人格の養成

新渡戸稲造




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乗得のりえては艪櫂ろかいもいらじ蜑小舟あまをぶね
   片瀬かたせなみのあらむかぎりは
 船に乗ッてしまえば艪も櫂もいらない、ただ片瀬の浪さえあれば流れて行くから、安心してて行くことが出来る。悟道の道に入れば、もう安心じゃというた尼の歌がある。あなた方も世の中に出れば、学校さえ去ッて卒業免状を持ッて行けば艪櫂もいらないという観念を持つ人が沢山ある、口ではなアにまだまだなんと言ッておるけれども、心の中で安心する人が沢山ある。ところがその尼の歌に答えた坊さんの歌がある。
乗得のりえても心許こゝろゆるすな蜑小舟あまをぶね
   片瀬かたせなみ浮沈うきしづみあり
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底本:「新渡戸稲造論集」岩波文庫、岩波書店
   2007(平成19)年5月16日第1刷発行
底本の親本:「をんな 五巻四号」大日本女学会
   1905(明治38)年4月15日
初出:「をんな 五巻四号」大日本女学会
   1905(明治38)年4月15日
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
入力:田中哲郎
校正:ゆうき
2010年7月6日作成
2011年4月12日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。




●表記について


●図書カード