女房文学から隠者文学へ

後期王朝文学史

折口信夫




      

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()()※(「代/巾」、第4水準2-8-82)
姿()()()()()()()()
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殿
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西便()
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わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと、人には告げよ。蜑の釣り舟(小野篁――水鏡・今昔物語)
わくらはに問ふ人あらば、須磨の浦に、藻塩垂れつゝわぶと答へよ(在原行平――古今集巻十八)
小野篁・在原行平が、同情者に向つて物を言うてゐるのとは、別途に出てゐる。
われこそは新島守りよ。隠岐の海の あらき波風。心して吹け(後鳥羽院――増鏡)
姿()

姿殿
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殿
殿()()殿殿
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便

      

殿
よき人のよしとよく見て、よしと言ひし 吉野よく見よ。よき人よ。君(天武天皇――万葉巻一)

あしびきの山の雫に、妹待つと、われ立ち濡れぬ。山の雫に(大津皇子――万葉巻二)
を待つと 君が濡れけむ あしびきの山の雫にならましものを(石川郎女――万葉巻二)
此唱和は、鸚鵡返しの無技巧と、別方法で、同じ効果を収めてゐる。唯、最後の「ならましものを」一句で、全然思ひがけぬ方面へ転じてゐる。一種の本歌の導きである。古今集の本歌どりの技巧は、万葉のとは変つて来た。
世の中は何か常なる。飛鳥川 きのふの淵ぞ、今日は瀬になる(読人知らず――古今巻十八)
を返して、
飛鳥川 淵にもあらぬ我が宿も、せに変りゆく物にぞありける(伊勢――古今巻十八)


むすぶ手の 雫に濁る山の井の あかでも 人にわかれぬるかな(貫之――古今巻八)
掬ぶ手の 石間をせばみ 奥山のいはがき清水 あかずもあるかな(人麻呂――万葉とあるが、実は、古今六帖)
姿調
使()



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なほたのめ。しめぢが原のさしも草。われ世の中にあらむ限りは(釈教歌――新古今巻二十)
()姿
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調
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殿()
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調
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殿
綿綿
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西調

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うちしめり あやめぞかをる。時鳥なくや 五月の雨の夕ぐれ(良経――新古今巻三)
調綿調
調


綿
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西西
西

西西
調

 
 
 
 
西調()()調

何とまた 忘れてすぐる袖の上に、ぬれてしぐれの おどろかすらむ(家長日記)

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※(「酉+榲のつくり」、第3水準1-92-88)()()
西調西西
西調
西西西調

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西
西
退調
西
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()()()姿

       

姿

調調
調






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   19957210
 
   19294425

   192729



2007713

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調