談社
   1976(昭和51)年11月10日発行
入力:鈴木厚司
校正:川山隆
2007年4月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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