横臥合掌

富永太郎




病みさらぼへたこの肉身を
湿りたるわくら葉に横たへよう

わがまはりにはすくすくと
節の長き竹が生え
冬の夜の黒い疾い風ゆゑに
茎は戛々の音を立てる

節の間長き竹の茎は
我が頭上に黒々と天蓋を捧げ
網目なすそのひと葉ひと葉は
夜半の白い霜を帯び
いとも鋭い葉先をさし延べ
わが力ない心臓のかたをゆびさす






   1975507101
   1984591016

   1971461


201437

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