緒言
此の集を出すに方つて、子規居士と余との関係を思ひ出さずに居られぬ。居士は余の俳句の指導者である。而して是れは誰れも知る所で、今、改めて言ふの要もないから嘗て居士の生前に余の物した一二の文を摘記して、いさゝか今昔の感を叙する代りとした。
元日や仏に成るも此の心
しぐるゝや母屋の小窓は薄月夜
初霜を戴き連れて黒木売
から/\と日は吹き暮れつ冬木立
吹きはづす板戸の上を霰かな
下の子規居士の画と句とは居士の病革まる少し以前に乞ひ得たもので永き紀念として附載した。(編注 本集では割愛した)
此の集の編纂に就いて水巴子の労を執られたことの多大なるは余の深く感謝する所である。
鳴雪記
新年の部
元日 元日や一系の天子富士の山
四方拝 四方拝果てゝや木々に風渡る
朝拝 朝拝や春は曙一の人
粥杖 粥杖に冠落ちたる不覚かな
書初 青楼に酔ひて其角が試筆かな
喰積 喰積もなくて酒のむ蜜柑十
輪飾 輪飾や吾は借家の第一号
打ちつれて夜の年賀や婿娘
福引 福引やひく手数多の主は誰れ
万歳 万歳や古き千代田の門柱
春駒 春駒や美人もすなる物貰ひ
鳥追 鳥追や柳の軒端梅の門
水祝 十郎の後ろ姿や水祝
薺 俎に薺のあとの匂ひかな
摘むや薺小町の墓を二めぐり
初鴉 我庵は上野に近く初鴉
雑
弁天の巳年美し町の春
許されて色著る春の旦かな
種瓢の発刊を祝して
洛陽の紙の価や筆始
青年と酒汲みて
筆はじめ我が斑白の髭染めん
春之部
時候
二月 梅散りて鶴の子寒き二月かな
春寒 柑子むく妹が爪先春寒し
日永 永き日や鈍太郎殿の手車
伐り出だす木曾の檜の日永かな
春夕 瑞籬や狐子を生む春の夕
春宵 臥し慣れて左枕や宵の春
春夜 春の夜の靱つくろふ女かな
春の夜の鳩のうめきや絵天井
行春 行春の鴉啼くなり女人堂
人事
彼岸 乞食の子も孫もある彼岸かな
雛 古雛の衣や薄き夜の市
一年や虫糞払ふ雛の衣
地震ふつて雛天上より落ち給ふ
大凧の静かに下る雨の中
畑打 山畑は月にも打つや真間の里
壺焼 壺焼の壺傾きて火の崩れ
天文
淡雪 淡雪に月も二日のあはれなり
春風 曳き連るゝ恩賜の駒や春の風
陽炎 陽炎や石の八陣潮落ちて
景清の番傘さして春の雨
春雨や蓬の宿の白拍子
春雨に牛やるといじもいじかな
朧月千人斬の噂かな
浅茅生の宿と答へて朧月
地理
山笑ふ 夕嵐山は笑はずなりにけり
春の川 春の川手紙まろめて流しけり
水温む 桶に浮く丸き氷や水ぬるむ
焼山 焼山の歯朶ぱち/\と終夜
焼野 野は焼けて妻と籠らん蔭もなし
苗代 子鴉や苗代水の羽づくろひ
苗代に夕風渡る緑かな
動物
猫の恋 玉とつてまだ恋知らぬ小猫かな
猫塚に恋草生ふる小雨かな
鶯の声聞きしより妻孕み
鶯の大根畑に初音かな
雲雀 子雲雀や比叡山颪起ちかぬる
囀り 囀りのひねもす南枝北枝かな
雀子 雀子や走りなれたる鬼瓦
若鮎 若鮎のそれほど水は早からず
蛤 汁椀に大蛤の一つかな
蝶 蝶々の慕ふ花輪や棺の上
蚕 蚕棚守る行燈暗し物の本
葉がくれに白う肥えたる蚕かな
里の女や蚕飼の神の朝詣
庭の木に山繭買ひし葉のこぼれ
植物
梅 夕月や納屋も厩も梅の影
野の梅や折らんとすれば牛の声
鉢に咲く梅一尺の老木かな
垣越えて梅折る人や明屋敷
梅散りて狐啼くなり経王寺
白梅は兄紅梅は姉にこそ
胡砂吹くや梅なき国の砦守
招牌や銭とる家の梅の花
紅梅や司たまはる古匠
桜 奈良阪や桜に憩ふ油売
小謡や桜月夜の二条衆
賭弓や女もまじる山桜
人恋し夕山桜黒本尊
遠乗や桜かざゝぬ人もなし
懐中の二分に桜の夜明かな
夜嵐や桜散り込む鐘ヶ淵
風呂の戸を出づれば桜吹雪かな
炭竈は雨にくづれて遅桜
牛の角すぼめて通れ花の中
花一山紫衣の僧あり若衆あり
山門や左右に花の十二坊
花暮れて二条わたりの犬の声
朝の雨花は一重ぞ哀れなる
帯かばふ女心や花の雨
火熨斗する花見衣やよべの雨
散る花に内道場の灯かな
伴僧が味噌に摺込む落花かな
掃き落す屋根も籬も落花かな
うたゝ寝の覚むれば桃の日落ちたり
桃の小径手拭首に里女
木蓮花 此門の勅額古し木蓮花
躑躅 躑躅ぬけば石ころ/\と転がるよ
明樽の躑躅淋しや二百文
躑躅活けて女経読む山の中
柳 船曳のあたまで分ける柳かな
荷車の柳曳きずる埃かな
橋の柳雪駄直しの日は落ちぬ
とらまへて衣売る店の柳かな
菜の花 菜の花や絵馬つけて行く小荷駄馬
水草生ふ 水そよ/\池の水草生ひそめぬ
竹の秋 竹の秋月に小督の墓掃かん
春草 公事勝ちし己が畑や春の草
海苔 新海苔の麁朶による波よるさへや
雑
賺されし笑薬や春の宿
夕月やこゆるぎ戻る春の人
烏帽子著て舟さす人や春の池
俳句大観に題す
大千や爛々として春の星
天明俳句集に題す
中興の春や一草一木も
無常
此春は凧飛ばしたる人もなし
波字春季結
天地丸日永の波に浮かべけり
梅若忌
春雨の一日は稚児に泣く日かな
此頃の志士が口真似して
炭を嘗め薪に臥す世ぞ二日灸
戦死せし某の遺吟を整理して
落椿赤き心を拾ひけり
上野にて
初花や西郷どんは尻向けて
品川
誰が占めて天王山の花の幕
偕楽園
一泉一石昔ながらの桜散る
紅緑の新婚に
偕に寝て桃の日南の暖く
俳調の変易に感じて
菊は古るし人形つくる躑躅かな
俳諧月令筌に題す
月花や人生三万六千日
夏之部
時候
五月 大沼や蘆を離るゝ五月雲
カンテラや明易き夜の道普請
短夜を援兵急ぐ山路かな
短夜や百万遍に朝日さす
暑 午睡さめて尻に夕日の暑さかな
涼しさや妹が水干立烏帽子
遺言も涼しき老の枕なか
人事
幟 矢車に朝風強き幟かな
初幟こゝにも日本男児あり
矢数 大矢数太郎いまだ冠せず
田植 入海や磯田の植女舟で来る
竹植る 植ゑ終へて繩ほどきたる葉竹かな
夜振 町中や夜振戻りの頬被り
蟲干 蟲糞や本箱叩く土用干
納涼 夜納涼や糺の川辺人白し
江楼に納涼の宴や燭あまた
海中の岩飛びわたる納涼かな
行水 行水の巫女に慣れよる小鹿かな
青簾 青簾鯉の庖丁見そなはす
更衣 更へ/\て我世は古りし衣かな
帷子 帷子の洗ひ晒しや三葵
夏帽子 夏帽の紐噛みとめる嵐かな
日傘 さしつれて若紫の日傘かな
蚊帳 釘うつて蚊帳吊る主まうけかな
暁の片足出たる蚊帳かな
十哲のあたま集むる蚊帳かな
夕月や蚊帳の浪よる妹が顔
風入れて揺き出でたる紙帳かな
鮓 鮓つけて真清水に手を洗ひけり
葛水 葛水や百雷臍を下りけり
梅酢 揉み出だす唐紅の梅酢かな
天文
五月雨 五月雨の狐火うつる小窓かな
出水して橋守る声や五月雨
五月雨の荷物著きたる戸口かな
五月雨や蓑笠集ふ青砥殿
五月雨に燭して開く秘仏かな
夕立 日は峰に夕立つ杉の木の間かな
青嵐 青嵐云ふ師は薬を採り去ると
風薫る 風薫る袖や社参の那須七騎
雲の峰 雲の峰裏は明るき入日かな
雷 池に落ちて水雷の咽びかな
地理
夏山 夏山の城あり/\と夜明けたり
野狐の尾をひたし去る清水かな
ばた/\と鴉むれ居る清水かな
動物
時鳥 月がさす厠の窓や時鳥
金魚 貰ひ来る茶碗の中の金魚かな
螢 船頭の夕飯照らす螢かな
蚤 朝夷奈の蚤とりかぬる鎧かな
水馬 水馬一つ処を上りけり
植物
百日紅 怠らぬ棒の稽古や百日紅
若葉 切り据ゑて桐ふし/″\の若葉かな
夏木立 駆けぬける汽車の嵐や夏木立
青梅 垣越しに梅の実くるゝ女かな
林檎 盛物に林檎のつやゝ仏の灯
若竹 二日月うら若竹の影もなし
牡丹 臨幸を乞ひ奉る牡丹かな
牡丹画く筆端に紅の雫かな
蝦夷菊 蝦夷菊や古き江戸絵の三度摺
昼顔 昼顔や蓬の中の花一つ
夕顔 夕顔や馬洗ひ居る武士の妻
葛の花 玉葛の花とも云はず刈り乾しぬ
菖蒲 村雨の菖蒲分け行く田舟かな
麦 買臣が錦に麦の埃りかな
蓼 蓼摘て厨へ走しる少女かな
麻 麻畑百姓ありて欠びかな
雑
桐芽の男子をまうけたるに
五月鯉吹き出だしたる此子かな
人を悼む
五月雨に濡れて飛び行く魂もあらん
牛伴送別
行雲や五十三亭さみだるゝ
定靖君の新館
此窓に何読み給ふ若楓
上野徳川廟
夏木立五代の御霊鎮まりぬ
秋之部
時候
七月 瘧落ちて文月の夜の灯かな
立秋 目薬に涼しく秋を知る日かな
初秋 初秋の折ふし須磨の便りかな
朝寒 朝寒や三井の仁王に日の当る
夜寒 寝返れば夜寒の簀子音すなり
山越えや馬も夜寒の胴ぶるひ
此道に石泣くといふ夜寒かな
戸の外に折檻の子の夜寒かな
馬方の馬に物云ふ夜寒かな
湖に山火事うつる夜寒かな
異見すんで子の立ち去りし夜長かな
長き夜や僧となるべき物思ひ
一日の日記しるして夜長かな
小大工が飯喰ふ秋の夜長かな
秋晴 秋晴れて五重の塔の掃除かな
二百十日 堂嶋や二百十日の辻の人
行秋 行秋に狐つきたり鍛冶が弟子
行秋や不破の関屋の臼の音
行秋の天西南に傾きぬ
人事
七夕 七夕を寝てしまひけり小傾城
呼びつれて星迎へ女や小磯まで
魂棚の飯に露おく夕かな
燈籠 提げて行く燈籠濡れけり傘の下
燈籠や僧の留守する古女
走馬燈 酔眼の況んや廻り燈籠かな
摂待 摂待に女具したる法師かな
秋の蚊帳 つゞくりの遂に破れて秋の蚊帳
新米 新米に娘も売らでとりつきぬ
鬼若も山を下りて踊かな
踊るべく人集まりぬ夕堤
月更けて恋の部に入る踊かな
花火 戸あくれば上らずなりし花火かな
浜殿とおぼしき空や昼花火
屋根越に僅かに見ゆる花火かな
乗込の役者の船や花火散る
小角力の水打つて居る門辺かな
角力取る二階を叱る主かな
寄せつけぬ眼くばりや指角力
松の木に太鼓打つなり村相撲
猪の牙にかけたる案山子かな
鳴子 若君に引かせ参らす鳴子かな
こゝろみに毛見の衆も曳く鳴子かな
柚味噌 柚子味噌の釜も併せて喰らひけり
天長節 年々に天長節の日和かな
天文
初嵐 初嵐御館の小門人叩く
両刀を抜けば竹なり秋の風
秋の空 秋の空我れに鳥往き鳥返る
天の川 朝立や馬のかしらの天の川
天の川故郷の空に傾きぬ
三日月 三日月に女ばかりの端居かな
月 法螺貝や月の大峯吹き下す
後の月 後の月右に有磯の海寒し
稲妻 聴衆は稲妻浴びて辻講義
野分 野分吹く篠蝋燭や六地蔵
野分して浪打ちあぐる小池かな
引きおろすフラフ吹かるゝ野分かな
学校に子供まだ居る野分かな
野分して人呼ぶ声や屋根の上
古城を莚で囲ふ野分かな
鶏の窓に飛び込む野分かな
露 道の辺や露深草の捨車
ひきすてし山車の人形や朝の露
朝露や矢文を拾ふ草の中
地理
秋の山 秋の山経読む程は日の残る
秋の水 墓道古りぬ首洗ひたる秋の水
秋の水或る僧は毒と申しけり
山の井や我が顔うつる秋の水
秋の水湛然として日午なり
花野 別荘の材木積みし花野かな
動物
鹿 宵闇や鹿に行きあふ奈良の町
雁 足もとに雁聞く雨の峠かな
眼白 眼白籠抱いて裏山ありきけり
鴫 野径十歩我に鴫立つ夕かな
秋の蚊 豹と呼んで大いなる蚊の残りたる
鱸 鱸提げて酒屋を叩く月夜かな
舟虫 桟橋に舟虫散るよ小提灯
蟷螂 蟷螂の真青に垣の雨晴るゝ
屁ひり虫は智なり蟷螂は勇なり
植物
紅葉 大木の四五枚残る紅葉かな
木犀 木犀の雨に簾をおろしけり
木槿 花木槿揚名の助の宿古りぬ
柿 夜をこめて柿のそら価や本門寺
芭蕉 芭蕉破れて雨風多き世となりぬ
中門の額見事なる芭蕉かな
大名に傘参らせよ萩の花
灯ともせば只白菊の白かりし
末枯 末枯に真赤な富士を見つけゝり
草の実 ひきほどく朝顔の実のがら/\に
田に鶏あそぶ夕日かな
松茸 釜で出す松茸飯や客の中
雑
家売りて妻伴ふや秋の旅
秋の灯人は周易に朱を点す
憂きめみし酒の病や須磨の秋
菅菰の発行を喜びて
陸奥は名物多し露の秋
矢の根井
井の秋や小石投げ込む村童
獺祭書屋
暁や溲瓶の中のきり/″\す
子規一周忌
下手な句を作れば叱る声も秋
従軍の人を送る
此別れ馬嘶いて秋高し
月我へ返事
朝寒に夜寒に酒は量なし
某が銃猟免許を受けたるに
鳥逐うて案山子の群に入り給へ
小女忌辰
俤や廻り燈籠の十七年
函館新聞の天長節号へ
熊祭るアイヌも踊れ菊の酒
愚庵 二句
普門品二十六夜の月の僧
其愚には及ぶべからず芋頭
本来無一物
稲妻のあとは野山もなかりけり
梨園碩果落つ
荒事の柿の素袍も秋の風
名優凋落
秋は馬場の大盃も手向かな
海晏寺門前に鳥酔白雄の跡をとぶらひて
秋風の隣ありけり墓二つ
水巴が大母の年忌に句を求めければ
御顔は知らねど露のきり/″\す
人の甘干を贈りこしゝに
甘干の心や老を老として
旧居の普請場を見て
足場かく下や松菊猶存す
冬之部
時候
初冬 初冬の竹緑なり詩仙堂
年の暮 質に入ると知らぬが仏年の暮
年の夜 年の夜を河内通ひやまめ男
人事
神の旅 紅毛も一人の神を送るなり
夷子講 夷子講位もちたる人もあり
袴著 袴著や銀杏吹き散る男阪
冬籠 耳うとき嫗が雑仕や冬籠り
冬籠初狂言の稿成りぬ
布団 夜二夜同じ夢見る布団かな
火燵 床下に風の通ひや古火燵
飛び下りる子供を叱る火燵かな
出勤に暫し間のある火燵かな
火を入れて櫓冷たき火燵かな
懐炉 棚に置きて帯占め直す懐炉かな
炭 炭焼の顔洗ひ居る流れかな
炭団 突砕いて紅散乱す炭団かな
榾 大学を孫に教ふる榾火かな
橋の上に人待つ振りの頭巾かな
頭巾借りて君が姿に似るべうも
茎漬 茎漬の強抗にして石軽ろし
風呂吹 風呂吹の一切づゝも一句かな
納豆 納豆汁三十棒の痛みかな
卵酒 嵯峨の雪卵酒しに羽紅起つ
事納 灯ともして下城の人や事納
古暦 人もをし人もうらめし古暦
煤掃 天井の天女の煤も払ひけり
煤掃くや我が梅の檐月の窓
御書院に煤掃く竹の落葉かな
年越 玉の緒よ年越蕎麦の長かれと
天文
時雨 しぐるゝや女の著たる赤合羽
凩 凩の吹き荒るゝ中の午砲かな
雪 大雪の谷間に低き小村かな
霜 折りくべて霜湧き出づる生木かな
初霜をいたゞき連れて黒木売
地理
冬田 大水の砂山残す冬田かな
砲台の下に冬田の道せまし
動物
鯨 曳き上げし鯨の上に五六人
鷹 隼の物食ふ音や小夜嵐
鷦鷯 三十三才網干す下を友ありき
千鳥 夢に鳴く八島屏風の千鳥かな
水鳥 火事跡や水鳥遊ぶ池の中
鴨 撃柝に鴨起つ城の大手かな
河豚 河豚汁や門に彳む最明寺
鮟鱇 鮟鱇の口から下がる臓腑かな
牡蠣 牡蠣飯の釜画きたる行燈かな
植物
茶の花 茶の花に裏門遠き野寺かな
枯柳 枯柳只ばら/\と靡きけり
冬木立 ゆら/\と朴の古葉や冬木立
冬木立三つ四つ鴉飛んで行く
枯菊 大菊の見事に枯れし花壇かな
枯蓮 蓮枯れて婆々になりたる菩薩かな
水仙 水仙や端渓の硯紫檀の卓
文机や水仙の芽の一二寸
雑
霜柴の我が目に痛き煙かな
(明治四十二年一月刊)