僕等が原にゐる時は、 誰かこつそりやつて来る。 僕等がたのしくゐる時は、 誰か森からやつて来る。 誰だかちつともわからない、 どんな姿かわからない。 けれどきつとよ、やつて来る、 僕等がたのしくゐる時は。 桂のなかや草くさの上、 僕等と一しよに歌うたふ。 僕等がたのしくゐる時は、 きつと誰だかそばにゐる。 僕等が穴をほる時は、 その穴のなかもぐりこむ。 僕等がおもちやで遊ぶ時、 錫の兵士とならんでる。 僕等が毎晩ねる時は、おやすみよつくと必きつと言ふ。 そして僕等がねてる時、 おもちやの箱の番してる。