編輯室より(一九一六年二月号)

伊藤野枝




便
□欧洲戦争の為めに洋紙の価が非常に高くなりまして此の頃では以前の倍高くなりましたので情ない私の経済状態では思ふやうな紙も使ひきれなくなりましたので今月からはずつと質をおとしましたけれども、それでも価の点では以上のいゝ紙よりまだ高い位です。だんだんにまだ高くなりさうですがそれではとてもやりきれませんので今月から少し頁数を減じました。しかし出来るけの頁数はとりたいとおもひます。
()稿
□野上さんがこれから本号にお出し下すつた題で続けていろ/\なものを書いて下さるさうで御座います。来月号は哥津ちゃんも久しぶりで書いて下さることになつてゐます。
□二月中旬頃か三月にはいつてからか、皆様の御都合のよさうな時に在京の方々と一度集まつて見たいと思つてゐます。
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□来月号からは、今月内には皆様のお手許に届く位に早く編輯いたしますつもりです。何卒、今月号の後れましたことをお許し下さいまし。

[『青鞜』第六巻第二号、一九一六年二月号]






底本:「定本 伊藤野枝全集 第二巻 評論・随筆・書簡1――『青鞜』の時代」學藝書林
   2000(平成12)年5月31日初版発行
底本の親本:「青鞜 第六巻第二号」
   1916(大正5)年2月号
初出:「青鞜 第六巻第二号」
   1916(大正5)年2月号
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※ルビは新仮名とする底本の扱いにそって、ルビの拗音、促音は小書きしました。
入力:酒井裕二
校正:雪森
2017年3月11日作成
青空文庫作成ファイル:
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