此は(な)しハまづ/\人にゆ(言)ハれんぞよ。すこしわけがある。
長刀順付ハ千葉先生より越前老公へあがり候人江︵へ︶、御申付ニて書たるなり。此人ハおさなというなり。本ハ乙女といゝしなり。今年廿六歳ニなり候。馬によくのり劔も余程手づよく、長︵な刀ぎなた︶も出来、力チカラハなみ〳〵の男子よりつよく、先たとへバうちにむかしをり候ぎんという女の、力料斗︵ばかり︶も御座候べし。かほかたち平井︵加尾︶より少しよし。
十じう三さん弦げんのことよくひき、十四歳の時皆カイ傳デンいたし申候よし。そしてゑもかき申候。
心ばへ大丈夫ニて男子などをよばず。夫ニいたりてしづかなる人なり。ものかずいはず、まあ〳〵今の平井〳〵。
○先日の御文難レ有拝見。杉山へ御願の事も拝見いたし候。
其返しハ後より〳〵。
十四日
乙様
龍