愛護若

折口信夫




     

()()()
()()()輿
()()()()()殿退()退

()()宿()()

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殿姿()()()

姿西()姿



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()
かみくらやきりうが滝へ身を投げる。語り伝へよ。松のむら立ち

使
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ひよしさんわうまつり     天満
あいごの若
からさきのひとつ松のゆらい  八太夫
とあつて、宝永五年正月の、大伝馬町鱗形屋の出版である。説経が江戸に大いに行はれて、八太夫座の勢力が張つて後の発刊である。此古浄瑠璃には、必若干の脚色と誇張とが、伝説の上に加へられてゐる事は期せなければならぬ。

     二

近江輿地誌略巻十七に数へた愛護若伝説の重要な点は、


輿
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輿

の数ヶ処で、似て居ない点もある。其は、

西


()西便
耀耀
※(「火+畏」、第3水準1-87-57)()()()()
()()()輿輿

()()調


     



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使()()()()使使
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西

使
()姿



耀

     

調
        ()309-1 廿  廿  ()309-3 ※(「けものへん+爰」、第3水準1-87-78)
()


()()()()

()()()311-1()
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使
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指もさゝば怨み葛の葉、今にしのだに怨みの言葉。小兵衛聞け。麻は蒔くともになるな。穴生の里の九助怨し。……桃故命捨つるかや。我は死すとも、此桃の花は咲くとも、実はなるな。穴生の里のあらむ限りは、と怨み喞ちし言の葉の木にも心のあるならむ。

廿廿

衆人愛護若の噂、昔から世挙つて引三味線の調子に乗つて来る馬に唐鞍箱に納る刃の大刀に血ぬらずして、悪人追退伝る家の内柱は、ずつしりスワつて動かぬ一つ松。志賀のよい花園昔を今に語り伝へて五説経の其一を取つて、新に狂言を五冊に綴め云々。

()()
使



※(「けものへん+爰」、第3水準1-87-78)
314-14()()※(「けものへん+爰」、第3水準1-87-78)
輿()
()
()()()()()姿()()
()()()()西
姿





 2
   19957310
 
   19294410
 
   19187810
5-86





2004122
2004124

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JIS X 0213

調

JIS X 0213-


「子+盡」    309-1、311-1、314-14
「しめすへん+我」    309-3